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田舎者が上京したら案の定宗教に誘われたのでファミレスで5時間おちょくった話

上京、そして洗礼

はじめまして!Zuya と申します。三重県田んぼ村で生まれたとんでもない田舎者ですが、身の丈に合わない受験を経て京都大学に進学し、そのまま 2021 年 4 月の就職を機に上京してきました。また、現時点では無宗教です。歳をとって死にそうになったら、その際までに得た知見をフル活用して宗教を慎重に比較検討するつもりです。

さて、都市部を 1 人で歩いていると見知らぬ人に声をかけられることが割とあります。私が上京生活を始めた今年の 3 月から現在までの間において街で声をかけてきた人の業種をまとめたところ、次の通りとなりました。

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ご覧の通り東京では宗教への勧誘がかなり積極的に行われていることがわかります。私のような田舎者を格好の獲物として日夜狙っているのでしょう。

宗教勧誘は悪なのか

ここで、本記事のタイトルを要約すると「宗教に誘われたのでおちょくった(=茶化した)」となります。しかし、言うまでもなく宗教勧誘そのもの自体は、誰かから茶化されなければならないほど悪いものではありません

ただし「宗教を信じる」ということは「人生における考え方の指針を拘束される」ということですから、特定の宗教を信じることで人生が大きく変わることがあります。言い換えると、人生を台無しにすることがあります

従って、自らが信じる宗教を他人に勧めるというのであれば、当然ながらその宗教の世界観や教義について論理的かつ誠実に説明する必要があります。「人生を台無しにするかどうか」という極めて重大な局面であるにも関わらず、論理が破綻していたり嘘が含まれたりする状態で宗教勧誘するような行為は、明らかにターゲットを侮辱する外道というほかありません

そして「人生における考え方の指針」などとという途方もなく大きい概念を含む宗教について「論理的かつ誠実に説明する」行為は非常に困難です。少なくとも、街で声をかけたり、インターホン越しに勧誘したり、ファミレスに連れ込んだりして説明する程度で「論理的かつ誠実に説明する」のは事実上不可能です。

よって、街で声をかけてから宗教に勧誘するような人は全員支離滅裂かつ大嘘つきですあなたの人生を台無しにするだけなので、宗教に勧誘してきそうな人に声をかけられたら、すぐに逃げましょう

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とはいえ

上京したての地方出身者にとって、見知らぬ土地で気さくに声をかけてくる人はどうしても頼もしく見えてしまいます。私も三重県田んぼ村出身なので、まんまと秋葉原で「やばやば宗教」の信者と仲良くなってしまい、ファミレスに連れ込まれてしまいました。

この記事では、ファミレスに連れ込んできたので 5 時間おちょくった顛末をできるだけ詳細に記述します。そして「ファミレスに連れ込まれても無宗教のまま帰ってくる方法」を皆様にお伝えするとともに、秋葉原に巣食う「やばやば宗教」勧誘の手口を余すところなく公開します。

オタクとの遭遇

月曜日の深夜、私は推しコンテンツのタイアップ展示を撮影するために秋葉原駅へ出向きました。「自分の推しをしっかり撮影するために人の少ない深夜に秋葉原駅で撮影」──都区内住民の特権です。数ヶ月前では考えられなかったようなライフスタイルを実現し、ガチ田舎者の私は少なからず高揚感を抱いていました。

とはいえそこは大都会。21:00 くらいであればまだまだ人通りは絶えません。仕方がないので展示場所の前で待機することにしました。そしてしばらくすると、突然私と同じような人種の男性(高身長超絶イケメンすぎてジャ○ーズ間違いなし)が声をかけてきました。この人を以下「ジャ○ーズくん」とよびます。

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ジャ○ーズくん「あ、あの、......その、ご、御飯食べられる場所、し、知りませんか」

当時は 2021 年 8 月。東京都は「緊急事態宣言」のさなかにありました。これを受けてほとんどの飲食店は要請に従い 20:00 で完全閉店。ジャ○ーズくんに声をかけられた時点では、既に反骨精神あふれるパンクな店しか開いていなかったので、適当に「そんな店知りません」と返しておきました。

