ベックうつ病調査票(BDI)で診断。「どうやって気分を診断するか:治療の第一歩」『いやな気分よ、さようなら』第二章
まずは自分の状態を知らねば。
そこでこの本に出てくるのが、ベックうつ病調査票(BDI)と呼ばれる方法です。
やり方は簡単です。各質問に対して、最も自分に当てはまるものを選んで、その点数を合計していけばよいです。
以下に質問とを挙げますが、手っ取り早くやりたい人は
ネットに自動計算してくれるものがあるのでこれを使ってみましょう。
質問に「いつも」と出てくるが、うつにかかる前もしくは最後に気分が良かったと気を基準に判定。
一度も気分が良かったことがない人は、憂鬱でない人の気分を想像して評価するので構わない。
それでは始めてみましょう。
ベックのうつ病調査表 (全21問)
①
0.憂うつではない
1.憂うつである
2.いつも憂うつから逃れることができない
3.耐えがたいほど、憂うつで不幸である
②
0.将来について悲観してはいない
1.将来について悲観している
2.将来に希望がない
3.将来に何の希望もなく、良くなる可能性もない
③
0.それほど失敗するようには感じない
1.普通より、よく失敗するように思う
2.過去のことをふりかえれば、失敗のことばかり思い出す
3.人間として全く失敗だと思う
④
0.以前と同じように満足している
1.以前のようにものごとが楽しめなくなった
2.もう本当の意味で満足することなどできない
3.何もかもうんざりする
⑤
0.罪の意識など感じない
1.ときどき罪の意識を感じる
2.ほとんどいつも罪の意識を感じる
3.いつも罪の意識を感じる
⑥
0.罰を受けるとは思わない
1.罰を受けるかもしれない
2.罰を受けると思う
3.今、罰を受けていると思う
⑦
0.自分自身に失望してはいない
1.自分自身に失望している
2.自分自身にうんざりする
3.自分自身を憎む
⑧
0.他の人より自分が劣っているとは思わない
1.自分の欠点やあやまちに対し批判的である
2.自分の失敗に対していつも自らを責める
3.何か悪いことが起こると、自分のせいだと自らを責める
⑨
0.自殺しようと全く思わない
1.死にたいと思うことはあるが、自殺を実行しようとは思わない
2.自殺したいと思う
3.チャンスがあれば自殺するつもりである
⑩
0.いつも以上に泣くことはない
1.以前よりも泣く
2.いつも泣いてばかりいる
3.以前は泣くことができたが、今はそうしたくても泣くこともできない
⑪
0.イライラしていない
1.いつもより少しイライラしている
2.しょっちゅうイライラしている
3.現在はたえずイライラしている
⑫
0. 他の人に対する関心を失っていない
1.以前より他の人に対する関心がなくなった
2.他の人に対する関心をほとんど失った
3.他の人に対する関心を全く失った
⑬
0.いつもと同じように決断することができる
1.以前より決断をのばす
2.以前より決断がはるかに難しい
3.もはや全く決断することができない
⑭
0.以前より醜いとは思わない
1.自分は醜いにちがいないと思う
2.もう自分には魅力がなくなったように感じる
3.自分は醜いにちがいないと思う
⑮
0.いつもどおりに働ける
1.何かやり始めるのにいつもより努力が必要である
2.何をやるのにも大変な努力がいる
3.何をすることもできない
⑯
0.いつもどおりよく眠れる
1.いつもよりも眠れない
2.いつもより 1 ~ 2 時間早く目が覚め、再び寝つくことが難しい
3.いつもより数時間も早く目が覚め、再び寝つくことができない
⑰
0.いつもより疲れた感じはしない
1.以前より疲れやすい
2.ほとんど何をやるのにも疲れる
3.疲れて何もできない
⑱
0.いつもどおり食欲はある
1.いつもより食欲がない
2.ほとんど食欲がない
3.全く食欲がない
⑲
0.最近それほどやせたということはない
1.最近 2 kg 以上やせた
2.最近 4 kg 以上やせた
3.最近 6 kg 以上やせた
⑳
0.自分の健康のことをいつも以上に心配することはない
1.どこかが痛いとか、胃が悪いとか、便秘など自分の身体の調子を気遣う
2.自分の身体の具合のことばかり心配し、他のことがあまり考えられない
3.自分の身体の具合のことばかり心配し、他のことを全く考えられない
㉑
0.性欲はいつもとかわりない
1.以前と比べて性欲がない
2.性欲がほとんどない
3.性欲が全くない
点数
0 ~ 10 この程度の落ち込みは正常範囲です。ただの憂うつな状態
11 ~ 16 ノイローゼ気味です。軽いうつ状態
17 ~ 20 臨床的な意味でのうつ状態との境界です。専門家の治療が必要
21 ~ 30 中程度のうつ状態です。専門家の治療が必要
31 ~ 40 重いうつ状態です。専門家の治療が必要
40 以上 極度のうつ状態です。専門家の治療が必要
※点数が非常に高くても、気に病む必要はない。今の自分を知る材料だから、これから直していけばよい。
結果の解釈
・BDIって信頼できるの?
このような自己診断テストの場合の方が、経験ある精神科医のテストを使わない面接よりもうつ病の症状を多く拾い上げたという研究がある。
・定期的にBDIを用いて評価をするとよい。
・1週間に一回くらいの頻度で。
・9番目の質問に注目。2点以上つけたなら、直ちに専門医にかかるべき
・20番目も重要。何らかの体調の変化も医師にかかるべき。
何の問題もないなら、それは感情面からくる症状だという証拠。
・補足:うつに見えてもっと重症な精神病が隠れている可能性もある。
例
誰かがあなたの命を狙っているという確信
他人があなたの心を読み取る
誰もいないのに声が聞こえる
誰かに自分の行動を操られている。
などの奇妙な体験
どうでしたか?
僕は27点でした。以前は一番上の重症だったことを考えると少しは回復してきたようです。
次回からは本格的に認知療法に入っていくことになります。まずは自分の感情を理解するところから。
チョコ棒を買うのに使わせてもらいます('ω')