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「自己の深化×真の対話によりイノベーションや社会関係資本を醸成する空間づくりをする」Think Space 代表 岩濱サラさん

●ご挨拶と出演者紹介

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三木:第169回マイクロモノづくりストリーミング本日も始まりました。本日はこのステキな空間、Think Spaceを運営されている、岩濱サラさんにご登場いただきます。本日はどうもありがとうございます。

岩濱:ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

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●enmonoとの出会いについて

三木:岩濱さんと我々との出会いは、昨年の4月ぐらいにどういうきっかけでお会いしたんでしたっけ?

岩濱:私がたまたま仕事をしに行ってるYahoo!のロッジで、Zen2.0のミートアップをやっていたというのがきっかけなんですが、その日全く情報も知らずに仕事をしに行って、セミナーを見て「マインドフル、あ、おもしろそう」と思って参加したら、鎌倉でマインドフルっていうところで「これはもう運命的な出会いでしかない」という想いを…

三木:その時ってもうここは立ち上げられていたんですか?

岩濱:ここはまだ立ち上げ準備をしていた段階で、ちょうどその日にクラウドファンディングをスタートする準備をしてスタートした日だったので、私にとっても表に出すっていうタイミングでした。

宇都宮:すごいタイミングですよね。


●サラさんの経歴について

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三木:こちらのスペースのコンセプトは、マインドフルネス×コワーキングで企画はいつぐらいから考えてたんですか?

岩濱:ずっと大学生の頃座禅をしたり瞑想をするのが好きで、実際にここのスペースを購入して場づくりをしていくという中で、自分が馴染みのあって好きな瞑想を取り入れながら、空間づくりをしていきたいなという想いがあったので。

宇都宮:瞑想は学生の頃から色々されてたんですか?

岩濱:はい。大学生の時にたまたま学校に座禅部があって、学習院大学の座禅部なので円覚寺さんともつながりが。学校で学生座禅会っていうのを見て「これは行かなきゃ」と思って。

三木:それは結構頻繁に?

岩濱:学生座禅会自体は1回で、3泊4日か2泊3日ぐらいのものだったんです。

宇都宮:どこかに泊まりで行くんですか?

岩濱:円覚寺に泊まって。

三木:円覚寺の居士林?

岩濱:居士林に泊まってやりました。そこで座禅がすごく好きになって、たまにお寺に行ったり自分で瞑想したりっていうのを学生の頃はやっていて、ただ社会人になって働くことだけが中心になってきて、そこで何年か働いてる中で、そもそも企業で働くっていうことに疑問を持ち始めた時期に色々…

三木:何のお仕事をされてたんですか?

岩濱:最初はIT業界で、当時ユビキタスっていうのが出てきた時で、ICタグのデバイスを使った物流管理システムの構築とか、システム開発のコンサルに近いような仕事をしていました。

三木:何年ぐらい?

岩濱:3年してました。3年経った後に転職しているんですけど、その後はマンション開発と販売を行っているところに転職して。元々学生時代から建築にも興味があったので、建築を学んで不動産に関わりたいって転職をして、マンションの賃貸とか分譲マンションの開発から販売、投資不動産の仲介など不動産に関することを7年ぐらい。


●Think Spaceの紹介と現在の活動について

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三木:こちらの場所のご説明を。カッコいいですね。このロゴもいいですね。

岩濱:このロゴも実は円形ではなくて、ちょっと歪ませているんです。形をあえて歪ませたり余白を作ることによって、心の余白だったり完成形ではないものの中に、おもしろさを見出していきたいなっていう想いでこのロゴは作って。

宇都宮:そのほうが自然ですもんね。真円はないので。

岩濱:そうですね。今はThink Spaceをメインにやってまして、これはただコワーキングスペースを運営したいというよりかは、ここを中心に幸せな働き方とか幸せな生き方っていうのを、自分自身も含めて追求する場にしていきたいなという想いでやっています。

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宇都宮:色々実験もされてるとかって。チャレンジングなイベントとかですか?

岩濱:はい。イベントで文化とか歴史とかを学ぶような勉強会をやったり、あと実験という意味では、この空間で来た方がいかにマインドフルになれるかというところをもっと追求していきたいなと思って、それがマインドフル&ソーシャル空間デザイナーという勝手に名乗ってるだけなんですけど。

宇都宮:ここの実験の成果をそこにノウハウとして蓄積して、また世の中に展開していくっていう?