ところが、これで会話終了と思いきやジャニーズくんは話題を転換し、私が撮影しようとしていたコンテンツについて色々質問するなどしてオタクトークを開始してきたのです。私も中 2 以来の高身長超絶イケメンすぎてジャ○ーズ間違いなしなので、全力で応戦させていただきました。

ジャ○ーズくん「こ、これは...... 何という、こコンテンツなのですか」

Zuya「あ、あ、これは、えーと、その──っていうコンテンツでして、い、いま結構人気なんですけどデュフフ」

ジャ○ーズくん「ふんがぁ〜!そ、それはしゅば、すばらしいですね拙者wwwww」

Zuya「お主ニキもわかりよるかウヘウヘウヘ」

いまこの 2 人に結ばれた関係は「友情」です。私たちはさらに高みを目指すべく、日を改めてお手合わせすることにしました。

ジャ○ーズくん「も、もしよかったら来週の日曜日にお話しませんか、できれば池袋とかどうですか?」

Zuya「あ、いいですね!」

ジャ○ーズくん「ありがとうございます!じゃ、じゃあ連絡先を......!」

私が普段使っている Twitter アカウント を渡し、この日は解散しました。

なお、帰宅後冷静に考えたところ、なんとなく宗教勧誘されていると勘付きました。しかし、仮にそうだったとしても、それはそれでおちょくって楽しみたかったので特にキャンセルはしませんでした(実際にはキャンセルする人が多いのか、この間ジャ○ーズくんは必死になって DM で出席確認をしてきました)。

答え合わせ

ついに運命の日曜日が来てしまいました。本当にジャ○ーズくんは宗教勧誘をしたかったのでしょうか。ジャ○ーズくんの言動をもとに、一つずつ答え合わせをしていきましょう。

ジャ○ーズくん「こ、こんにちは!1週間ぶりですね!池袋駅だとちょっと人が多すぎるので、私鉄で小さな駅に行きませんか?」

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ジャ○ーズくん「いまボクの中学時代の友人が合流したいって言ってるんですけど、一緒に喋ってもらって、......いいですか?」

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Zuya「なんか突然小さな駅に連れ出されて、かつ仲間が合流するなんて、まるで宗教勧誘みたいですねwww今からボク勧誘されちゃうんすかwwwww」

ジャ○ーズくん「え...... ?あ、え?.......」

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どう考えても宗教勧誘です本当にありがとうございました!

今さら引き返すことはできません。勧誘現場となるファミレスの最寄り駅に着くまでの間、私は宗教勧誘に対する不安 1 割、初めて乗る私鉄路線に対する鉄オタ的興味 9 割で過ごすほかありませんでした。東武50000系は顔がかわいい!

宗教勧誘の手口 実録5時間

「これって宗教勧誘じゃないかな?」秋葉原での声掛け事件から 1 週間抱き続けていた疑念は、遂に確信へと変わりました。しかし、今や私はファミレスでジャ○ーズくんと対峙しています。しばらくすると、ジャ○ーズくんが先程呼び寄せた別の男もやってきました。

先に述べておくと、この男は私が今まで出会った人間の中で、間違いなく上位 10% には入るほど話し方が上手でした。おそらく宗教勧誘のマニュアルにおいて下記の通り役割分担が定義されているのでしょう。

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ただし、弁が立つものの頭は悪かったので、以降この男を「弁立頭無男」(べんたち-あたまなしお)と呼ぶことにします。

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まずは 3 人それぞれが自己紹介。なぜか 2 人が

ジャ○ーズくん「ボクなんて F ラン大だから......」
弁立頭無男「すいません高卒ですw」

などと言い出したので、遠慮なく京大マウントを取らせていただきました(この時点で弁立頭無男の顔から笑顔が消えました)

さて、いくら最終目的が宗教勧誘であるとはいっても、最初からあからさまに宗教トークを始めるわけにはいきません。まずは勧誘台本に記載されていないトークをアドリブでこなす必要があります。

