才能ってなんだろう?
「あなたには才能がない」と言われてその道を諦めた人はどれだけいるんだろうか。
何かを仕事に選ぶ時に自分には才能があるからこれをやる、と決めた人は意外と少ないのでは。
「才能ってなんだろう?」
今の木象嵌職人という仕事を始めて、実演やインタビューの時などあなたはすごい才能を持っていると言われる事が結構ある。
でもイタリアに来る前、日本でごく普通の生活をしている中で自分には職人としての才能は無かった。
少なくとも小さな頃から芸術的な才能は自分でも感じていなかったし他から見ても特別なものは無いと思われていたと思う。
おそらく日本で変わらずサラリーマン生活をしていたらそういった才能は無いという状態のまま過ごしていたはず。
でもフィレンツェで師匠の工房で初めて木象嵌の作業をさせてもらった時、特に糸鋸の作業は自分の中の何かが刺激された気がした。
奥底に眠っていた才能のかけら。
そういうものが自分の中にもあるかもしれない、そんな可能性を感じることが出来た。
才能というのは有る無しではなく
浅く分かりやすい所にあるのか、深く分かりづらい所にあるのか
だけだと思う。
一般的な教育のカリキュラムや社会の中では才能を深く掘り下げるまでは残念ながらしてもらえない。
そこにたどり着くにはパッションであったり長い時間が必要だったりする。
もしくは何かそのかけらを強く刺激するきっかけがあるか。
このどれにも必要なのは自分が動く事。
自分が動き続ける事によって才能が無いはずが有る事になったりするかも。
その変化を楽しむというのも人生の楽しみ方なんじゃないかな
と最近感じている。
-Fin-
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