「弱みを活かす視点で売上と人の課題を解決するコトづくり商社」SOBイノベーションパートナーズ株式会社 代表取締役 高畠弘二さん
●ご挨拶と出演者紹介
三木:マイクロモノづくりストリーミング本日も始まりました。本日はSOBイノベーションパートナーズ株式会社の高畠さんに色々と多摩地区でのご活躍のお話を伺っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
高畠:お願いします。
●これまでのご経歴について
三木:簡単にご経歴と今やってらっしゃるお仕事の内容をお伝えいただきたいと思います。元々はどんな仕事をされていたんですか?
高畠:今年ちょうど40歳になるんですけど、元々学校を卒業してから営業畑でオフィスコーヒーとか玄関マットを売るそこそこでかい会社で、今だと一般家庭に普及してるボトルウォーターみたいなものの拡販部隊、1日朝から晩までビルの上から下まで飛び込み営業で回るピンポン営業を1年ぐらいやって。
三木:新卒で?
高畠:新卒で。それでちょっとモヤモヤっときて。
三木:どういうことですか?モヤモヤっときちゃったって。
高畠:結構成績も上げてたんですけど上司のノルマが毎日上がっていくんですよね。ノルマ達成したと思ったら、「お前のノルマはそれだけじゃない、本当は10件じゃなくて15件だ」みたいなので辞めちゃった。
三木:1年ぐらいで?
高畠:1年ぐらい。その次に全く異業種ですけど調布の中規模以下くらいの地場に根を張る人材ビジネスの会社に転職しまして、そこで主に製造業の町工場とか多摩にある大企業、メーカーさんに対して製造する、量産品だとライン組み立てる人だったり、少量多品種だとそういう配線職人だとか組立職人、メカトロの組立職人だとかそういう人材を派遣したり、片方ではITのインフラ、企業のネットワークとかサーバーとかを運用する会社に対して派遣をしていくというところに8年ぐらいいて色々やってたんですけども、もうちょっと広がりのある、(人材は)解決要素の中の一つでしかないというところもあったので、製造業界に入りたいなということで、お客さんがやられてる実際の仕事を色々経験してみたくて同じ稲城市の大手さんの下請けで電気関係の設備の製造をしている会社に入社して。元々そこは人材ビジネスの会社時代の非常に仲の良いお客さんで、その方も2代目なので「自分の時代に何か新しいことをやりたい、一緒に何かやろう」というところで会社を移りまして5、6年ぐらいやりました。
三木:でも最初の営業と次の人材と3つ目の製造業って全然違う感じじゃないですか。何かそこでジャンプをするポイントがあったんですか?
高畠:自分の中ではバラバラな職種なんですけどつながってて。最初の新卒の営業会社っていうのはその時でしかできない、本当にガリガリした泥臭いというか軍隊式というかそういう営業体験をしたことで、そこで自分の一番底辺のいざとなったらまた飛び込みやればいいやっていう(笑)ちょっと原点があって。それが終わって派遣会社に行って、今度は売り切りじゃないもの、お客さんも人だし働く人も人だし、そこの人と人を調整したりっていう…
三木:そういうのは好きな感じですか?
高畠:結構向いてるなと。売り切りのビジネスも楽しかったんですけど、そういう調整するところって百倍面倒くさいんですけど好きなんでしょうね。
三木:誰かの「違うんだよね」みたいな不満を聞きながら、ちょっとまた伝えながら…
高畠:そうですね。派遣ビジネスのお客さんって、結局人がほしいんじゃなくて目の前の負荷を解消したかったり、本当のエンジニアがほしい場合は自分の会社の中の技術的などこのパズルを当てはめたいのかというところの意図が必ずあって、そこを深く考えながら目の前にある働きたいっていう人の経歴の中にそのピースがないかどうかっていうのを探したりとか、そこで合致するようであれば両者調整したり。
三木:単純に「このピースがないからこの人ね」みたいなだけではなかなかいかないじゃないですか。
高畠:いかないです。その会社さんとかお客さんのご担当者様とか働く人が合うかどうかが一番でかいので。
三木:その辺の調整が割と自分に向いてた感じですか?