弁立頭無男は先述の通り非常にトーク力に長けていたので難なくこなせていたのですが、逆にジャ○ーズくんのトークは酷いものでした。常に言葉がうまく出せておらず「一刻も早く台本通りの宗教トークに移行したい」という気持ちが溢れていました。

台本トーク突入!ジャ○ーズくんと宗教の出会い

30 分程すると、遂に弁立頭無男が動きます。

弁立頭無男「Zuyaくんって、なにか夢とかあるんですか?」

明らかに台本の章が変わりました。宗教編開始です。

これから私は 2 人の信者を相手に、洗脳されないように気をつけながら彼らをおちょくり続けなければなりません。そのためには、会話のペースを常に自分が牛耳る必要があります

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ここで私が夢を素直に語れば、彼らは「その夢を実現する手段」として自然に宗教トークへ導入することができるでしょう(というか、台本にそのとおり書いているでしょう)。そのため、会話の主導権を握るために、台本においては想定されていないであろう回答を述べる必要がありました。

Zuya「いや、あのー、夢はあるんですけど、こんな初対面の人に言えるような夢じゃないです」

これで「夢」をフックにした導入をブロックすることができました。すると、先程から早く台本トークに突入したくて仕方がなかったジャ○ーズくんが、遂に我慢できなくなったのか、突然饒舌になりました。

ジャ○ーズくん「あの、実はボク中学生の時に『斜位』(目の位置がずれる病気)を患っていたのでいじめられてしまいまして、あとテストの点数もすごい悪かったんですよね。さらに母親からも冷遇されていて嫌な思いをしたんですよね...... 」

ジャ○ーズくん「ある日、母親が部屋の隅っこで『なむなむ』ってつぶやいていたので問いただしてみたんです。そしたら『X教の祈りを捧げていたら幸せになれるからアンタもやれば?』って言われたんですよ。私は『そんなバカな』と思ったんですけど、でも現状があまりもつらい状況だったので、ダメ元で私も『なむなむ』することにして......」

ジャ○ーズくん「そしたら突然斜位が治って、母親の機嫌も良くなって、あと高校に進学してからは友達がいっぱいできたんですよねー!」

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いきなり宗教感を匂わせてきたのですが、いくらなんでも台本のページを飛ばしすぎです。こんな話初対面の人にするような話ではありません。あまりにも不自然すぎて笑ってしまいそうになりました。

それにしてもジャ○ーズくん、練習を何回も重ねてきたのかこのパートはある程度流暢に喋っていたのですが、手が異常に震えていました。何か後ろめたいことでもあるのでしょうか。

Zuya「あ、あのwwなんでいきなりこんな話したのかわからないんですけど、さっきから手がかなり震えてますし、無理して初対面の僕にそんな話しなくていいっすよwww」

ジャ○ーズくん「あ、ああっ、すいません、も、もう少しで僕の話は終わりますからっ」

弁立頭無男「あ、うん、ジャ○ーズくんは今はもう幸せだし!もう少しジャ○ーズくんの話を聞いてください!」

弁立頭無男がジャ○ーズくんの顔を睨んでいたので、非常にかわいそうでした。

もう 1 点。「斜位」という病気をジャ○ーズくんが患っていた件について。ジャ○ーズくんによると、なんと「X教」を信じて「なむなむ」するだけでそれが治ったというのです。

私は「斜位って自然治癒する病気なんか?」と思ったのですが、残念ながら医学の知識を何も持っていなかったので有効な反論ができませんでした。そこで、手元にスマホを取り出して「斜位 治癒」で Web 検索し、下記の通り問いただしてみました。

Zuya「斜位って病気ですよね?病気をネタにしていじめるのは人として最低の行為ですよね...... 同情します」(スマホポチポチ)

ジャ○ーズくん「は、はい......つらかったです」

Zuya「ところで今ググったんですけど、斜位って訓練とか手術で治癒を目指すものであって『自然治癒しました!』みたいな記事が出てこないんですけど......これってどういうことですかね?」

