優しい美味さとは
コロッケは優しい味をしていると思う。どちらかと言えば甘い中身と、一方で衣のおかげで旨味もある。
大前提として優しい、加えて旨味があると嬉しくなってしまうのだ。
優しいのに美味い・・・本を私はいくつか読んだことがある。
・椿夜にな「不協和音」文芸社文庫
・原作 七海仁、漫画 月子「Shrink~精神科医ヨワイ~」集英社
どちらの本も、読者と登場人物を見捨てない優しさに満ちている。読んでいて泣いてしまうことが多いのは、ただ温かい物語なのではなく、多少のエッジが効いているから。
普遍的な優しさが届くのではなく、“ある特性を持った私”に刺さるのだ。
優しくあるためには、何かを厳しくしなければいけないようだ。
読みやすいながらもメッセージが強いこの二冊は、子どもが読んでも、大人が読んでも、きっと優しくて美味い。
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