高畠:向いてたというか楽しかったですね。本当に面倒くさいことしかないんですけど。ビジネスの形的にも売り切りじゃなくてどっちかと言うとストックビジネスで原価がかからない。
宇都宮:継続していく感じですか?
高畠:そうです。設備投資がいらないのは結構楽と言えば楽ですよね。
三木:その辺が今やってらっしゃるとこの原点になるかななんて。
宇都宮:結構高畠さん自身が拘束されるじゃないですか。そうすると自分の時間が持ちづらくなりませんか?
高畠:今は睡眠時間を削ってます(笑)代わりの調整屋さんがほしいなと思って。
宇都宮:なかなかいないんじゃないですか?
高畠:いないですね。でも根本的に人ってビジネスの一つだし、もっと上流というかリソースだけじゃなくて、本当にモノづくりだとか一つ上の作るところの会社で色々やってみたいなと思って。
三木:それが製造業の?
高畠:全く製造業の経験がなかったんですけど飛び込みまして。
●製造業における営業の経験について
三木:その辺の経験はどうでした?
高畠:そこは良かったですね。会社としては本当に大変なことも山ほどあったんですけど、自分としてはすごく良くて。結局本当に同族経営の俗に言われる町工場っていう感じの会社で、僕が入った時は14人ぐらいしかいなくて、今は30人ぐらいいるんです。営業もいないし、長年同じお客さんからの毎月毎月リピートでやってるので別に発信する必要がなくて、いざ営業をしようとすると何もないんですよね。
三木:何もない?ということは?
高畠:ホームページもないし会社パンフレットもないし。今まで派遣の時も新卒の時も営業の仕方って先輩が教えてくれたんですけど、製造業では自分で考えていくしかなくて、町工場の経営者の方ってそんなに営業のやり方が上手いわけじゃないじゃないですか。
宇都宮:あと商材がないじゃないですか。技術って見せようがないし。
高畠:そうなんです。そういう意味では自分も最初の頃は一緒に配線をしたりとか取りあえず会社パンフレットを自分で作って、現場を見てこの会社って何が売りなのかなっていうのをトライ&エラーで、それこそ最初飛び込みやってお客さんに何が響くかな、これちょっと違うんだなっていうのを…
宇都宮:町工場で飛び込み営業ってなかなか聞かないですよね。
高畠:そうなんです。飛び込み営業やってました。
三木:すごい。すごい。どうやって?
高畠:ちょうど震災が起きた直後ぐらいから始めたので、結局向こうで工場を持ってて設備がぐちゃぐちゃになって厳しいっていうので、一時的に新しい協力パートナーを探す需要がちょっとあったんですね。そういう同業者に対して色々飛び込んで営業をかけていきました。
宇都宮:何かツテはあったんですか?
高畠:ツテはないです。無料で求人されてる某公的機関のところで、求人を出してるっていうことは忙しいんだろうと。そこには全部情報が載ってるわけで、そういうとこを回りながらどういう方法がいいのかっていうのを自分で考えて。「営業に関しては全部お前やってね。俺分かんないから。」っていうので全て自己完結できたんです。考えて実践してダメだったらまた直すっていうPDCAサイクルを自分で回して、そこの会社の営業の方法っていうのを一から確立することができたのは楽しかったですね。
宇都宮:結構ノウハウになったんですか?
高畠:なりましたね。気づいたのは本質は一緒だと思うんです。
三木:どういう本質ですか?
高畠:自分達の会社の売り、お客さんが本当に望んでいる自分たちが買ってもらえている理由をうまいこと表現化して汲んでいけば…
宇都宮:結構製造業だとよく技術を買ってもらってるっていうイメージがあるじゃないですか。でも実は色々要素があるじゃないですか。使う側からすると。
高畠:そうなんです。そこの会社って従業員の年齢層が若い=熟練工がいない=そこまで難しいことはできないですけど、工数のパワーとかがあるので物量はこなせるわけです。そこで何を考えたかって、品質は他よりも劣ってしまう面はあるんですけど、お客さんにとって都合の良い業者ですよと。
宇都宮:コンビニエンス?そこにも実はニーズがあったってことなんですか?
