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モノ作り日本の堕落なのか?②

<おじさんDX Vol 312>

最近は、趣味?のPCいじりから始まって、古い機種を触ることが多くなっています。見るたびに技術の進歩と思い出す話があるのです。


いわゆる昔話になります。

とある企業の製造部門にお邪魔した時のことですが、何やら険しい雰囲気だったのです。どうも主力となるマシンにトラブルが発生しており、製造責任者が、口には出さないものの相当にお怒りの様子です。

✅機械は壊れるモノ

家を数件購入出来るような安くはない機械ですから、そりゃ5年程度で稼働不能になれば、誰しも怒りたくもなります。


詳細は分かりませんが、昨今のマシンの特徴として電子化が進んでいますので、エラー等があれば、ソフトで対応して重大な故障にならぬように出来るのです。

しかし、今回はハードが突然故障したとの事で、現場での対応が出来ずに時間がかかる様子でした。


✅「修繕に時間がかかるらしく、目途が付かないのです」

つまり、部品が国内にない😅



保守管理をしている担当もこれには、困った様子...。


✅アフター体制は重要

保守点検のメインは、各所に取り付けられたセンサーによって行われていますので、故障個所の発見にいち早くたどり着けるのがメリットです。

しかし、今回は違っていた様子で、以前からエラーが出ていたのを保守点検業者が「センサー不良」ということでセンサーの交換を行っていたのですが、実際は部品の内部破損でした。

もっと早くに気付いていれば...致命傷にならなかったのですが、起きてしまったコトをとやかく言っても解決しません。


ただ...この製品もそうですが、この保守業者もイマイチ頼りないのです。どうもマシンに詳しくない様子なので何かあれば、マニュアル等を閲覧し電話をしている。


診断機にかけてはいるものの、すでに前提が崩れていますから、あてにならないのは素人目でも感じるのです😅

そんな時、工場の奥から声がしました。

「まぁ~これからなんだろ...このマシンも」

この工場で最年長となる「おやっさん」でした。


✅長年の信頼

私の今日の用事は「おやっさん」に頼まれた野暮用をする為です。理由は少々伏せますが、この故障したマシンを導入する当時、おやっさんは猛反対していたのです。

✅静音だし、電力消費量も少ないし、コンパクトで記載されている性能スペックは高いし、価格も安いけど「あれは弱い」
✅肝心要のところがコストダウンされていて、安く作ったのだろうね。

結果的におやっさんの予想は的中しましたが、技術進歩しても実際に使用している最中にトラブルが発生するというのは、生きたデーターでもあるのです。


エンジニアとしては、貴重な経験。


マシンが故障したことによって、以前に使用していたマシン(別メーカー製)を再稼働させるべく、数年振りに電源が投入されるのですが、保守点検していなかったマシンなので、そのまま稼働するには危険。


マシンの導入に際し、5年前に保守点検契約を打ち切られたとある業者が、ここに来たのも数年振りなのです。

あの時は、他メーカー製品を導入した会社が不義理なことをしたから「直接頼めなくてね...」と、おやっさんが言うので、今回仲を取り持ったのです。


✅老兵は死なず

クレーンで引っ張り出してすでにメンテナンスしています。

コーションプレートを見ると1981年製のマシン😊

今から40年前のマシン


現代のマシンとは比較にならないくらい大きく、武骨な佇まいです。撤去するにしても分解もそうですが、運び出すだけでも経費がかかりますし、場内の隅の備品置き場になっていたのは知っていました。


そこには、見たことのある人が...

「久しぶりだね」

この業界でゴッドハンドと思うエンジニアの1人。


すでに会社は引退し、最近ではお孫さんと過ごすことが日課になっていたKさん。SNSでやり取りはありますが、直接会うのはかれこれ10年振りくらいでしょうか。

「Kさんが来てくれたなら、大丈夫」


ガチのエンジニアの凄まじさは、居合わせた保守点検業者も目を丸くするレベルの速さです。


相変わらず作業着は襟元までぴっしり締め切っていて、その姿は、SNSで見せる「デレデレした優しい表情」からは別人のように見えました。


✅人の縁の連鎖

実はこのKさんの登場には、以前Kさんが勤務していた会社の強力なバックアップもあってのことです。その後の契約もなかったのでその企業にとっては、再稼働なんてどうでも良い事と思います。


私も当時のマシンは、Kさんでないと扱えないと思ったのですが、出張費や部品等は、費用もありますが、誰が用意するから始まって、すでに引退しているKさん個人に任せるのは負担でしかありません。

もちろんKさんは「力になる」と快く言ってくれたのですが、バックアップは必要です。Kさんは、元勤務先の社長にその話をすると...

ウチの製品を再稼働させるお客様の力になりたい。
むしろ力になるべきだろう。
会社として対応するから、Kさんは、一時復帰だね😊

と、スムーズに支援してくれました。



Kさんは「あいつ(3代目社長)も大人になった」と言っていましたが、そりゃ修理や開発諸々のイロハを教えたのは、Kさんであり2代目、3代目の師匠ですからね...。

おやっさん→私→Kさん→社長と

人の縁は、どこで繋がるか分かりません😁



再稼働の準備は、深夜まで及びましたが、壊れたマシンの保守担当も「勉強させてください」と作業を手伝ってくれました。

つづく


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