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文章を書く練習として 怪談を創作できる人になりたいので、怪談を創作しています。

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最近の記事

【創作怪談】封印されたテープ

 学業の傍ら動画サイトチャンネルを運営していたFさんはふと見たテレビでやっていた「旧家に眠る開かずの金庫を開ける」という企画に影響を受け、祖母の家に、Fさんが生まれる前に亡くなった祖父の古い金庫があったことを思い出し、開かずの金庫ではないものの何か面白いものがあるかもと思い撮影の手筈を整えた。  一応の前段階として両親と祖母に許可を得がてら、何が入っているのか事前に聞いてみると両親も祖母もよく覚えていないが、開けるのは勝手だがおそらく大したものは入っていないという回答だった。

    • 【創作怪談】後ろ姿

       Tさんが学生の頃にあった話として教えてくれた話だ。  当時電車通学をしていたTさんは、学校の最寄り駅までの40分ほどの時間を音楽を聴いて、本を読みながらやり過ごしていた。  ある日彼女がいつものように車内で読書をしていると、何やら前方に気配を感じたという。 顔を気配の方に向けると、そこには男子生徒が1人こちらに背を向けて立っていた。 ただそれだけの話なのだが、Tさんは何故か彼から異様なものを感じたそうだ。  後ろ姿しか見えない、ぱっと見には何の変哲もないはずのその男子生徒

      • 【創作怪談】コイン

         学生時代の友人Sと久々に会うことになった。 彼とは学生時代さほど親しかったというわけではないが。同じく学生時代からの付き合いのNと仲がよく、卒業後にNを介して親しくなり、2人でもたまに会っては遊ぶ、というような関係になっていた。  お互いにオカルトものが好きという共通点があるのも手伝って、会えばそういった話になることもめずらしくなかった、とはいえSはやや霊には否定的に見ているので、心霊写真や呪われた物品といったものもあまり信じてはいないようだった。  そういった類のものにつ

        • 【創作怪談】事故物件

           もう十数年前になるが、とある事件でニュースを賑わせたマンションが実家の近所にある。名前をKマンションという 子供の頃の通学路というのがその前を通る道だったので、ある日の帰りに規制線が張られていた、あの黄色いテープの強烈な黄色を今でも覚えている。  あれ以来、おそらくそういった建物の例に漏れず、マンションには幽霊の目撃談が噂されるようになっていた。  現役で住民もいるマンションで、管理もされているので肝試しスポットになっているというような事はないが、少し調べれば詳しい事件が出

        【創作怪談】封印されたテープ

          【創作怪談】キイキイ

           ある夜、どうにも寝付けなかったので散歩がてら少し遠くのコンビニに買い物に出かける事にした。 流石に深夜なだけあって人通りというのもは無く、街灯の灯りを頼りに20分ほどの道のりを歩いていく。  コンビニに到着し、週刊誌などを買って帰路につく。 歩き出してすぐ、錆びた金属の軋むような、キイキイとした音が近づいてくる。 不気味な響きに思わず振り向くと、何のことはない、自転車に乗った男性が横切って行った。 チェーンかどこかがひどく錆びている様子でキイキイと悲鳴をあげているようだ。 

          【創作怪談】キイキイ

          【創作怪談】白い子供

          以前勤めていた某小売店での話。 長年のニート生活から脱し、何とか採用されたその店で勤めはじめて1年程度が経過した頃のこと。 「Zさんって白い子供もう見ました?」 と、半年ほど先に同じ店舗に勤めているSさんに声をかけられた。一瞬何のことか分からず、アニメやドラマなのかと思って聞き返すと。 「この店、白い子供が出るんですよ」 何でも、立地が悪く閉店の時間が迫る頃になると誰もいない時間が続くこの店だが、時折誰もいないのに自動ドアが反応することがある。 古い店舗であるし、それだけなら

          【創作怪談】白い子供