高畠:そうですね。一番ニーズがあったのは配線屋さんとか組立屋さんって、お客さんでかい装置になると構内来てやってほしいと。他の会社さんって構内行くと自分のとこの構内でやってる製造が間に合わないのであんまり出したくないんです。だから色んな案件を中に取り込んで工程調整して自分の社内で作ってれば色々仕事ができますけれども、お客さんのところ1ヵ月2ヵ月その工期を出しちゃうとそれしかできないのであんまり出したくないんですけど、色んな裏技を駆使して僕がバンバン「あ、いいですよ。やります。」って言って、派遣業界プラス町工場プラス人材ビジネスみたいなところをちょっとやったりしたら、お客さんからしてみれば「あいつはあんまり馬鹿そうだし品質も悪くはないけど、でも色々やってくれるからいいよね」っていう(笑)。便利屋さんみたいな。
三木:「やっといて」みたいな。
高畠:そうすると、ケーブルの例えば1本1,000円ぐらいの小額のスタートだったんですけど、それが3年ぐらい経つと月間5~600万とかそれぐらいのビジネスになるので大きいです。最初小さい額ですけど何かお客さんがそういうものを必要としてくれたり、お客さんと技術も品質もそうですけど、穴が見えるのでそこを満たすために自分たちが配線屋の配線やケーブル屋のケーブルやプラスアルファ色んなその知り合いもいるでしょうし、全方位的に何をやっていけるのかなって考える癖が結構ついて、そういう面とかも良かったですね。
宇都宮:そもそも新しいサービスじゃないですか。今までやってなかったサービスを社内に浸透させるっていうのはスムーズにいったんですか?
高畠:逆にみんな別に新しいサービスとも思ってなく、「いけ!」って言われたからだろうなっていう(笑)。それが後々つながるんですけど、すごい案件がバンバン来てるグーッと伸びていく時期があって…
三木:それが「いけ!」ってやつ?
宇都宮:「どんどんいけ!」って(笑)
高畠:どんどん構内に、常に毎月負荷150%ぐらい仕事を入れたことがあって、僕は営業畑ですから売上を上げて儲けを上げれば会社も働く皆さんも幸せになるんじゃないかって思ってたんです。それで自分も幸せになりたいしガンガンやってたら「あれ?ちょっと待てよ?」と。
三木:「あれ?ちょっと待てよ?」ってどういう風な?
高畠:もう従業員から「そんな仕事取ってきて誰がやるんですか?」って。「俺ら嫌ですよ」みたいなのとか、あとは無言の抵抗で社員さんが辞めてくとか、仕事が増えれば増えるほどそうなっちゃって、幸福感がなくてすごくショッキングで…
宇都宮:でも売上は伸びてるんですよね?会社の経営数値も上がっていってるんですよね?
高畠:はい、そうですね。
宇都宮:給料も増やしてるんですよね?賞与とか。
高畠:元々冬の時代が長かったのですぐに還元できない。そこが小さな会社の難しいところで、業績だけじゃない何かっていうのが色々あると思うので、そこがかなり思い悩みましたね。
●ソース・オブ・ベネフィット、SOBイノベーションパートナーズ株式会社の紹介
三木:それがきっかけで今やってらっしゃるソース・オブ・ベネフィットになると思うんですけど、ちょっとそれを説明していただいてもよろしいですか?
