【怖い話】そろそろ行くわ
先日書いた「【怖い話】人が死ぬ瞬間に思うこと」に登場した霊感バンドマン(以下Rさん)が体験した話。
Rさんが20代の頃、Rさんの父親は癌で闘病中だった。
懸命の治療も虚しく、最終的には危篤状態が数日ほど続き、ある日、医者からいよいよ今夜が山だと言われた。
Rさん達家族は、なるべく最後の瞬間を多くの親族で看取ろうと、病院から可能な限り親族に電話をした。
その中の一人、Rさんの叔父が「すぐに向かいたいが交通手段がない」とのことで、急遽Rさんが車で迎えに行くことになった。
距離的には大した距離ではない、すぐに戻れば最後の瞬間に立ち会えないなんてことはないだろう。そう思いRさんは駐車場に向かった。
駐車場で車に乗り込んだ瞬間、父親の病室にいた姉から携帯電話に着信があった。何か用事でも頼まれるのか。そう思い電話に出たRさん。
もしもし
すると、電話の向こうから聞こえてきたのは、紛れもなく危篤状態であるはずの父親の声で
「そろそろ行くわ」
という一言だった。
嫌な予感がしたRさんは、急いで病室に戻った。
案の定というのだろうか。
父親の容態は急変していた。
数分後、父親はRさんたちに見守られながら亡くなった。
最後の瞬間を長男であるRさんにも見守っていてほしかったのだろう。
ちなみに姉の携帯電話にはRさん宛の発信履歴はなかったそうだ。
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