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#小説
傲慢と善良/辻村深月〜読書感想文〜
30歳をすぎた男女が、結婚相手が見つからずに焦っている。
それだけ言ってしまえば
「なんだそんなこと。よくある話だ」
「30歳なんてまだまだ若いよ」
という意見が聞こえてきそうだ。
では、その男女が
婚活で出会っている、いわば結婚前提のはずの2人組だとしたら?
恋愛に疲れ切っているのに、どうしても今の相手との結婚には踏み切れないでいるとしたら?
さらにはその相手が、忽然と姿を消したとしたら?
氷菓/米澤穂信〜読書感想文〜
岐阜県のとある進学校・神山高校。
珍奇な部活が多く、毎年の文化祭に全力を入れている、曰く"普通の学校"。
特別棟4階の端にあるのは古典部部室。
4人の高校1年生が、今日もここを舞台に
薔薇色か、あるいは灰色の高校生活を謳歌する。
やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に。上記をモットーにかかげるのは
主人公・折木奉太郎。
同校の卒業生でもある姉・折木供恵の勧めで、
ただいま神様当番/青山美智子〜読書感想文〜
「わし?わし、神様」
「お願いごと、きいて」
目の前に謎の老人が現れ、突然そう言われたら。
しかもじぶんの腕にデカデカと神様当番なんて文字が書かれていて、お願いごとを聞かないとそれが消えないと言われたら。
私ならたぶん、「なんで自分ばっかり!」なんて言って、すごく落ちこむ。
何かが欲しい、誰か。1番目の主人公・水原咲良。
彼氏はおらず、友人は結婚し、合コンに呼ばれてもあくまで数合わせ。
大好
琥珀の夏/辻村深月 〜読書感想文〜
夏と言われれば、何を思い浮かべますか?
という質問を、過去に何度かされたことがある。
私は去年から、この質問に「琥珀の夏だ」と答えることにした。
夏の終わりを感じたときの、あのなんとも言えない切なさ。
この後の人生、あと何十回も夏を体験するだろうに、まるでもう二度と会えないものとの別れ告げるかのような寂しさ。
その寂しさを感じる前に、
夏がまだまだ終わらないうちに、
琥珀の夏を読みたいのだ