高畠:今主にこの多摩地域のモノづくりを始めとする中小企業様に向けて個人事業主として色々ご相談相手とか色んなお手伝いをやってます。社長さんが叶えたい姿と現状のギャップを埋めるために並走するというか、色んな局面で一緒に考えて一緒にアイデアを出し合って、こういう違う視座をその中で共有しながらやっていければなというところがあるんです。その中で色々リソースが必要であればマッチングしていくというビジネススタイルです。もう一つ6月にSOBイノベーションパートナーズ株式会社という、これは法人化しまして。
三木:おめでとうございます。
高畠:ありがとうございます。そこでは下請け事業者様の今のリソースを固める事業、お客様のワクワクと弱音を掘り起こして形にする事業、働き方・雇い方の革新に挑戦する事業、この3つをやっていこうと思ってます。具体的に言うと、一つ目は今までやってきたこととあんまり変わらないですけども、IT業界のインフラ回り、そこの下流も下流工程になるんですけど、大手の企業様に対してパソコンだとかポスレジとか機器を導入する作業があって、それをまるっと私のほうで請け負って、20人ぐらいの個人事業主さんと5社ぐらいのパートナー企業さんと一緒に今やってます。あともう一つは製造業のほうで、僕ができるのは調整役なので案件を聞いたらその案件にマッチングする会社さんを紹介させていただいたりしております。あとさっきのワクワクを提供するのは“zenschool多摩”とzenschoolで生まれた“たまし庵”を形にしていく。
働き方のほうはアフター創業ケアという、創業したけれどもっていう方に対してケアサービスを提供すること。あと複業、サイドビジネスじゃなくて複業、僕自身も一時二足の草鞋を履いてて、複業って違う視座が得られやすいので浸透させたいと。あとはママ・シニア活用。ここら辺をまるっと一個一個見れば違うんですけど、3つのサイクルで回していければなというのでやってます。
宇都宮:バランスはどんな感じですか?
高畠:今ここ(下請け事業者様の今のリソースを固める事業)が結構忙しくて、おかげ様で稼ぎ頭ですね。
三木:現調?、調達・調整?
高畠:そうですね。ここの現調の部分なんです。今までこういう設置の仕事っていつあるか分からないし、計画はあるんでしょうけどリスケは常な業界なので、毎月20日間仕事があるかっていうとないんですね。非常に人的なリソースを確保しにくい仕事だったんですけど、このネガティブファクターを何とかしさえすればビジネスになるぞと思って、ネガティブなイメージじゃなくて前向きに…
三木:仕事がある時だけ働く?
高畠:どういう層かというと自分で事業をやってる方だろうなと。創業された後とか元々何かやっててもうちょっと収入がほしい方とかをマッチングしてみたら全然仕事がすごくて。自分で事業をやられてるから責任感とかもすごくて、約束は絶対守っていただけるし。
宇都宮:サラリーマンじゃないってことですか?
高畠:そうなんです。ぶら下がってなくて自分でやられてる方達なので、全く自分の本業とは違う仕事でも現場の中で自分自身が考えて動くんですよね。
宇都宮:確定申告している人は違いますよ(笑)
高畠:違います。そうなると融通が利くわけですよ。そういう母数を持ってると。
宇都宮:調整もしやすい。
高畠:そうなんです。お客さんはあそこ何であんなに人を確保してるんだろうって、またこれがどんどん雪だるま式にでかくなっていくっていう。
宇都宮:右下と結構つながってくることなんですよね。
高畠:つながってきますね。毎日働かなきゃならないじゃなくてちょっと違う角度から…
宇都宮:1年の中でこの時期だけ働けばみたいなことも可能ってことですよね?やりようによっては。
高畠:雇用のネガティブな面をポジティブなほうに視点をちょっとずらしてあげて、こっちと結びつけるとこうなったっていう。
三木:ちょっと今度左下のほうにいきたいと思います。
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●“たまし庵”について
三木:引き続きいよいよ核心の“zenschool多摩”と“たまし庵”についてちょっと伺っていきたいと思います。まず“たまし庵”とは何なんでしょうか?
高畠:“たまし庵”というのはzenschool11期生、2年前(2015年)ですね。もう2年前ですね(笑)
三木:結構前ですね。
宇都宮:早いですね。
高畠:早いです。取り出したワクワクから生まれた構想なんですけども、たまし庵って名前の由来はそういう多摩を思案するだとか。
三木:多摩を思案する?
高畠:多摩を俯瞰して思案するとかそういう意味があるんです。あと庵っぽいっていう、○○庵とかいおりっぽいっていうそういう意味合いなんですけど、一時的にはこの場所が勝手にたまし庵っていうことにしてるんですけど。
宇都宮:ここは良い感じの場所ですよね。
高畠:癒しの空間に色んな方が来て色んな雑談をする場なんです。
三木:何でそういう場を作ろうと思ったんですか?
