ニューフェイス 第8回 今回は、バンクシーの「風船を持った少女」(Girl With Balloon)です。 2005年8月のこと。謎のアーチスト・バンクシーは、ヨルダン川西岸地区をおとずれ、パレスチナ側の分離壁に9点の絵を描きました。そのひとつが、「風船を持った少女」です。 小さな女の子が、紐で結んだ8個の大きな風船で、高い壁を軽々と飛び越えようとしています。 作画中に、バンクシーはイスラエル兵に何度も銃を向けられたものの、ひるむことなく、すべて完成させました。
ニューフェイス 第7回 今回は、世界の若者に人気のストリートダンス「ブレイキン」(Breaking)です。 DJ(ディスクジョッキー)の音楽に合わせ即興で、二人のブレイカー(ダンサー)が、交互にアクロバティックに踊り、頭で回転する”ヘッドスピン”など、技の優劣を競います。 起源は、1970年代初頭のニューヨークの貧困地区。アウトローたちの縄張り争いで、たくさんの命が失われていました。悲惨な状況を憂えた地元のミュージシャンが、「殺し合わずに音楽で勝負するダンス」を提唱。
ニューフェイス 第6回 今回は、神聖で縁起のよい”竜”の子供「ヤアズ(睚眦)」です。 古来より中国皇帝のシンボルとして尊ばれてきた竜には、姿形も性格も異なる九頭の子供、”竜生九子”がいます。 その七番目の子供が「ヤアズ」で、殺意や邪気を呑みこんで、そのエネルギーを殺し消滅させてくれます。 風水では、ヤアズアイテムを家に置けば、家族にとって悪いものをバクバク食べて守ってくれる最強の戦士だそうです。 そうそう。2024年(令和六)の干支(えと)は”辰”(竜/龍)。 世
ニューフェイス 第5回 今回は、仕草がかわいい「ナマカフクラガエル」(Namaqua rain flog)です。 大福餅のような”ぽっちゃり系”で、体長は約5cmと手のひらに乗るサイズ。大きな目玉とぺちゃんこの鼻がなんともキュートな人気者です。 ジンバブエやナミビアなどアフリカの乾燥地域に生息し、地面に掘った穴がねぐら。ほとんどの時間を地下で過ごし、雨が降ると地上にはい出て、小型の昆虫を捕食します。 前足の指は4本、後足の指は5本で普通のカエルと同じですが、水掻きがあ
ニューフェイス 第4回 今回は、独特な表情の民族仮面(Mask of Africa)です。 西アフリカ・コートジボアールのバウレ族が、伝統的な儀式に用いる木製の仮面です。 現地では、仮面は精霊の力を持つとされ、特別に訓練された人以外は着用も所有もタブー。仮面の霊力が、かぶった人に憑依すると信じられています。 アフリカ各国には、独特なデザインの民族仮面が存在し、眺めているだけでたのしくなります。もちろん世界各国にユニークな民族仮面が存在します。 ところで、人はなぜ仮面
ニューフェイス 第3回 今回は、太平洋の深海を棲家とする「センジュナマコ」(Scotoplanes globosa/Sea Pig)の新種です。 ハワイとメキシコ間の広大な海域で深海調査が行われ、珍しい生き物がたくさん発見されました。 水深4000〜6000m、太陽光が届かない暗黒で高水圧の海底に、5500種以上の深海生物が生息。90%は「未知の生物」だそうです。とりわけ奇妙で目立ったのが「センジュナマコ」の一種でした。 ちなみに、和名は千手観音に由来しているそうです。
ニューフェイス 第2回 今回は、”生きた化石”と呼ばれる「ムカシトカゲ」(Tuatara)です。 約2億5千万年前から、ほとんど姿をかえないムカシトカゲ。恐竜時代の生き残りは、最近の研究で、遺伝子的に哺乳類と爬虫類の中間であることがわかったそうです。 ニュージーランドのステフェンス島など、限られた保護区にのみ生息し、英語名のTuatara(トゥアタラ)は、原住民マオリ族の言葉で「背中のトゲ」の意味です。 全長50〜80cm、頭部中央には第3の眼をもっています。 夜行性
ニューフェイス 第1回 今回は、脱皮したばかりのオオタマオウギガニ(Leptodius exaratus)です。 エビやカニ、地元の魚を集めた和歌山の水族館で、飼育員が撮影した動画がSNSで話題となっています。 映っているのは白くてモフモフで、体長4cmの丸くかわいいカニ。 その横には、脱ぎ捨てた茶色で硬い”脱皮殻”がならんでいます。 「歩く綿あめみたい!」「ぬいぐるみが欲しい」など数多くのコメントが寄せられています。 ちなみに、甲殻類のカニは硬い殻を脱がないと大き
記念作品シリーズ 第八回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。 そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 八回目は、2013年6月に公開した第100回目の作品「シャチホコ」(Shachihoko)と、 2006年6月に公開した、第1回目の作品「ニワトリ親子」 (Chicken Family)の二本立てです。 相模湾に面した近くの
記念作品シリーズ 第七回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。 そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 七回目は、2010 年1月に公開した第200回目の作品 「武道館1966」 (Budokan 1966)です。 イギリス・リヴァプール出身のロックバンド「ビートルズ」(The Beatles)が、ファースト・アルバム『プリー
記念作品シリーズ 第七回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。 そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 七回目は、2011 年12月24日に公開した 第300回目の作品「ミミズク 」 (horned owl)です。 この年、3月11日にマグニチュード9.0の巨大地震が発生。大津波が宮城、岩手、福島の沿岸を襲いました。 さらに
記念作品シリーズ 第六回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 六回目は、2015 年10月に公開した第400回目の作品、 「ほろ酔いゾウ 」 (tipsy elephant)です。 広報担当者からもらった、沖縄土産の貝をながめていて、 400回の記念作品の“ゾウの頭”に使おうと決めました
記念作品シリーズ 第五回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 五回目は、2015年10月に公開した第500回目の作品「テディ ベア」 (teddy bear)です。 当初は、500回にふさわしい動物は?とか、あっと驚かせる動物は?などと意識しすぎて、迷いが深まってしまいました。 しかし、
記念作品シリーズ 第四回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作。100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開してきました。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 四回目は、2017 年9月に公開した第600回目の作品「ノアの箱舟 」 (Noah's ark)です。 例年のことですが、春から夏のかけてはイベントや、メディアの取材が集中します。 記念作品のことは頭を離れなかったのですが、忙しすぎ
記念作品シリーズ 第三回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで、新作を制作してきました。 そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 三回目は、2019 年8 月に公開した第700回目の作品「470級セーリング」 (470 class sailing)です。 第32回東京オリンピック2020の、セーリング競技に使われた小型ヨット470級は、2人乗りのレース
記念作品シリーズ 第二回 「かいのどうぶつえん」では、2006年の開園以来、毎週1作品のペースで新作を制作してきました。 そして、100回目ごとの節目に、“記念作品”を制作し公開。 このシリーズでは、時間をさかのぼって記念の作品をご紹介します。 二回目は、2021年8 月に公開した第800回目の作品「八百屋さん」 (greengrocet)です。 約2年に1回、必ずめぐってくる記念作品のテーマ選定には、いつも悩みます。 ところが、800回記念はすんなり決定しました。