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『ブレードランナー 2049』

原題「Blade Runner 2049」

◆あらすじ◆
労働力として製造された人造人間と人類が共存する、2049年のロサンゼルス。危険なレプリカントの個体を取り締まる「ブレードランナー」の男は、かつて同じ仕事をしていた男と出会う。30年間行方不明だったその男は、ある重大な秘密を握っていた。

今から30年後を描きながらもその世界観にはSFのカテゴリーを突き抜け一片の叙情詩の様な美しさと儚さと切なさがあった。

全編から感じられる前作へのオマージュも然ることながらヴィルヌーヴ監督の世界観を増幅させるのがハンス・ジマーだ。

こちらもヴァンゲリスへのオマージュさながら、彼の作り出す荘厳な重低音は作品の底辺を流れる叙情的な切なさを助長し監督が追求する人間の業のような物をズシリと感じさせてくれる。

見せ場として、見せかけのホログラムと実態としての身体が重なるシーンは見事だった。
本物になりたいと願う事、夢見る事を良しとされない者同士の繋がりはあまりにも切なく、事後の姿に胸が締め付けられる思いだった。
作り出された者たち、本物では無い苦悩。夢見る事さえ踏みにじられる現実に絶望せずに生きながらえる意味とは?
なんだか【(将来に)夢を見られない現代の若者】と言うセンテンスが脳裏に浮かんでやるせなさでいっぱいになった。せめて夢を見る事を罪としないでほしい・・・。


そのシーンで活躍するのがアナ・デ・アルマスちゃん演じるジョイなのだが彼女の従順且つ無償の愛の差し出し方が可愛いくて切なくて参ったね。男性達はやられちゃうんじゃないかな?(笑)
実体の無い【愛】をここまで感情的に見せられると2次元愛の進化版として納得しちゃうかもな。

余談だがショーン・ヤングがあのままの姿で登場する。
そして冒頭のアクションシーンだが、相手がデイヴ・バウティスタなんだけどそのシルエットがもう全く『ガーディアンオブギャラクシー』の時そのもので1人心の中で「ドラッグスだ〜〜!」って笑ったよね。


ハリソン・フォード=デッカードが登場してから怒涛の様に終末迎えるんだがKに完全に感情移入してきた観客をも「マジかっ!」と思わせる展開にあの涙の理由が解るって言うね・・・。

あぁ、やっぱドゥニ監督「女性を描くの上手いわぁ」って思っちゃう。
此処にも一貫して監督が描く【母と子】と言う図式が浮かび上がる。

そして最後。
K=ジョーは自分の存在価値をどう受け止めたのか・・・。


人の一生なんて答えの無いもの。
個人的にあの終わり方は好きだった。

時間が経った今の方がずっと心の中の傷が疼いているよ。

雪は彼の皮膚に何をどう感じさせたんだろうか?


そー言えば、どなたかがこの映画は工事や産業遺産が好きな人は必見て言ってたけど、これホント。

✨男会✨


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