高畠:その中からその人が困ってることとかずっと愚痴をこぼしたいこととか色々あると思うんですけど、会話の中で普通に自然に出てくる弱音みたいなものを俯瞰して、ポジティブな側面がある弱音の要素に対して例えばAっていう業者の方の弱音、Bっていう業者の方の弱音があってポジティブに視座を変えた時にそれが交わってビジネスになるんじゃないかって。
三木:弱音がビジネスになる?
高畠:弱音×弱音。弱音×弱音だからおもしろいんだと。
三木:マイナスとマイナスをプラスへ。
高畠:っていうところの種をざっくばらんなゆるい癒しの空間の雑談の中で…
宇都宮:ゆるい空間ですよね。確かに(笑)
高畠:ゆるい空間で俯瞰をしてポイポイみんなに種を落としていっていただいて、それを組み合わせて勝手にビジネス構想を立てまして、その弱音をいただいた方々に、例えばモノづくり、サービス業の方が同じような弱音を吐かれたのであったら、そこの方達の新しいビジネスとしてモデルや事業をご提供していくような構想なんですけど。
三木:いわゆるコンサルティングなんですか?それとももうちょっと別の何か…
宇都宮:プランニングな感じなんですか?どっちかと言うと。構想を練る。
高畠:そうです。構想を練って「こういうビジネスどうですか?」って。本来であればたぶんどこの会社も自分でそれをやるんでしょうけど、僕はそうは思わないです。もうあげちゃうみたいな、やりたい人にお渡ししますみたいな(笑)
三木:ビジネスモデルを提案してそのプランを買ってもらう感じですか?
高畠:そうですね。プランを買っていただく。
三木:具体的にはどういう弱音がありそうなんですか?
高畠:まさしく今自分がやったのも弱音×弱音だったんですよね。
宇都宮:働きたくても毎日働くことはできないよとか。
高畠:そうなんです。この仕事でこんなに人が困ってるんだけどなかなか人が来ないというところで。意外に多いのは、この稲城市っていうのは待機児童があふれちゃって。
三木:そうなんですか?
宇都宮:お困りごと、弱音ですね。
高畠:ママのお困りごとが結構あるんですよね。でもママたちって働きたいので、待機児童、もう鶏が先か卵が先か、じゃあそのママたちって働きたいしそれを叶えてあげれば、この稲城に雇用が生まれるし人手不足も…じゃあそのためにどうしようかっていうのをヒソヒソ僕らが考えて(笑)
宇都宮:ここで?
高畠:ここで。そういうイメージですよね。
三木:そういう幸せの根回しみたいな?
高畠:そうですね。企業さんが「じゃあそれ俺がやりたい」と、「じゃあもう差し上げます」と。「どうぞどうぞ」と。本当のフィーはむしろ全てがうまくいったら成果報酬的なところでいいんじゃないかってゆる~く考えてる。あんまりバキバキこっちの部分は売上だ収益だってやらないようにこっちで収益を上げてるので、こっちはもうちょっとゆる~くやってこうかなと。
●enmonoとの出会いとzenschool受講について
三木:そもそも高畠さんとenmonoの出会いはどういう感じでしたっけ?
高畠:2015年の2月ですよね。三木さんと御茶ノ水で中村さんの宇宙から始まるワクワクのモノづくりっていう結構不思議な感じのセミナーを受けました。(「ミッションマインド ✕ enmono 共同セミナー「宇宙から始まるモノづくり、心の宇宙からワクワクをもう一度取り戻せ!」」 )
宇都宮:どこで知ったんですか?そのセミナーがあるって。
高畠:フェイスブックです。
宇都宮:だけどつながってなかったですもんね?僕らと。
高畠:つながってなかったです。
宇都宮:共通の知人か何かいたんですか?
高畠:中村電機の中村さんだとか、誰かが“いいね!”をしてたんです。
三木:どういう期待で来たんですか?宇宙からのモノづくり。
高畠:実はその前にお二人のことはMMSも見たことがあって、三笠製作所の石田社長の。(第8回MMS放送)
宇都宮:制御盤関係で?
