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映画感想『TITANE/チタン』

原題「TITANE」

◆あらすじ◆
幼い頃に交通事故で頭部を負傷し、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。以来、"車"に対して異常な執着を抱くようになっていた。ある日、追われる身となり逃亡を図る彼女は、少年の姿となって孤独な消防士ヴァンサンの前に現れる。ヴァンサンはアレクシアを10年前に失踪した息子と思い込み、2人は奇妙な共同生活を始めるのだったが…。



完全な難解映画?
いや、単に額面通りに観てはイケナイ作品だ。

主人公のチタン娘が突っ走る中に詰め込まれた革新的な描写にコチラの脳みそもフル回転だ!

過言では無く全てが"比喩"であり、そこに困惑と驚愕と感動がある。

異形、ジェンダーへの既存概念のその上を行く発想と表現。
暴力と甘美が混ざり合った展開。
そして彼女の身に宿って行く未来。


コチラも全感性を解放して臨むべき作品。


後半に覚える何とも言えない充足感はあの父親と実の息子の背景がしっかり感じられるからなのだろう。

消防士である男は筋肉増強剤(男性ホルモン?)を打ち続け老いに抗う。恐らく自分の息子のセクシャリティを否定したのだろう。

アレクシアがヴィンセントの家で出て行った妻のサマードレスを身につけみつかるシーンは深かったなぁ。
アレクシアの"女装"を見て自分の息子だと確信するヴィンセントの姿に息子が何故彼の元を離れたかが一瞬で理解出来る見事さ…なんかヴィンセントがちょっと哀れにも感じて切なかった。

父に愛されず事故で異形となり人間に対峙してしまった彼女と息子を愛したかった筈なのに♂の象徴である消防士と言う男性として受け入れられなかった父の後悔の交錯点。


意味を読めば読むほど色んな繋がりが発見される。
で、最終的には【純粋な愛】に言及した傑作!

これが合ってるかは分からんがクローネンバーグよりかな?

本当の意味での【カーセックス】が観られるとか観られないとか?(笑)

ワタシ的には消防士だけのお色気パーティーシーンがサイコーに良かったけどね。( ✧Д✧) カッ!!


取り敢えず超超超好み❗️


2022/04/10

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