飽きんした 身上話(みのうえばなし)

抱き合えど 仮初枕(かりそめまくら)


わっちは要りんせん 情けナド

御好きニ為(な)さい 此の身ナド


一度くぐつた 大門を

出られるアテも 見つからぬ

身請けが何サ 御大名(おだいみょう)

わっちにゃ縁の 無き事ヨ


ただ年月の 明けるのを

待つのみ 松の実 やれ待つサ

ただ秋冬の 過ぎるのを

遥かな 春かな やれ待つのみサ


慣れんした 遣手文句(やりてのもんく)

重ねれど 緋布団(ひぶとん)も 嘘の カタマリ


わっちは知りんせん 愛だナド

売られただけなのサ 此の身ナド


一度くぐつた 大門を

出られるアテも 見つからぬ

身請けが何サ 御大名(おだいみょう)

わっちにゃ縁の 無き事ヨ


ただ年月の 明けるのを

待つのみ 松の実 やれ待つサ

ただ秋冬の 過ぎるのを

遥かな 春かな やれ待つサ

ただ年月の 明けるのを

待つのみ 松の実 やれ待つサ

ただ秋冬の 過ぎるのを

遥かな 春かな やれ待つのみサ


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