高畠:ちょっと石田さんがやられてるインデックスライツに興味を持った時があって、その時にたまたま石田さんを検索したらMMSが出てきて、おもしろいふわ~っと…
宇都宮:結構昔の放送ですよね?2011年頃の。
高畠:内容がまたおもしろかった。その後に身近な中村電機の中村さんがzenschoolを受講されるとフェイスブックに上げてて、「何の講座だ?zenschoolって。」ってちょっと調べたらおもしろそうだなと思ったんですけど、「えっ!高い!!」みたいな感じを僕自身思ったんですね。それを経てぽーんと入ってきた宇宙から始まるワクワクモノづくりのセミナーちょっと行ってみよう、楽しそうだから聞いてみようと実際来ちゃったんです。実際三木さんのお話とオリジナルマインドの中村さんのお話を聞いて、もう最初高いなと思ってたのがどっかすっ飛んで衝動でしたね。
三木:衝動的に?
高畠:「これはいいぞ!」と衝動で握手しちゃってっていう。
三木:そこから始まったzenschool。
高畠:さっきの町工場の話じゃないですけど、もう結構思い悩んでて。もう壁ですかね。本当にその規模の僕らの壁を取っ払うには…
宇都宮:売上を上げる以外の価値観って見当たらなかったってことですか?
高畠:なかったですし…
宇都宮:模索はしてたんですか?
高畠:模索はしてました。模索はしてたところにぽーんと(笑)あとソニーのウォークマンの話とかあって、僕小学生の時とかウォークマンにワクワクしてて、今そんな製品ってあんまりないよなとか、あとマイクロモノづくりの話とか聞いて、「すごいな!」と。逆に理にかなってるんじゃないかなって。
三木:そう思っていただいたんですね。
宇都宮:僕ら理にかなってると思ってるんですけど、論理的に受け止められない人がいるわけですよね。
高畠:すごくドンピシャきました。オリジナルマインドの中村さんの話もドンピシャきました。
宇都宮:でも彼ぶっ飛んでるじゃないですか(笑)
高畠:ぶっ飛んでますけどすごく腑に落ちました。「これだ!!」と。
宇都宮:で、申し込んだわけですか?
高畠:すぐ握手して申し込んで。
●zenschoolで得られたこと
三木:zenschoolでどういう体験をされました?
高畠:マイクロモノづくりの概念やクラウドファンディングとかノウハウ的なものも学べるし、自分自身当時属してた会社の自社製品を作ろうと思って行ったんです。たぶんこれがzenschoolの僕が思う本質なんですけど、自分っていうのを1枚1枚はがしていくというか…
三木:玉ねぎを剥くみたいな?
宇都宮:はがされちゃうんですか?鎧を。
高畠:自分ではがさなきゃいけない。はがしてくれるのかなと思ったらはがさない。
一同:(笑)
宇都宮:何もしないですもんね。僕らは見事に。
高畠:自分ではがしてそこに残ったものって一番シンプルなものですよね。
宇都宮:自分で自分をはがすっていうのはそんなにすぐできることじゃないでしょ?
高畠:ないです。それがすごい体験というか…
三木:同期生で色んな変化をされた方もいらっしゃいますし。同期のつながりはどうですか?
高畠:同期はやっぱり貴重ですね。
三木:いまだにずっとつながってる?
宇都宮:浜松の別荘行ってましたよね?
高畠:セレブ石井さん。別荘でバーベキューをしたり、梶川さんのミュージアムはもう色々…民宿で寒ブリ食べに。直井さんとは地域が近いので結構…
宇都宮:多摩地域?
三木:仕事仲間っぽい感じ?
高畠:そうですね。最近はそういうプロジェクト仲間的な感じになってます。
宇都宮:今までとは違う仲間って感じですか?
高畠:ワクワク仲間ですね。
enmono:(笑)
高畠:全然質感が違う感じです。
三木:その全然質感が違う仲間と出会うことも一つのzenschoolの価値?
高畠:醍醐味ですね。というかそれがたぶん今後主流になっていくと思うんです。おもしろいじゃないですか。
宇都宮:“おもしろいんです”を説明しないといけない。zenschoolのおもしろさをどう説明します?