ジャ○ーズくん「あ、え、......その、あのっ......」

どうやら「目の前でスマホを取り出して真実かどうかを検証する」という Zuya の行動は想定外だったようです。自らが信じる宗教の教義を何ら検証/批判することなく受け入れてきた彼らにとって、このような行動が予想できるはずもありません。

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急いで弁立頭無男がフォローに入ります。

弁立頭無男「あ、あのっ東大生の友達が『斜位は自然治癒する』って言ってました......!」

「京大生には『東大生』って言っておけばとりあえず怯む(ひるむ)」とでも思ったのでしょうか。──正解です。東大生しゅごい。

......冗談はさておき、高卒の弁立頭無男に東大(しかも医学的な知識を披露しているので東大理3)の友達がいて、かつその友達がわざわざ「斜位は自然治癒する」という事実を伝える状況なんてあり得るのでしょうか。その場をしのぐための嘘だと推測せざるをえませんでした。

このあとはあまり覚えていないですが、何か「ジャ○ーズくん、今の人生幸せ!『X教』最高!」みたいなことを言っていたような気がします。

ジャ○ーズくんは先述の通り「高校に進学してからは友達がいっぱいできたんですよねー!」と言っていましたが、その割には相変わらず手が震えて会話に慣れていなさそうでした。宗教にハマる原因の 1 つに「社会からの孤立」があると聞いたことがありますし、どうかジャ○ーズ君が社会との接点を持つ日が来ることを願うばかりです

真打登場!弁立頭無男の煽りトーク

続いて、いよいよ弁立頭無男の台本トークです。先程のジャ○ーズくんが「『X教』を信じて幸せになろう!」という方向だとすれば、弁立頭無男は「いま日本はヤバいから『X教』を信じるべき!」といった危機感を煽る方向でトークを展開してきました。まるで台本に書いたような美しい緩急です。

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弁立頭無男「いま日本は非常に危機的な状況に立たされています。例えば国債を大量に発行しているのはご存知ですよね?もう日本は借金地獄です。このままだとコッカハサン(?)しかねません。そうしたら日本は終わりです」

弁立頭無男「あと日本の周りの国々についても外交安全保障上の懸念がたくさんあります。P 国と Q 国がまとめてアメリカに攻撃し、日本も巻き込まれるんですよ!!」

弁立頭無男「さあ、こんな混沌な状況から救われるためにはより多くの日本人が『X教』を信仰して『なむなむ』するしかありません!『X教』は『なむなむ』するだけで神様が救ってくれます!今から道場に行きませんか!

文章にするとあまりにも荒唐無稽なのですが、話し方自体は非常に達者でした。こんなにちょけた話をさも事実かのように話す弁立頭無男の能力には、ただただ驚かされました

ただし、片付けなければならない疑問点はいくつかあります。まず、私は「コッカハサン」という言葉を知りませんでした(後で調べたら大辞泉とかに『国家破産』という語が収録されていたので、単純に私の常識不足だと思います)。

このように、疑問点がある場合はそれを残さず布教者に質問してください。大抵の場合は布教者もうまく説明できないので、布教者を心理的に追い詰める 1 つの手段となります。

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Zuya「すいません、私は経済のことがよくわからないんですけど『コッカハサン』って何ですか?」

弁立頭無男「国家が破産するんです」

Zuya「いや、それだと説明になっていないじゃないですか。具体的に何が起こるんですか?」

弁立頭無男「国家が破産して、みんな大変なことになります」

Zuya「あの、自分が言ったことでさえちゃんと説明できないのは不誠実だと思うんですよね」

案の定弁立頭無男は自分が言っていることをよくわかっていないまま、Zuya に危機感を煽ろうとしていたようです。また「P 国と Q 国がアメリカに攻撃する件」についても「P 国はともかく Q 国はアメリカと軍事同盟を結んでいるのになぜ攻めてくるのか」と質問したら、黙ってしまいました(Q 国が同盟を破ってアメリカを攻撃する動機を説明してくれたら納得したのに......)。

