「スフィンクス」
オリンポスの神々と人間のドラマ 第三話
今回は、ギリシャ神話「スフィンクス」(Sphinx)の謎と 、どうぶつえん貝塚化の恐怖です。
結婚と出産をつかさどる女神ヘラは、妻を無視するテーベ国王をこらしめるため、スフィンクスを送りこみました。
美しい女性の顔と乳房、ライオンの体と尾、そして翼をもつ怪物は、テーベの峠で通行人を待ち伏せて、
「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の生き物は何か?」
と謎をかけ、答えられないと食い殺しました。
恐怖で道を通る人も、交易も途絶するなか、コリントス国の王子オイディプスは、峠にのぼって挑戦。
謎を聞くや、いとも簡単に
「それは人間さ。赤子はハイハイで四本足、成長すると二本足、老いると杖をつくから三本足だ」・・・。
あっさり正解されたのを恥じて、スフィンクスは谷底へ身を投げました。
ギリシャ神話の中でも、ひときわドラマチックな『オイディプス』。
神々と人間の愛憎の物語は、何度読んでも感動的ですね。
ところで、今回のスフィンクスは、15種類の貝殻(パーツ)でつくりました。
数量は、髪の毛のイガイは20個、目のスガイは2個、手足のカニモリガイは4個など、全部で36個を使用しています。
ちなみに、制作工房でよく使う貝は、サイズ別に小型ケースで分類。
大型の貝や量の多い貝は、大型のケースで保管しています。
現在、小型ケースは約500、大型ケースは600を越え、増える一方で数が減ることはありません。
このままでは、いつかは“貝塚”になるぞ!と、園長はひそかに首をすくめています。 つづく
貝との約束は「割らない」「塗らない」「削らない」
<貝の配役>
★「スフィンクス」
頭:カイコガイ 目:スガイ(ふた) 眉・口:ガンガゼ 鼻:ヒメキリガイダマシ 髪:イガイ 身体:ジュドウマクラ 手足:カニモリガイ
乳房:マメニセザクラ 尾:コゲチャタケ/タモトガイ 翼:ユキミノガイ ★台座:ヒオウギガイ/巻き貝の芯/サザエ ★地面:ヒオウギガイ
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