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【怖い話】人が死ぬ瞬間に思うこと

昔から大のオカルト好きの僕は、怖い話大会、オカルト会、怪談会などと称して、何度となくお酒を飲みながら友人や知人と怖い話をしてきた。

そんな中で「あ、この人、ガチで霊感あるな」という人が3人いた。

その3人に直接聞いた話の中で、3人に共通していた個人的にとても怖かったエピソードを紹介したい。


1人目「霊感バンドマン」

共通の知人から紹介された同年代のバンドマンから聞いた話。

今はそのような能力はなくなってしまったらしいのだが、20代中盤くらいまで、本当の人間と区別がつかないくらいにはっきりと霊が見えていたそうだ。

そんな霊感が冴え渡っていた頃のある日、東京の某駅で電車を待っていると、隣に立っていたスーツ姿の中年の男性が急に線路に飛び降りた。
電車はもう迫ってきている。
ヤバい、でも周囲の人達と力を合わせたら男性を引き上げられるかも。そう思った彼は助けを求めるべく周囲を見渡したが、誰も気にしていないようだ。
「あ、霊か」
そう思った瞬間、電車がやってきた。
線路上に倒れているスーツ姿の男性は、電車に轢かれる瞬間、彼のほうを見た。

目があった。

電車に轢かれた瞬間、スーツ姿の男性は消えてしまったそうだ。

「ゾンビくん、知ってる?霊と目が合うとね、何かをインストールしたみたいに、その人が何を思っているか、何に悩んで死のうと思ったか、そういう死の瞬間の気持ちが一気に頭の中に入ってくるんだよ」

彼はそう聞かせてくれた。

ここで、先に2人目の本物の霊感持ちの人の話をしたい。

2人目「霊感占い師」

この方も共通の知人の紹介で知り合った現役の占い師の方だ。
1人目のバンドマンの彼と同じく、はっきりと霊が見えるそうだ。

この方に聞いてみた。

「死ぬ瞬間を再現する霊と目が合うと、死ぬ時の気持ちが一瞬で頭に入ってくるというのは本当ですか?」

すると占い師の方はこう言った。

「よく知ってるね、あれ、霊感がない人だと耐えられないくらいにいろんな情報が一気に入ってくるんだよ。逆に耐えられる人にだけ霊感というものが芽生えるのかもしれない」

うろ覚えだが、こんなようなことを言っていた。

3人目「霊感経営者」

こちらも知人の紹介で知り合った、ある企業の経営者の50代男性だ。
この方も子供の頃からとにかく人に見えないものが見えるそうだ。

僕は同じ質問をした。

「死ぬ瞬間を再現する霊と目が合うと、死ぬ時の気持ちが一瞬で頭に入ってくるというのは本当ですか?」

すると男性はこう言った。

「それ、本当だよ。あの瞬間、すごく辛くなるんだよね。だから僕は霊とは目を合わせないようにしている。むしろチューニングをずらして、最近は霊そのものを見ないようにしている」

ここまでの3人ともが口を揃えて「自分の中でラジオのチューニングのようにチャンネルを変えることで、霊を見ないようにすることができる」と言っていたのが印象的だ。

人は最後、何を思うのか

ここで、3人に聞いた「人は死ぬ瞬間、何を思うのか」という質問の答えを書きたい。

3人共同じことを言っていたのが今でも心に残っている。

「みんなね、毎日辛くて死にたくて、やっとのことで死のうと決心して、楽になれると思って電車に飛び込んだり、ビルから飛び降りたりして、ついに人生から開放される、そう思っているはずなのに、電車が近づく瞬間、地面が近づく瞬間、こっちを見て

怖い、死にたくない、たすけて

って思ってるんだよ。どんな人でもそうなんだよ」

日本では毎日のようにどこかで人身事故があるが、その事故で犠牲になったほとんどの人がこう思っているのだろうか。

これを聞いて僕はなんとも恐ろしい気持ちになった。

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