つまり、彼は台本に書いてあったり、いわゆる「教祖様」が「おっしゃっ」たりした内容については、一切の検討/批判を加えることなく鵜呑みにし、その上でよく理解していないままターゲットを煽っているのです。

大学入学時にカルト宗教対策研修で「外部の情報を遮断し、特定の教義のみを無批判に受け入れるよう推奨する団体はカルト宗教だから気を付けろ」と聞いたことがあります。彼らはまさにその餌食になってしまったのでしょう。そして、今度は私をもその毒牙にかけようとしたのでしょう。

ここまで質問攻めにし、かつ反論できない状態まで追い込んだらもう十分でした。彼らは二度と「道場に行きませんか」と言わなくなりました

【警告】
なお、後日調べたところ、ここで道場について行ってしまうと「入会書」なるものを書かされてしまうとのことでした。ファミレスまでであれば、今回は「おちょくって帰ったろwww」が通用しましたが、道場についていってしまうと入信せざるをえない状況に陥る可能性があります。絶対に道場には行かないようにしてください(そもそもファミレスの時点でかなり危険です)

彼らの目的は宗教勧誘だけではなかった

「はい解散!あとは家に帰って note で事の顛末を報告して終了!」と思ったのですが、彼らはまだ会話を続けてきました。実は彼らの目的は宗教勧誘(道場への連れ込み)だけではなかったのです。

Zuya「もう十分ですか?あなた方はどうせ台本に書いてあることをそのまま私に喋ってるんでしょうけど、あなた方自身が何も理解してないんですよ。よくもまあそんな態度で人を宗教に誘おうと思いましたね?宗教って人間の信条を定めるにあたって非常に大切な要素ですよね?こんなちょけた話で道場に連れていこうとするなんてどう考えても失礼だと思いませんか?」

ジャ○ーズくん「......」

弁立頭無男「......ま、まあ別に信じる信じないは自由ですけどね!私たちはいま日本に危機が訪れていることさえ伝えたらそれで十分なので」

先述の通り、彼らの言論は馬鹿馬鹿しいとしかいいようがありません。実際今回と同じように宗教勧誘したところで、ターゲットがよほど暗愚でない限りは、私と同様に誘いを断ることでしょう。

ところが、信者が「宗教勧誘して断られる」という経験を複数回重ねると、そのうち「私たちが信じている宗教はおかしいのではないか?」と疑念を抱くことになります。これは教団側にとって最も恐ろしく、避けたいことです。

そこで、教団側は信者に対しもう一つミッションを与えたのでした。

布教しても聞き入れないターゲットについては、日本に危機が訪れていることを伝えればそれで十分とする

このようなミッションを設定することで「道場に連れ込む」という目的が果たせなかったとしても「日本に危機が訪れていることを知らせる」という目的は果たすことができます。これにより、信者が「布教失敗した......私たちがやっていることって間違ってるのかな?」と考えてしまうリスクを減らすことができるのです。

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率直に、この 2 段階の目標設定は非常に上手いなあと思いました。

さて、目標を転換した 2 人(ただしジャ○ーズくんは戦意喪失したので実質 1 人)は、もう 1 つ別の危機を語り始めました。

弁立頭無男「最近(2021 年 7 月)熱海で土砂災害が起こりましたよね?実はあれも日本に今後特大な脅威が訪れる前兆なんですよ」

Zuya(実際に死傷者/行方不明者がいらっしゃる災害をネタにするのは許せないなあ......)

弁立頭無男「そしてなんと、この X 教の信者が現場付近に住んでいたんですけど、毎日『なむなむ』していたおかげで無傷だったんですよ!これが証拠の映像です!」

すると、弁立頭無男は見たこともない動画配信アプリを開き、よくわからんおっさんが講演会らしき場において喋っている動画を見せてきました。映像内にサブリミナル効果が含まれているとよくないので、私は映像は見ないようにしつつ音声だけ聞くことにしました。

おっさん「私は──に住んでいたのですが、ここは先の災害の被災地でした(中略)私はすんでのところで助かりました。これも X 教を信仰し、毎日『なむなむ』してきたおかげです。Y 先生本当にありがとうございました(終了)」

弁立頭無男「ね?いま日本に訪れている危機から救われるためには X 教を信じて『なむなむ』するしかないんですよ。でも今日はその危機を伝えられただけでよかったです」

こんな動画何の証拠にもならないのですが、弁立頭無男は満足げだったので、放っておきました。

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気になるお布施の額は?調べてみました!

