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メリクリって言えなくて・・・第3話(全5話)

ついに折り返しの第3話です。今回は少し長めです。
なぜ知っていたのか明らかに!
まだ読んでいない方は下のリンクから。
第1話はこちらから→https://note.com/zinjya_reinbow_/n/nc2353d1ca322
第2話はこちらから→https://note.com/zinjya_reinbow_/n/n12222baecf94

それではスタート!
※この物語はフィクションです。

第3話 光と陰

小銭を拾っただけなのになぜ知っていたか。
彼と彼女は互いに幼稚園の時から知っていた。いわゆる幼馴染である。
女子と話すのが苦手な彼が唯一同世代の女性で気兼ねなく話せるのが、彼女であった。
彼は、さすがに同じなのは中学までだろうなと考えていたらしい。
しかしながら、彼女もまさかの同じ高校であった。こんなことあるのか?と嬉しさと困惑という複雑な感情になったという。

高1の春。入学して1週間程度経っただろうか。
朝の電車を待っていると、「おはよう!」
下を向く彼を覗き込むように彼女が挨拶をしてきた。まるで、女神のようだった。
彼は、通学路の少し細い路地でも何か盛り上げなきゃという一心で必死にしゃべった。
将来の夢のコト、先生のコト、部活のコト。今思えば迷惑だったかもしれないと彼は後悔することもあるそうだ。だけど、彼女は話をしっかり聞いてくれた。
しかしながら、彼女にも友達ができ始め、一緒に通学する機会は少なくなっていった。

彼女は、充実した友達と学校生活を謳歌していた。
一方、彼は、友達はいたものの、まったく心を開けず俗にいう陰キャとして高校生活を送っていた。
しかし彼女は、彼を学校で見かけても笑顔で手を振ってくれたりした。
なぜ、こんな陰キャに笑顔で対応してくれるのだろう。そう考えることもあった。

時は流れ、高校を卒業し、お互いに別の進路に進んだ。彼は専門学校に、
彼女は、短大に進学したらしい。もう会う機会はないな。と彼は思った。

専門学校でも、クラスのウェーイ的なノリとか周りの視線が怖く、あまり馴染めず休み時間は図書館にこもり、クラスで話しかけられても当たり障りのない会話に努めるなどによって彼の陰キャな性格はさらに進化されていった。

そんな下を向くような日々を送る中で、学校が少し早く終わる日があった。
少し小腹がすいた彼は、ファストフード店に入った。
ボッチ飯は、慣れているというか好きというか彼にとって当たり前のルーティンであった。いつも通り会計を済ませようとした。
その時、店員さんから「もしかして・・・彼?」
なぜ知っているんだ。ふっと顔を向けるとそこには彼女がいた。
化粧していて一瞬分からなかったが、間違いなく彼女だった。
「やっぱりそうだ!久しぶりだね~」
この出会いは少し体がしびれる気がした。
少しだけ会話は弾んだが、仕事中だったから邪魔になると思い、彼はすぐに席に着いた。席に着いても少しそわそわしていた。やはり気になる。
陰キャだから卒業後、同級生に声をかけられることなんて片手で数える程度しかなかった。なおかつ、周りから少しやばい人に見られていたかもしれないから声をかけられるわけがないと思っていた。
なぜ声をかけてくれたんだろう。
そう考えながら、ダブルチーズバーガーに食らいついた。

帰る時も笑顔であの高校時代のように対応してくれた。

その日から彼女のことは、忘れられずにいた。
まさかこんなツイてない日に会えるなんて・・・
思わず、唇をかみしめ様々な感情をぐっとこらえていた。
また、あのファストフード店のしびれと同じ感覚が体内に走った。

彼女は小銭を渡した後に言った。「せっかくだから、もしよかったら万葉俱楽部一緒に楽しまない?」
こんな機会最後かもしれない。
彼は、「もちろん。」と一言言って館内にともに入った。

第4話に続く・・・



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