小さい子どもとエリマキトカゲが教えてくれる「蹴らない走り方」
【2023年11月27日】小さい子どもとエリマキトカゲが教えてくれる「蹴らない走り方」
こんにちは、高岡です。
さて、前回に引き続き、今日も「振り子の動き」と「蹴らない走り」についてお話していきます。
それでは始めましょう!
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▼オートクルーズモードに入るために
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レースの中盤まではナイスペースを刻めてたのに、ハーフを過ぎたくらいから身体がだんだん重だるくなり、これまでのペースを維持することがだんだんしんどくなってくる。
そして30kmの声を聞く頃には、がんばってもがんばってもペースが上がらなくなり、頼みの綱のジェルを注入しても、元のようには走れない。
そればかりか、脚が攣り始めてしまい、もう走ることすらもままならなくなる…
これ、僕の体験です。裸足で走り始める前の。
後ろから追い抜くランナーを羨ましげに見つめ、沿道から飛ぶ「がんばれー!」の声には無気力に手を上げて反応することで精一杯。
なんでこんなことになったんだ…
オレ、ここまで結構ちゃんと練習してきたよ。だからオーバーペースじゃなかったはず。なのに、なんでこんなことになってるんだ…
2008年と2009年の東京マラソンは、穴があったら入りたいというか、穴を掘ってでも隠れたい気分でした。
しかし、裸足で走り始めて、僕のランニング人生は大きく変わったんですね。
裸足で走りながら、いかに筋肉を無駄遣いを最小限に抑えるランニングフォームを身につけるか?を探求し続け、その過程で挑んだ2012年の東京マラソンで初めてのサブスリー(2時間50分21秒)。
おそらく裸足で走り始める前までは、相当地面を蹴り込んでました。その証拠が、裸足で走り始めたことによって見舞われた「ふくらはぎの肉離れ左右3往復」です。悪夢です、ほんとに。
とはいえ、この肉離れが「先生」となってくれたおかげで、「蹴らない走り」を身につけることができました。
そしてさらに探究を続けながら出場した2012年の湘南国際マラソンで2時間45分39秒。これが今のところの僕の自己ベストですが、この自己ベストを、今年度、塗り替えることができそうな気がしています。
その自信の根拠はもちろん、6月以降に継続してきているLTインターバルなどのLTトレーニングによって、乳酸値あたりの走速度が上がっているということもあります。
7月に横浜市スポーツ医科学センターにて測定した時は、乳酸値3mmolの走速度はおよそ4分10秒程度でしたが、今では同じ乳酸値であれば3分45秒で走ることができます。これは大きな変化です。
しかし、その自信の根拠はそれだけでなく、TRF(Trunk Rotation&Falling:胴体の回旋&落下)スキルによって「筋肉の無駄遣いが低減する」動きの再現性がかなり上がってきたことにもあります。
これは僕の主観的な評価ですが、胴体を回旋させながら落下することによる「一歩の努力感の低減」は確実に感じていて、しかもその再現性が高まってきているものですから、なんというか、すごく安心感があるんですね。
特別に頑張らなくても、胴体が落下して回旋する動きを邪魔しなければ、あとは勝手に脚が身体を前に推進してくれる。
ランナーがよく使う言葉に「ペースがハマった」とか「巡航(オートクルーズ)モードに入った」がありますが、その再現性が高まったわけです。これがなかなか再現できずに悶々としてるランナーって、結構多いと思うんです。あなたはいかがですか?
特に最近、前回からお話ししている「振り子の動き」に注意を向けるようにしはじめてからというもの、格段にオートクルーズモードに入る再現性が高まってきた感じがするんです。
この「振り子の動き」は、胴体を「落下」させることにつながります。落下させることによって、地面反力を受け取り、オートクルーズモードに入るわけですね。
そこで。
今日はこの「振り子の動き」をインストールしていただくために参考になる2つの動画をご用意しました。
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員