さて、一通りおちょくり終わった頃にはもう 4 時間ちょっとが経過していました。最後に、実際に入信した場合はどれくらいお金がかかるのかについて尋ねてみました。

Zuya「ところで 2 人はどれくらいこの X 教にお金を納めているんですか?」

弁立頭無男「いや、お金とかじゃないんで」

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いかがでしたか? ということで、今回は X 教の会費を尋ねることはできませんでしt...... で終わるとただの激安粗悪ブログになってしまうので続けます。

Zuya「え?あなたたちは今日私を X 教に勧誘しようとしてたんですよ?会費を言わないのはおかしいですよね?そして、どんな団体であっても会場を借りたり書籍を発行したりしたら経費はかかりますし、その経費を構成員が払うということ自体はごく自然なことだと思いますよ?それともなんか後ろめたいことがあるんですか?」

弁立頭無男「......あー、まあ年間 1 万円から 6 万円は納めることになっていますね」

Zuya「その金額の幅はどういう意味ですか?」

弁立頭無男「各々の感謝の気持ちの大きさに比例して納めています。どうしても支払いが不可能な場合は会費を納める必要はありません」

以上の通り、普通に社会人をやっていて支払い能力がある場合は、毎年 1 〜 6 万円払わされた上で論理破綻しまくった講義を聞かされ、かつ今回のようにおちょくられるリスクを負いながら勧誘をさせられることになるようです。本当に気をつけましょう

(実際にはさらに「教科書」や各種グッズを買わされたりするかもしれません)

ついにお別れ

もう note のための取材活動としては充分すぎる成果を上げることができました。通常宗教勧誘の場においては「帰ろうとしているターゲットを信者が引き留める」という図が大半だと思います。ところが、既に 5 時間が経過していましたし、よっぽどお 2 人がまいってしまったのか私がお手洗いに行っている間に帰り支度を済ませており、

弁立頭無男「すいません、そろそろ帰ります......」

とだけ言い残して帰ってしまいました。

一応お 2 人はこのあと道場に向かったらしいのですが「Zuya を連れてやってくる」と思い込んでいた仲間は、この事の顛末を聞かされてどのような気持ちになったでしょうか。また、こんなハズレのターゲットを連れてきてジャ○ーズくんは処分されていないのでしょうか。その点は少し心配です。

ともかく、私は無宗教のまま釈放され、帰路に着くことができました。今のところおかげさまで平和な日々を過ごしています。

まとめ

まず大原則として、知らない人には絶対についていかないようにしましょう。特に、秋葉原を散策する場合、突然気さくに話しかけてくれる良いオタクなどこの世に存在しません。宗教勧誘に巻き込まれると面倒なので相手にしないようにするべきです。

その上で、万が一やらかしてファミレスに連れ込まれた場合は、下記の「ファミレスに連れ込まれても無宗教のまま帰ってくる方法」を実践してください。

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繰り返しになりますが、宗教勧誘自体は決して悪いものではありません。そして宗教は心の拠り所となり、重大な決断を行う際の指針となりえます。だからこそ、街中で声をかけることによって勧誘するような安い宗教を信じることで、人生を台無しにすることになります(場合によっては金銭的な負担を強いられることもあります)。

どうか皆様が誤った宗教選択を行わないことを、強く願っています。私は冒頭で述べた通り、死を意識するくらいの年齢に達し、十分豊富な知見を獲得してからはじめて慎重に宗教を選択するつもりです。

それでは!!ここまでお読みいただき本当にありがとうございました!!

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