高畠:自然体なんですよね。常に。あるがまま。でも世の中ってビジネスにしてもやっぱりどこか不自然になっちゃうんですよね。流れに身を任せればいいじゃないですか。物事の道理とか。
宇都宮:その不自然な人に自然を説明するのはすごくぱーっていう感じ(笑)
高畠:なのでzenschool多摩、それを多摩で自然体のふわ~としたワクワクの流れを…
宇都宮:多摩地域はまだ不自然な感じなんですか?硬い感じなんですか?
高畠:多摩地域は大手さんの工場だとか大手企業さんが山ほどありますし、都心からも近いし、仕事はあるんです。多摩地域。
宇都宮:選ばないと仕事はありそうですよね。
高畠:ぶっちゃけ食べていけるといえば食べていけるんですよね。なのでワクワクする必要がないと言えばそうなんですけど、でもやっぱり多様性の時代なんですよ。
三木:多様性の時代なんだ。すごい。そうなんだ。
高畠:今後はおもしろいことを大なり小なりみんなでやっていこうよみたいな。
三木:ワクワクすることをやっていこうみたいな。
高畠:ワクワクしましょうよ。多摩の皆さん、ワクワクしましょうよ!みんなで!!
enmono:(笑)
宇都宮:ぜひここへ来てください、たまし庵に。
高畠:そうですね。
●zenschoolのマスターになるという挑戦とzenschool多摩
三木:今高畠さんが挑戦されようとしていることが、zenschoolのマスターになるということなんですけれども、zenschoolのマスターってどういうものですか?
高畠:zenschoolのマスターは、zenschoolの講師でもあるしzenschoolを運営する人でもあると思うんですけども、俗に言われる先生っていうよりかはzenschoolを受けられた方の心の中にワクワクが生まれる様を見守っているというか。僕が1枚1枚剥いていった、でもこれって一人じゃ剥けないわけですよ。かといって教えるのは剥いたことにならないわけですよ。そこの絶妙な見守り君(笑)…的な存在ですよね。
宇都宮:でも答えを言いたくなるじゃないですか。
高畠:ぼんやりした印象なんですけど、でもそれって非常に重要な、言葉では非常に言い表しにくいんですけど、生まれてくるのを待つ感じです。
宇都宮:卒啄同時ですね。
三木:何か卵から生まれる感じですか?
高畠:一緒に考えるけど答えは出さないという、答えを出すのはご本人自身というか。
宇都宮:実際OJTで18期生、受講生どんな雰囲気ですか?
高畠:もう自分が受けた時とは全く違って楽しかったです。
宇都宮:マスター側として見るとまた違うじゃないですか?当事者とどう違います?
高畠:当事者はもう自分が生み出そうとか、自分が自分がなんですけど、マスター側から見ると、よりzenschoolの本質が分かりましたね。自社製品開発講座って書いてありますけど、それはもうそうなんですけど、自分イノベーション講座なんですよ。
三木:自分イノベーション講座?それいいですね。その言葉。いただきました。
高畠:自分がイノベーションを生んじゃえば、自社製品も生まれるだろうし自社サービスも生まれるだろうし。
宇都宮:でも自分を変えるわけじゃなくて、元々持ってるものに気づいちゃうわけじゃないですか。
高畠:そうなんですよね。
宇都宮:変えてるわけじゃないってことですよね。
高畠:そこがすごい自然な流れなんですよね。
宇都宮:でも玉ねぎの皮で包まれてるんですよね。
高畠:そうです。長年蓄積されたしがらみとかカチカチになった固定概念とか。
宇都宮:「裸になれ」って感じですか?
高畠:産まれたままの姿に。
三木:ツルツルな感じでわ~って(笑)そうなるわけですね。
宇都宮:でも卒業しちゃうとまた服着始めるじゃないですか。
高畠:そうなんですよね。そこを何か考えないといけないですよね。
宇都宮:ヌーディストクラブが必要なんですかね(笑)
高畠:そうかもしれないですね。多摩にヌーディストクラブ。
宇都宮:“たまし庵”がそういう場所になればいいんじゃないですか?
