きっかけは「魔法の言葉」
「どうしても苦手な食べ物がある人は、事前申告すれば三つまでなら残しても構いません。でもそれ以外はきちんと食べましょう」。私が小六の時、担任の先生がこんな給食のルールを設けてくれた。十年近く経った今でも鮮明に思い出せるくらいにはみんなの神様だった。加藤先生の魔法の言葉は私たちの持て余した想像力によってその後も一人歩きを続け、高校を卒業する頃には「もしこの先の人生で関わりたくないものを申告できるとしたら?」なんて最終形態にまで進化した。残念ながら今世では聞き入れてもらえそうにない