岩濱:そうですね。行くだけで瞑想しているようなちょっと心が落ち着けるような状態になれる場所を目指していて、自然にそうなってしまう場所は、この空間の照明だったり音だったり、空気の浄化とか流れとか気の流れとか磁場とか色んな要素があると思うんです。

三木:イヤシロチとかね。イヤシロチとケガレチって2つあるんです。確か明治か大正時代ぐらいに、色んなところに行ってすごい病気とか事故がいっぱい起きる建物と、そうじゃないところと何が違うのか色々研究された方がいて。

岩濱:風水的な意味でも、悪い気が溜まりやすい場所っていうのは、どうしても建物の配置とか空気の循環でやってきてしまうと思うので、そういうのを改善していくことで心地よさも変わってきますし。

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三木:東京とかが今めちゃくちゃ暑いじゃないですか。あれって気が滞ってるんですよね。ヒートアイランド現象。鎌倉は風が抜けてるから、暑くてもスースー気が抜けてるんですよ。

岩濱:そうなんですよね。都内にある公園も一応緑はあるんですけど、結局公園の中だけで完結してしまっていて、周りは全部コンクリートで固めてしまっているので、町全体としては全然空気が通っていないっていうのが、鎌倉と東京の違い。

三木:マインドフルシティ鎌倉を設計してください。気が抜ける設計で。

岩濱:そういう場所が増えてくると、例えば今空き家になってる場所とかを良い自然の状態にしていくことで、全部は無理だとしても、そういう点と点がどんどんつながって、それが面として環境が良くなっていくっていう流れを生み出せると思うので、そういうことも含めて考えていきたいなと思っています。

宇都宮:人の気が良くなると人も集まってきますもんね。そうすると商売も成り立つし。

岩濱:しかも建物もどんどん持ちが良くなってくるので。

三木:そうだよね。人がいない家ってどんどん劣化していくんですよね。気が通らないから。

宇都宮:古い物件もすぐ劣化するのはそういうことなんですか?

岩濱:手をつけないと悪い菌、カビだったりとか建物に悪さをする菌が繁殖しやすい状況になってしまうんですけど、建物の周囲の土地の水脈を通すことによって菌の生態が変わるようなんです。そこで良い菌が住むようになると、実際に生態系が変わっていくようなので、そういう場所が増えてくると、どんどん良い菌がつながって良い菌を持った土地になっていくっていう(笑)。

宇都宮:そうすると発酵もしやすくなる?

岩濱:発酵もしやすいし野菜とかも育ちやすい。特に農薬とかを使わないで自然農法で育てる場合には、土をどれだけ良い菌の状態が保てるかっていうのがすごく大事になってくるので…

宇都宮:鎌倉も野菜とかありますもんね。

岩濱:そうですね。そこも実はここに書いてある“100年ごはん”っていうもので、そういう取り組みをしていきたいなと。

三木:そしてこれはあれですね?

岩濱:Zen2.0。

三木:すごい大活躍していただいてます。サラさんは会場運営メンバーとして、すごい緻密な図面を起していただいて。

岩濱:建長寺さんとか円覚寺さんとかお寺さんの図面を描かせてもらうのが、すごい貴重ななかなかない経験だなと。

三木:だいたいお寺の方に聞くと「図面あります?」「いや、そんなのない」って。作って差し上げるとすごい喜ばれるんです。別のでも使えると思います。

宇都宮:Kamakura Gathering、拡張家族Cift。

岩濱:Ciftは渋谷に拠点がある、拡張家族っていうのをコンセプトにしている50人ぐらいの家族なんです。

宇都宮:大家族ですね。

岩濱:大家族です。鎌倉の拠点がこのThink Spaceの2階で、保養所的な…渋谷ってどうしてもいるだけでストレスが溜まって、明け方の渋谷とか夜中の渋谷とか歩くと、結構心がすさんでいくような感じが…

宇都宮:気が滞ってるんですか?

岩濱:そうですね。ゴミもすごいですし。

三木:渋谷って谷は悪い気が溜まるんです。中沢新一の『アースダイバー』っていう本があって、津波とかあってそのギリギリの水が止まるっていうところには古い神社があって、だいたい縄文時代とかの守られてる土地には必ず神社があって。そこが今の神社になってて、古来からそういった土地は、神聖な場所と思われていてそこに神社を建てた。下の谷のほうは沼とか悪い気が溜まるところになってて、渋谷とか六本木とか実はあまり良くない。

岩濱:ただでさえビルに囲まれていて環境も良くないですし空気も良くないですし、そういった土地柄もあるのかもしれないです。


●鎌倉と東京の2拠点生活について

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宇都宮:根っこにあるものっていうのは座禅とかからきてるんですか?