三木:多摩ヌーディストクラブ(笑)
一同:(笑)
三木:僕らもそこが一番の課題で、だから時々オンラインとかで会っていかないと。
宇都宮:友の会をし始めたのも服を脱いでも良い場所を設定する、あと卒業生向けに鎌倉で合宿するのも、そういう企画をしているのもそういう部分で、卒業すると仲間がいたとしても一人になっちゃうじゃないですか。そうすると世間の圧がすごいじゃないですか。
高畠:それでどんどん服を着せられちゃうんですよね。
宇都宮:周りがどんどん着せちゃって。
高畠:勝手にコーティングみたいなのをビューっと勝手にかけられてるんです。
宇都宮:かなりの意志で脱がないとコーティングしてきますよね。周りが。
三木:そうですよね。どんどん脱いでいきましょう。今zenschool多摩を企画中?
高畠:そうですね。場所は稲城市京王若葉台にあるiプラザでやろうかと。今お二人くらい見つかってるんですけど、あと二人ワクワクしたい方を募集しております。
三木:すばらしい。どんな方に来ていただきたいですか?
高畠:服をいっぱい着た方がいいですね。
三木:いっぱいいるじゃないですか。多摩のそこら中に。
宇都宮:みんな厚着してるじゃないですか。
高畠:本当は地域だとかコミュニティがあるじゃないですか。本当はちょっと違うんだけどなっていうような小さい声を持ってる方。
宇都宮:言い出せないけどみたいな。
三木:ちょっと違和感を感じてらっしゃる方に来ていただきたい。
高畠:そうですね。
●高畠様の考える「日本の○○の未来」に対する想いについて
三木:いつも最後に皆さんにお伺いしている質問がありまして、高畠さんの考える日本の○○の未来、○○は自分で設定していただけると。
高畠:中小企業にします。
三木:中小企業の未来はどんな未来になってほしいですか?
高畠:本当に今のzenschool多摩ともつながるんですけど、多様性とかダイバーシティだとかIoTだとか、広い言葉がかなりあるんですけど、結局広義な視点でいくとそういう時代だとかそういうのが必要だとか、IoTはIoTがあれば何でもできると。イコール僕らのピラミッドの底辺のこの場末というか一般社会の中で、それって例えば表面的になめてるだけで何もなしてない、「多様性だから何?」って、「IoTって何できるの?」みたいな感じなんですけど、そこに皿はあるけどコンテンツがないというか…
宇都宮:お寿司が乗ってないんですね。
高畠:そうなんですよ。多様性が本当に必要なのは中小企業だったりIoTの技術革新が本当に必要で身近にほしいのは中小企業だったり、なのでzenschool多摩だとか色々あると思うんですけど、自分イノベーションで中小企業の僕らが何かイノベーティブなおもしろいことをポンポン生み出していけば、世の中一体になって新しい10年後20年後30年後の孫ぐらいの世代には日本はジョブズをバンバン生む風土だとかできるかもしれないじゃないですか。
三木:できますよ。
高畠:だからそういう方向に中小企業はこれからいったほうがおもしろいんじゃないかなと思ってて、そうなってほしいです。
三木:大企業もおもしろいけど中小企業のほうが行動力・スピードもあるし柔軟だし、そこのマインドが変わるだけで爆発する人っていっぱいいますからね。
高畠:そうなんです。
宇都宮:複業モデルだとリスクは少なくなるじゃないですか。大企業に勤めていながら土日は何かするみたいなことも可能だし。
高畠:そうなんです。そこがやっぱりいいんですよね。リスクを背負わずに好きなことができる、その裏側ではビジネスにするイコール経営者の感覚を身につけなきゃならないので、本業にも経営者の感覚で臨むといい。
宇都宮:サラリーマンと全然違いますよね。マインドがね。
高畠:全然違います。なのでそういう働き方ってすごくいいと思いますよね。
宇都宮:たまし庵にぜひ来てください。
三木:そういうワクワクする未来がまず多摩から生まれるという、そういう感じでございます。どうも今日はありがとうございます。
高畠:ありがとうございます。
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