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悠然自得ーー内向的人間の休日

(1969字・この記事を読む所要時間:約5分 ※1分あたり400字で計算)

【悠然自得】

[日:悠然自得(ゆうぜんじとく)]

ピンイン:yōu rán zì dé
意味:心配事がなく、のんびりとしている様。

『内向的人間の休日』

 勤務日よりもやや遅く、かといって寝坊ともならない朝の時間に身を起こす。

 着替える、歯磨きをする。
 さっとカーテンを開き、部屋いっぱいに朝日を通したら、軽く床を掃き、布団を大きく広げて熱を逃す。

 ペタペタと柔らかいスリッポンを足に、玄関にため込んだゴミ袋を掴み、ゴミ捨て場へ。今日は燃えるゴミの日だ。

 風に揺られた木々から小鳥のさえずりが聞こえる。
 一面の青空。明るいが、まだ少し冷たい朝日。
 ご近所と挨拶を交わしながら、再び部屋へ。

 パンを焼き、コーヒーをいれる。
 冷蔵庫からバターやらウインナーやらを出し、棚においてあるバナナを一本、ちぎって食卓へ置く。

 目はもうすっかり覚めた。いただきます!

 食べながらその間、今日は何をしようかと思い巡らす。

 休日の予定を考えるのは楽しい。

 ピカピカに晴れたのだから、思いっきり遠くに出かけてみようとか。
 オシャレな店を周り、ショッピングを楽しもうとか。
 普段足を運ばないレストランに入り、自分にごちそうしようとか。

 けど、大抵はやはり、いつものパターンで終える。
 結局どうしても、自分が一番好きな休日の過ごし方で落ち着いてしまうのだ。

 カチャカチャと皿を洗った後、ベッドの上を見ると、朝日に照らされ布団はすっかりふかふかになっていた。
 それを丁寧に畳む。

 持ち物をチェックする。
 韓国語の教科書、図書館で借りた本に、いつも肌身離さず持っている手帳とノート達。
 忘れてはならないのは、もちろん筆記用具。
 財布、スマートフォンにイヤホン。
 ついでに充電器と、ポケットティッシュを一つ。

 これらを全部リュックに詰めたら、準備完了だ。

 休日だ。自由なのだ。
 服装はこだわらず、清潔で、動きやすいものであればオーケー。

 さぁ、出発だ。

 扉を開ける。じんわりと、気温が上がっているのを感じる。
 公園には、清々しい汗を流しながら走っているアスリート達がいた。

 元気をもらい、ウキウキしながら行きつけのカフェへと向かう。

 いつものアイスコーヒーを一杯。
 窓側の席に腰をおろし、教科書を開けば、そのままお昼まで座っていられる。

 せっかくの休みなのだから、せめてこの日だけでも勉強せずに羽を伸ばしてはどうだろうかとよく言われるが、実を言うとこの時間が一番落ち着く。
 雑音を遮断し、自分が好きな知識だけをインプットすることは、今の情報社会ではとても贅沢なことなのだ。

 もちろんどこかに遊びに行ったり、パーッと買い物したりするのも結構なストレス発散になる。
 だが、その過程でどうしても余分なエネルギーを使う。私は、それがかえって疲れに感じてしまうのだ。

 どうせなら、本当に自分が休める過ごし方をしたい。

 カフェが賑わってくる。
 時計を見ると、そろそろ昼食の時間だ。

 そのまま追加注文することもあれば、気分次第で店を変える。
 軽食がほとんど。お腹いっぱいにならない程度にささっと済ます。

 午後は図書館へ。

 異なる性格の人達であっても、此処に入ると皆すうっと同じ雰囲気になる。
 そんな不思議な空間が好きで、大学生の頃から良く図書館に通っていた。

 当時はほとんど試験勉強の集中スペースとして使っていた。
 今は、読書用。
 時折デジタルノート「ポメラ」を開いてポチポチと考えたことをアウトプット。

 そうしていくうちに、気付けば夕方。

 何もしていないようで、たくさんのことをしてきた。

 そんな一日。

 一日中インプット・アウトプットを繰り返すと、脳が洗われ思考もすっきりになる。

 自分を見つめ直す機会にもなり、普段心の片隅に置き忘れていた考え事や悩みと向き合える。

 「あの時は、ああいう気持ちだったんだ」
 「実は、こういう風にしてみたかったんだ」
 「ひょっとしたら、こう工夫すればもっと良くなるかも」

 多分、これも一種のブラッシュアップなのではないだろうか。

 そういえば、エネルギーのチャージの仕方は人それぞれだと聞いたことがある。

 世の中のマジョリティー(多数派)は「外向的性格」と言われており、自分を取り巻く外部環境からエネルギーを得る人のことを指す。
 彼らは友達と話したり、旅行に行ったりして「外側」から刺激されることで元気になるのだ。

 一方、それとは逆に、「内向的性格」の人がいる。
 このタイプの人は「内側」に意識を向けることで満たされるのだ。

 本を読んだり。
 公園を散歩したり。
 エッセイを書いたり。

 私もその一人で、外部から刺激を受けるとかえって非常に疲れやすくなる。
 だから今のような休み方が出来上がったわけだ。

 「せっかくの休日だから~」なんて思って、性格に合わない過ごし方をしてしまうなんて本末転倒だろう。

 自分がどんな性格タイプで、どのような休み方が合っているのかを是非見極めたいものだ。

 さてと。

 軽く公園の中をぶらぶらしたら帰ろう。

 実に充実した一日であった。

📚貴方が好きな休日の過ごし方は?



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