岩濱:根っこにあるものは座禅もそうなんですが、元々この鎌倉でこういったものをやりたいって思ったきっかけは、東京のオフィスで働いている中で、ストレスや息苦しさを感じていて。以前は週末に千葉や鎌倉にサーフィン行ってリフレッシュして、平日は働くっていう生活をしてたんですけど、そもそも働くことと、休むことを分けるんじゃなくて、働くことは生きることと考えて、それを東京だけではなくて、こういう自然の多い場所と行き来しながら行うということの中に、自分自身の豊かさを見出したっていうところが根本にあります。。

宇都宮:今はそういう生活を?

岩濱:今は築地と稲村ケ崎の2拠点で週3、4ぐらいで行き来しながら生活をしています。

宇都宮:お住まいはこちらですか?

岩濱:住まいは鎌倉にいる時はこの上に住んでます。

三木:どっちも住まい?

岩濱:どっちも住まいです。どっちも部屋はすごい狭くて6畳ぐらいなんですけど、ここは部屋じゃないにしても、こういう空間があるのですごく贅沢な生活をしているなと思います。

宇都宮:それが贅沢ですよね。贅沢の概念を変えてくるというか…

岩濱:そうですね。お金を稼いで都内で豪遊するのが贅沢ではなくて。

三木:何とかヒルズの贅沢はもう贅沢1.0ですね。ここは贅沢2.0みたいな。

岩濱:今までの日本円で成り立ってるような資本主義ではないところの価値っていうのが、たぶんこれからもっともっと重要になってくるし、そこに幸せを感じる人も増えてきてるんだろうなっていうのは感じています。今までの日本円ではない新しい資本主義経済圏を作ろうと思った時に、相手を思いやる利他的な心に基づいた人間関係がすごく大事になってくると思って。それは地域のコミュニティの中で、助け合いとか物々交換とか自分で全て囲むんじゃなくて、相手にとって良いことをすることによって自分にもそれが返ってくるっていう、その循環が作り出せることで、みんながハッピーになれるんじゃないかなと。


●今後の方向性と拡張家族Cift

三木:この間一周年記念で色々イベントをやられましたけど、サラさんの言う今までの善行が、多くの人を惹きつけて、色んなプログラムを色んな人が協力してくれて。そこにまた惹きつけられて村田さんご夫妻とか、色んなおもしろい人がどんどん集まってきてますよね。

岩濱:そうなんですよね。それもたぶんZen2.0との出会いが、実は始まりだなと思っていて、そこで三木さんとか宍戸さんに色んなご縁をいただいて、色んな方に来ていただいて、段々そういうつながりが増えてくることで、この場所もすごくおもしろい場所にしてくださってるなって思います。

三木:サラさんがそれを意図的にやってる感じじゃないんですよ。普通の営業みたいにガツガツやる感じじゃなくて、自然とここに来たいなみたいになるから。

岩濱:営業は実は全くしていなくて、時間がないっていうのも正直あるんですけど、来たい方が来てくださって、急激に利用者が増えて盛り上がるよりかは、じんわりと本当に共感してくださる方が集まってきて、そういう方々と良い関係性を築けていけたらいいなという想いがあるので。

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宇都宮:口コミみたいな感じなんですか?広がり方っていうのは。連れて来るっていうか。

岩濱:口コミですね。あと紹介していただいたりとか、Zen2.0の打ち合わせとかイベントで使っていただいて、その投稿を見た方が興味を持って来てくださったりとか。

三木:この間スタンフォード大学のマインドフルネスの授業をされている重松先生が、こちらにお泊りになられて、贅沢なランチタイムを3時間話し込んじゃった。

岩濱:ここの和室で話し込みました。飼っていらっしゃるすごく大事にされていた犬のお話とか、結構深いところのお話をさせていただいて、私自身の離婚の話をつなげるのもあれなんですけど、大切な形あるものがなくなったことで、精神的なつながりができたっていう、でもそっちが実はものすごく安心を生み出してるっていう、すごく共感できるお話でした。

宇都宮:形に囚われちゃうってことなんですか?

