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ようこそ、いらっしゃいませ。「かいのどうぶつえん」では動物たちはすべて放し飼いです。残…

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ようこそ、いらっしゃいませ。「かいのどうぶつえん」では動物たちはすべて放し飼いです。残念ながら餌は食べませんが、どうぞ自由に遊んでいってください。

最近の記事

『貝 殻』

<新美南吉>シリーズ 第二巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第2回目は、新美南吉の詩、『貝 殻』です。    かなしきときは 貝殻鳴らそ。 二つ合わせて息吹きをこめて。   静かに鳴らそ、貝がらを。   誰もその音を きかずとも、 風にかなしく消ゆるとも、   せめてじぶんを あたためん。 静かに鳴らそ貝殻を。 19歳で『赤い鳥』に『ごん狐』が掲載され、北原白秋や、兄弟子

    • 『牛をつないだ椿の木』

      <新美南吉>シリーズ 第一巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第1回目は、新美南吉の最晩年の作品、『牛をつないだ椿の木』です。 初夏の山道をたどる牛曳きの利助と、人力車曳きの海蔵は、あまりの暑さで喉が渇きました。 道端の椿の若木に牛をつなぎ、いつものように100mほど急坂を登り、山中にわけいって、冷たい湧き水をゴクゴク。 「泉がもっと近かったら楽なのに」と話しながら坂を降る

      • 「頼みの綱は想像力」 

        <舞台裏>シリーズ No.20 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第20回目は「頼みの綱は想像力」です。 擬人化した動物を主人公に、教訓や風刺をたっぷり織りこんだイソップ寓話は、「かいのどうぶつえん」にとって、ぴったりなテーマです。 これまで数多くの場面を制作してきましたが、『オオカミ少年』もそ

        • 「生みの親も、育ての親も」 

          <舞台裏>シリーズ No.19 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第19回目は「生みの親も、育ての親も」です。 多くの人に惜しまれ別れを悲しまれながら、人気者のシャンシャンが中国に返還されたのは2023年2月のこと。 四川省の「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」での生活に慣れない!との噂に、

        『貝 殻』

          「やんばるの森の仲間たち」

          <舞台裏>シリーズ No.18 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第18回目は「やんばるの森の仲間たち」です。 2021 年4月のこと。沖縄本島北部でオオムカデの新種が発見されました。 翡翠色に輝く巨大ムカデは、体長約20cm、体幅約2cm(大人の親指くらいの太さ)で国内最大。日本初、世界で3例目

          「やんばるの森の仲間たち」

          「蓼食う虫も好き好き」

          <舞台裏>シリーズ No.17 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第17回目は「蓼食う虫も好き好き」 です。 古書の街・神田の古本市で、フランスの昆虫学者ファーブルの名作『昆虫記』(1878年 第1巻発行)を購入したのは、ずいぶん昔のこと。大学生時代でした。 麻紐で十文字にくくられた全20分冊の

          「蓼食う虫も好き好き」

          「母なる海へ」

          <舞台裏>シリーズ No.16 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第16回目は「母なる海へ」 です。 ジンベイザメに会いたい!イルカと泳ぎたい!など、ダイバーはそれぞれの目的を胸に、世界の海で潜ります。 そんな遠出をしなくても、国内の浅い海で楽しめるのは”ハッチアウト”です。 ダイバー用語のひと

          「母なる海へ」

          「負けてたまるか」

          <舞台裏>シリーズ No.15 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第15回目は「負けてたまるか」 です。 ここでは、園長の“ど根性”をご紹介します。 新型コロナウイルスの発生から3年余。日本では2023年5月より、感染法上の分類を季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることになりました。 た

          「負けてたまるか」

          「絲綢之路」

          <舞台裏>シリーズ No.14 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第14回目は「絲綢之路」です。 古い話ですが、1980(昭和55)年4月にスタートしたNHK特集「シルクロード -絲綢之路-」を毎月見て、素直に感動したことを思い出します。 悠久の時を奏でるテーマ曲(作曲:喜多郎)で始まる第1部

          「絲綢之路」

          「面目躍如」

          <舞台裏>シリーズ No.13 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第13回目は「面目躍如」です。 園長の、常識破りなチャレンジをご覧ください。 高知県の友人から届いた小包には、ビニール袋で2重に包んだ活貝が入っていて、封を切るとかすかに匂いました。 宿毛市沖の島の断崖絶壁を、ロープで下った荒磯で

          「面目躍如」

          「貝の動物は、目が命」

          <舞台裏>シリーズ No.12 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第12回目は 「貝の動物は、目が命」です。 数年前に知人から、「キャッツアイ」という名の、巻貝のフタを数枚いただきました。外国産でサイズは直径1〜2㎝ほど。ふくらんだ表面はツルツルで、黒目の部分は宝石も顔負けの深い緑色をしていました。

          「貝の動物は、目が命」

          「合縁奇縁」

          <舞台裏>シリーズ No.10 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第10回目は「合縁奇縁」です。 最初から動物にピッタリ合う貝があります。逆に、何にも使えないと諦めていたのに、思いがけずも、ふさわしい役が見つかることがあります。 動物と貝は、目には見えないご縁の糸で結ばれているのですね。 漁師の家

          「合縁奇縁」

          「園長の青べか物語」

          <舞台裏>シリーズ No.9 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第9回目は「園長の青べか物語」です。 園長の大好きな山本周五郎の世界を、貝で再現しました。 『樅ノ木は残った』(1954)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『青べか物語』(1961)、『さぶ』(1963)・・・。 高校から大学にかけて、

          「園長の青べか物語」

          「もっとサプライズを!」

          <舞台裏>シリーズ No.8 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第8回目は「もっとサプライズを!」。 日本の歴史に目覚めた園長の、無謀なチャレンジのお話です。 はじめての方からの作品展示や教室依頼は、なぜかドキドキします。 条件や内容などは無関係で、頼まれると、ただただ嬉しいのです。 かなり前の

          「もっとサプライズを!」

          「運命共同体」

          <舞台裏>シリーズ No.7 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第7回目は「運命共同体」です。 地球上の生き物たちへの、園長の思い入れをお聞きください。 イベントの打ち合わせで、茨城県自然博物館を訪ねた時、ミジンコの大型模型と出会いました。 何百倍にも拡大された微生物の迫力に圧倒され、つくろうと心

          「運命共同体」

          「こころがわり」

          <舞台裏>シリーズ No.6 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第6回目は「こころがわり」です。 園長の浮気者ぶりを、恥ずかしながらそっとご紹介します。 遠来客を案内して、近所の海岸を歩いていたときのこと。足元に思いがけない貝を発見して胸がときめきました。かがんで手にとると、とある動物の顔がくっきり

          「こころがわり」