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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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『DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT』ストーリークリア後の感想

カバー画像引用元:SIE公式HP

はじめに

本作の感想を語るにあたり、ストーリーの内容についてがっつり触れていきますので、未プレイ、プレイ途中の方はネタバレ注意です!

私は普段、映画・ドラマ等の感想を細々とFilmarks(下記)に書いているんですが、Filmarks上に本作のページが存在しない(当たり前)けど、面白かったからぜひ言語化しておきたいなーと思い、noteに綴ってみました。

雑感

率直に、面白かったっす!
序盤はハマれずに何度も離脱してしまいましたが、中盤以降は一気に引き込まれました。

本作をやろうと思ったきっかけや、ストーリークリアまでの流れ、プレイ時間等は下記の通りです。

2021年9月にSteamにて通常版購入
大学生の頃、同じく小島秀夫作品の『メタルギアソリッド』シリーズにハマっていた(自分でプレイしたのはPW、GZ、TPPのみで、他は実況でストーリーだけ追ってました)のに加え、発売当時トレーラーを見て気になっていた中、何かしらのセールが来たタイミングでとりあえず購入して積んでました。

↓ (何度も離脱・復帰を繰り返して早2年…)

2023年8月にディレクターズカット(以下DC)版へ移行
ここまでの通常版プレイ時間17.4h
レイク・ノットシティ[K4]に到着したあたりで徐々に面白くなってきて、せっかくやるなら最大限楽しみたいなと思いDC版に移行。



2024年3月1日にストーリークリア
ここまでのDC版プレイ時間49h
DC版移行後もなんやかんやで間が空いちゃいましたが、2月下旬にまとまった時間ができてから、最後まで一気に駆け抜けました。
やり込み要素をやり込み切る前にエンディングに突入してしまったのが若干心残りではありますが、最後のリザルト画面を残しておきます。

以下、個人的に良かったところと微妙だったところを羅列していきます。

良かったところ

世界観とストーリーがすごい(小並感)

作中、初っ端から訳の分からない専門用語がバンバン出てくるんですが、ストーリーが進むにつれて少しずつその意味が分かってくるような、やっぱり分からないような、その感じが好きでした。『インセプション』『TENET』等のクリストファー・ノーラン作品大好き人間なので、刺さりまくりでした。

また、BBと接続した時に流れてくる記憶が、BB-28ではなくサム自身の記憶だった、というのが判明したときは衝撃で、こういうミスリーディング好きぇ〜〜ってなりました。
敵対していたクリフがサムの実の父親だった、というスターウォーズ的展開も熱い。

I am your father.

理解力の乏しさ故に微妙に意味が分かってないところがあったのですが、下記考察記事を読んで腑に落ちましたので載せておきます。
考察記事を読んで改めてすげー!ってなる感じもノーラン作品っぽい。笑

総合芸術

「映画は総合芸術だ」と言われますが、本作はビジュアル、音楽ともに洗練されていた上に、ゲームなのでそこにプレイヤーの体験(後述)も加わり、まさに総合芸術だなという感じでした。

ビジュアル面で言うと、まずノーマン・リーダス、マッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、等々、錚々たるキャストの方々の顔面の造形が素晴らしかったです(当たり前)。
画になるな〜って思いながらスクショ撮りまくってました。キャストの方々の顔面も含めて総合芸術ですね。
さらに、服や装備、ガジェット、建造物のデザインも個性的でかっこよかったです。MGSシリーズに引き続き、新川洋司氏のセンスが光ってました。
そしてムービーシーンでは、小島監督らしさ溢れる映画的な美しい構図、カメラワークが相変わらず素晴らしかったです。映画を観ているような、というか、ボリュームも含めて映画そのものでした。

音楽面で言うと、本作は配達中に勝手に(?)曲が流れてくるんですが、選曲がシーンに合っていて演出として良かったです。
もはやちょっとした思い出の曲みたいになりました。
現在、例によって挿入曲プレイリストを絶賛ヘビロテ中です。

ゲームならではの表現

ヒッグス戦終盤で突然始まる格闘ゲーム(MGS4にもあった気がする)や、アメリに向けた銃を収めて抱きしめるシーン(自分で気付けたの嬉しい!)等、ゲームならではの表現、ストーリーテリングもやはり秀逸でした。

最近、X(旧Twitter)でバズっていたトロイ・ベイカー氏の発言がこの上なく的確に言い表していたので引用しておきます。

例えば絵画は人と一緒に鑑賞はできる。
でも一緒に筆で絵を描くとなると全然話が変わってくる。
でもゲームならそれができる。

ドキュメンタリーフィルム『HIDEO KOJIMA: CONNECTING WORLDS』より

心地良い作業ゲー

配送任務や国道復旧の作業、多少めんどくさいなーと思いつつも、無心でやっていると不思議と心が落ち着きました。
ゲーム外でラジオを聴きながら作業し、時折立ち止まって美しい風景を眺めてスクショを撮り、完了後はNPCから感謝の言葉やいいねを貰い、プライベートルームで回復しつつ音楽を聴きながらドキュメントを読んで世界観に浸る、という一連の流れが絶妙に心地良かったです。

