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『ラッキー』

原題「Lucky」

◆あらすじ◆
神など信じずに生きてきた90歳の男ラッキー。ひとりで暮らす部屋で目を覚ますとコーヒーを飲んでタバコをふかし、なじみのバーで常連客たちと酒を飲む。そんなある日、自分に人生の終わりが近づいていることに気付いた彼は、「死」について思いを巡らせる。子どもの頃に怖かった暗闇、去っていったペットの亀、戦禍の中で微笑んだ日本人少女。小さな町の住人たちとの交流の中で、彼は「それ」を悟っていく。

ハリー・ディーン・スタントンに当て書きされただけあって何処を切ってもハリーの魅力が満載。

アメリカ南部の田舎町の外れにずっとひとり暮らしの彼は或る時【孤独に死ぬ事】への恐怖に直面する。

しかし町のダイナー、雑貨屋、BARといつも通りのルーティンの中でいつもの人々との交流にちょっとした気づきや変化が見えて来る。

町外れの1人暮らしの偏屈爺さんをみんなが気遣ってる姿に【これが人間の本来の姿だよな・・・コミュニティってこういう事だよな】って考えさせられる。

決して孤独では無く自分の想いとは別に町の一員として存在する姿を受け入れる過程の描写が微笑ましい。

劇中のエピソードはハリー自身の経験に基づいてるらしいってのもちょっと感激する。

これが遺作とはなんて素晴らしい締め括りだろうか!

デヴィッド・リンチとのシーンも
灌漑深い。



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