アブストラクトゲーム『Hex』の考案者、John NashさんではなくPiet Heinさんの凄さについて書いてみる。
サムネイル画像引用:
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Piet_Hein_and_H.C._Andersen_(cropped).jpg
はい、どうも。
珍ぬと申します。
4年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ300本書いています。
去年に引き続き、アブストラクトゲーム Advent Calendarを立ち上げました。
アドベントカレンダーも後半に入りました。
この間に、Lengthさんから2本、Kanare_abustractさんから3本の記事の参加をいただきました。
本当に感謝でございます。
今回の記事は、去年に書き溜めしたものになります。
なにせ第1回目なので心配でしたが、自分以外に3名の参加者がありまして大変ありがたかったです。
そんなわけで保留にしておりました。
また来年まで伸ばすのはちょいと野暮なので、出してしまいます。
HeinさんとNashさん
アブストラクトゲーム『Hex(ヘックス)』の考案者は2人います。
1942年に考案した、Piet Hein(ピート・ハイン)さん。
1948年に考案した、John Nash(ジョン・ナッシュ)さん。
1952年に3Mから販売された『ヘックス』は、後発のNashさんとつながりがあるようで、その分スポットが当たりやすかったと思われます。
さらに、ノーベル経済学賞を受賞。
彼の半生は映画化(『ビューティフル・マインド』)されました。
一方、Heinさんについては、自分はあまり着目していませんでした。
で、改めて調べてみると
何だこの人化け物じゃねえか
と叫びたいくらい、とんでもない人でした。
Heinさんが「Hex」を考案する前後の出来事については、『Hex:The Full Story』(日本語未訳)に書かれています。
※ちなみにハードカバーは価格3万円前後です。
Heinさん、あなた何者なのですか?
Heinさんは1905年12月16日のデンマーク生まれ(本日誕生日でございます)。
1996年に逝去されました。
お亡くなりになられて30年近く経ちますが、なんとHeinさんのサイトがあります。
サイトのホームをみると、
照明を販売している?!
なんで?!
英語版Wikipediaの項目(日本語版はなかった)をみてみると、
Polymath!
博学者!!
なんともかっこいい肩書がつけられたものです。
その一面がデザイナー。
販売している照明デザインをしているのが、Heinさんなのです。
スーパー楕円・超卵
上の照明は、Heinさんのデザインです。
形状は楕円あるいは卵型というには、四角形によっている形状です。
ここでPolymath−Heinさんの属性、数学者・発明者がはたらきます。
この形状は、スーパー楕円(super ellipse)と呼ばれます。
下のリンク(Royal Furniture Collection)で、スーパー楕円についての説明も記述されています。
スーパー楕円は、さまざまな分野で取り入れられています。
なんと、シャチハタは印鑑のデザインに取り入れました。
ソーマ・キューブ
ハナヤマの「かつのう」シリーズの1つ『ソーマキューブ』。
これも、Heinさんが考案したパズルなのです。
1933年のことなので、『Hex(ヘックス)』の約10年前です。
しかも、そのアイデアをひらめいたのが、
ヴェルナー・ハイゼンベルクが教鞭をとる量子力学の講義中
です。
うわの空、バンザイ。
さらにさらに。
Heinさんが『ヘックス』を考案した際に発表した機関が、ニールス・ボーア研究所。
これまた量子力学つながりなのです。
詩人Kumbelと詩Gluk
Polymath-Heinさんのまだ紹介していない属性は、作家・詩人です。
Heinさんは、ペンネームKumbel(カンベル)、あるいは、Kumbel Kumbell(カンベル・カンベル)を使用して執筆しています。
Kumbelとは、古ノルド語で「墓石」を意味します。
Gluk(グルック)は、Heinさんが作成した、短い格言詩または押韻格言の形式です。
Glukはデンマーク語で、英語だとGluks(グルックス)、Grook(グルーク)とも綴ります。
なんとGlukを10000以上作成しており、デンマークでは20巻以上出版しています。
下のサイト、HexwikiのHeinさんの項目には、すべての Hex プレイヤーが心に留めておくべきGlukを引用しています。
締め
ということで、Piet Hein(ピート・ハイン)さんの紹介でした。
いやはや、思いがけないところに面白い偉人はおります。
ひきつづき、アブストラクトゲーム Advent Calendar 2023をお楽しみください。
では。
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