ソーシャル・ストランド・システムが秀逸

ありそうでなかった斬新な仕組みで、こんなのよく思いついたなーと感心しました(何様)。

カイラル通信外区間をヒーヒー言いながら踏破しているときは孤独感に苛まれますが、やっとの思いで通信を開通させると、その後の帰り道は、世界中のどこかのsomeoneが作ってくれた沢山の建造物で賑やかになり、それが祝福のようにも感じられます。
頑張った自分のことも、他人のことも好きになれる、そんなゲームだなと思いました。

とは言え、共有される/されない建造物の選ばれ方とか、マッチングの仕方とか、詳しい仕様がよくわからずモヤモヤしちゃうこともあったので、あまり深く考えないようにしなきゃなーと謎に自分を律してました。

余談ですが、個人的に現在プレイ中(離脱中)の『スーパーマリオブラザーズワンダー』にも似たような仕組みがあり、本作から影響を受けてたとしたら面白いなと思いました。

終わり方が素敵

本当に素晴らしい終わり方でした。
最後の配送任務が最初と同じ遺体焼却所への配送というのも構造として美しかったですし、衰弱したルーを必死で救おうとするサムの姿には心を打たれるものがありました。
ルーがアメリのキープを手にし、帰還者として生き返ったところからは、「いや、アメリのビーチとの繋がりは絶たれたんとちゃうんかい!」と若干の不穏さを感じてしまいましたが、続編への含みという意味では良いなと思いました。

微妙だったところ

序盤が苦痛

序盤の、操作にも慣れていない、使える装備も少ない、国道も無い中での配送は難易度が高く、その上ストーリー的にもあまり面白みが無かったため、かなり苦痛でした。その分、中部エリアで楽しさを見出した時の感動は大きかったですが!

終盤の展開がやや長い

人型巨大BT戦からのヒッグス戦で盛り上がりが最高潮に達し、そろそろエンディングか!?と思わせておきながら、意外とその後の展開が長く、やや冗長に感じてしまいました。
特に、クジラ戦は巨大BTの後だと驚きも無く、めんどくささすら感じてしまいました。

ここのクライマックス感えぐかった

愛すべき中部エリアとの唐突な別れ

K4の嵐に突入しちゃうと、エンディングまで中部エリアに戻ってこれないことを知らず、細々とした要素をやり込み切る前に嵐に突入してしまい、リザルト画面が寂しい感じで終わっちゃったのが心残りでした。
DC版の感想と言いつつ、追加要素はまだほぼプレイできてません。
ちゃんと教えてほしかった!(聞き逃しただけかも)
まあ、人生も同じですわな。悔いなく生きねば。

ビーチうろうろスタッフクレジット

終盤、サムが自分のビーチをうろうろ
→疲れて座り込む→アメリが説明→(繰り返し)→スタッフクレジット
というシーンがありましたが、ここでの演出的な正しい立ち回り方が何だったのかわからずモヤモヤしちゃいました。
うろうろしなきゃいけない理由もよくわからないし、ゲームの都合上の境界まで行くと強制的に引き戻されるのも何だか滑稽でした。
せめて、サムが「どうやってここから出るんだ…」とか喋ってくれたらまだ納得できた気がします。

うろうろ

小島秀夫という男

あーだこーだ文句も書き連ねてしまいましたが、前述の通り、本当に素晴らしい作品でした。
めんどくさがりの私にこんな長文のnoteを書かせるくらいには素晴らしかったです(?)。

ちょっと話は逸れますが、ストーリークリア後、余韻に浸ったままの勢いで、Disney+で配信されているドキュメンタリーフィルム『HIDEO KOJIMA: CONNECTING WORLDS』も観てみたのですが、そちらも面白かったです。本記事の締めも兼ねて、そちらの感想も書き連ねます。

憧れの人たちと仕事してるって素敵

もちろん、大変なことも多々あるでしょうし、これまで小島監督が築き上げてきた輝かしい実績と信頼関係の上に成り立つ現状だということは重々承知の上ですが、名だたる有名な俳優、監督たちにラブコールを送り、それに喜んで応えてもらえるという立場は、シンプルに羨ましく思いました。

自分の名前を冠する=責任がエグい

小島監督作品は、タイトルに”A HIDEO KOJIMA GAME”と書かれており、このドキュメンタリーフィルムの冒頭で、その意味について語っていました。
私は正直、みんなで作ってるのに独り占めかい!エゴすごいな!とひねくれた見方をしてしまってましたが、これは裏を返せばダメだった場合も全責任を負う、という覚悟の現れでもあると知りました。責任がエグい。

おわりに

そんなこんなで、ゲーム自体も面白かったですが、小島監督という人、考え方、生き方も面白いなと思い、メタ的な楽しみ方もできました。
続編の『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』は来年2025年発売とのことなので、やりこみ要素をぼちぼち進めつつ、楽しみに待ちたいと思います。

P.S.
書ききった〜長かった〜
これは”A ZUSHI NOTE”ですわ。

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