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东鸣西应ーー愛する人には「上機嫌」を贈れ!

(2017字・この記事を読む所要時間:約5分 ※1分あたり400字で計算)

东鸣西

ピンイン:dōng míng xī yìng
意味:東側が鳴れば、西側がそれに呼応すること。物事が密接な関係を持っている様。

『愛する人には「上機嫌」を贈れ!』

 生まれつき軟弱だった私は、同年齢の子よりも心の発達が遅かった。
 感覚過敏で、身体もあちこち不具合がよく起こるので、常に気を付けて過ごさなければならなかった。
 体調不良が多く一人でじっとしていなけらばならない時も多く、それ故経験や知識の習得が更に大幅に遅れてしまい、成人しても正常に社会生活に馴染めなかった。

 ただ生きている、それだけでも既に精一杯だった。

 幸い、私は理解ある家族や友人がいて、いつも仲間達が支えてくれた。

 励ましては、せかさずにゆっくり私が成長するのを待ってくれたおかげで、今はすっかり元気になってバリバリ会社で働いている。

 一人暮らしも、もう平気だ。
 まだ具合が悪くなる時はあるけど、上手に対策出来ている。

 私は「いつか立派になったら恩返ししたい」と、昔からそう思い続けてきた。
 ああ、今がその時なのではないか!

 とは言ったものの、自分に何か出来ることがあるのだろうか。

 中国語に「有钱出钱,有力出力」という言葉がある。
 これは、人助けをする際、「お金がある者は金銭を、力がある者は労力を出せ」、という意味。
 つまり、自分の出来る範囲で最善を尽くせということだ。

 私も、微力ながらやれることをやってみよう!
 と、いうことで、色々と試してみた--

 まずは家事の手伝い!
 ⇒どんくさくて、かえって足手まといになってしまった。

 友達のショッピングに付き合う!
 ⇒噪音と光、情報の量で頭痛と吐き気が起こった。

 家族に食事をおごろう!
 ⇒給料が生活費で精一杯で大したごちそうも出来なかった。

 カッコよく恩返しをしようとしたつもりが、かえって迷惑をかけることもしばしばだった。
 すっかり気持ちが萎えてしまった。

 とにかく情けなくて、なんて自分は出来損ないなのだろうと、申し訳なさのあまりに泣く日々が増えた。

 シクシクと涙を流していると、母はよく私にこう言ってくれた。
 「特別に私達に何かをしようと考えなくても良いからね。
  自分の生活をしっかり過ごす。それが一番の助けだからね」

 慰めのつもりだったのだろう。
 けど当時の私はその本意が分からず、「つまり迷惑をかけるなということなのだろう」と歪んだ理解をしてしまい、更に気落ちしてしまった。

 そんなある日、私は「上機嫌こそ最高の贈り物!」という言葉を知った。

 ネット記事に書かれてあったこの一言にひどく興味を持ち、あれこれ調べているうちにそれがアランの『幸福論』から来た思想だというのを知った。

 アランの『幸福論』は近年多くの関心が向けられている作品であり、アランは当著書で「上機嫌」が生活の義務の第一位だと述べている。
 なぜなら、機嫌というものは伝染するからだ。

 よって、上機嫌でいる。それだけで、自分も周りも豊かに出来る。
 だからどんな時でも、上機嫌な状態でいられるように鍛えなさいということだそうだ。

 確かに、周りの人がどんよりとしていればつられて暗くなっていくし、逆に楽しそうにしている人の側にいると自然に喜びが溢れてくる。

 そういえば、聖書にも「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について感謝しなさい」(Ⅰテサロニケ5:16-5:18)と書いてあったっけ。
 クリスチャンであれば、常に喜びに溢れているのは基本中の基本だと、牧師先生も言っていたな。

 もしこれが本当なら……

 騙されたと思って、他のことは一切考えずただ自分の人生を楽しむ、日々の生活を享受するよう試みた。

 美味しい物を食べ、週末は自然豊かな環境で散歩し、何事も前向きに考え、普段から意識して微笑むよう心掛けた。
 「私なんか……」の口癖を止め、ツッコまれる程に「私って天才ね!」、「やっぱり私は美人だわぁ~」とふざけながらでも自分を褒めまくった。

 そうしているうちに、不思議なことが次々と起こった。

 まず、なんと友達の友達が「竹子ちゃんのような生活を送ってみたい!」と言ってきたらしい。
 友達が毎日明るく元気に過ごしている私のことを紹介すると、「なんて素敵!」羨ましく思ってくれたそうだ。

 更に。

 ポジティブになるにつれて、身体も丈夫になった私は前よりも筋トレをするようになったが、それを聞いた母が「私もやってみたいわ!」と言ってきたのだ。

 あの運動嫌いな母が!

 そして周りの友人も巻き込んで、グループを作って皆でスポーツの習慣を育てていった。
 今は10人近くのメンバーで、毎日筋トレ・ストレッチに没頭している。

 私の上機嫌が友達の友達に夢を与え、母と母の友人に健康な生活習慣を育て上げたのだ。

 なんという大きな力だろう!

 口角を上げる。
 これだけで、世の中が「东鸣西应」して明るくなる。

 愛する人を幸せにしたいのなら、高価なプレゼントよりも、暖かく上機嫌に接してあげることがずっと大事なのだ。

 だから今日も私は幸せを探し続ける。

 笑顔で綺麗にラッピングし、大切な人々の元に届ける為に。


📚幸せの宝探しをしようよ!




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