岩濱:そうですね。例えば婚姻関係とか経済的にはもちろん安心ですし、パートナーが明確にいるっていうのは、確かに心の安定にはなっていて、それがなくなった時に、ぽっかり穴が開いた感じにはなってしまったんですけど、でも一方で主人との関係性が、今までの夫婦としてつながってるというものを超えて、同志というか心のパートナーみたいなそういう存在になったので。そういう意味では、別れたっていうことが、別れではなくて次のスタートのステップアップだったなと。もし次にどなたかと結婚するとしても、家族ぐるみでみんなそういう前の旦那とか、前の奥さんとかそういうの関係なく、仲良くなれるような関係性っていうのを作っていけたらいいなとは思っています。

三木:確かに結婚制度っていうのも古いからね。

宇都宮:Ciftってそういう意味合いなんですか?従来のファミリーっていう概念がちょっと変わってきてるというか…

岩濱:そうなんです。単純に場を共有することでつながるっていうのも大事なんですけど、それを超えたところで、精神的なつながりでつながる家族を目指しています。そういった心でつながってる家族が、今は50人なんですけど、100人、何千人って増えてくることで、世界が家族になっていく。そして、みんなが家族のことを自分ごととして想い合えば世界が平和になっていくっていう構想です。

宇都宮:兄弟げんかとか起きるんですか?

岩濱:そこは家族の中でも合う合わないって絶対出てきますし、親戚同士でちょっと疎遠な親戚がいたりとかそういうのも含めて許し合えるみたいな。

三木:新しいニューエイジのヒッピーですね。デジタルヒッピー。Zen2.0の関係はそれに段々と近くなってきてるかなという感じがします。

宇都宮:Zen2.0ファミリー。

岩濱:鎌倉はあえて「つながりましょう」ではなくて、自然につながって自然に心地いい空間ができていって関係性ができていって、しかも強制するんじゃなくて、どういう状態でも認め合えるみたいな、すごく良い関係性の場所だなって思っています。

三木:何が違うのかというと、たぶん精神的なゆとりが違うかな。東京は稼がなきゃ戦わなきゃみたいな、常に相手がいて競争する比べる文化が東京だとすると、鎌倉は別に「あ、それならそれで」みたいな、「じゃあ一緒にやりましょう。何かコラボしましょう」とか。

岩濱:コラボとか融合していく流れがすごく強い感じはあります。たぶん大企業もあまりないですし、個人だと自分のできることって限界があるので、人と一緒に共存共創しながら共に作るっていうやり方が自然とそういう流れになっていくのもあると思いますし、あとは規模感が鎌倉ってちょうどいいなと思うので、何となく知ってるっていう安心感みたいなものが鎌倉にはあるなと思いました。


●Think Spaceとイノベーションについて

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 三木:こちらのThink Spaceをどういう考えで運営していて、どういう世界観を生み出してるのかという話を伺えればと思います。

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岩濱:コンセプトは自己の深化、自分を深めるということと、心を解放する、オープンになった上で真の対話をすることで、イノベーションとか社会関係資本を、利他的なちょっと次元の高いところで作っていきたいということを目的としています。

宇都宮:トゥルー・イノベーションじゃないですか。

岩濱:まさにそうなんです。似てるなと思っています。

宇都宮:それをコンセプトにしたってことは、何か課題があるなと思って訴えかけてる感じなんですか?

岩濱:働く空間を考えた時に、日本にあるコワーキングスペースの中で、コミュニケーションを活発化するとか、人とつながるっていう場所は多いんですけど、自分を深める場所がないなと思って。私自身はひとりの時間もすごく大事で、つながりがあるからこそ豊かな孤独があるなと思っているので、その孤独の時間をいかに豊かにできるかっていうような場所を作りたいなと思ったのがきっかけです。

三木:孤独はこのマインドフルネスのところ?リッチなロンリーね。

宇都宮:孤独っていう言葉の持ってる概念とちょっと違うじゃないですか。

岩濱:本当に寂しい孤独というよりかは、自分自身と向き合うことで自分をもっともっと知って、潜在意識とかそういった自分のできてる無意識のところの気づきを得ることによって、新しい発想だったり今の社会に囚われないような、本当に必要なものが何だったかっていう本質を見ることができたり、そういう不安とか社会性から生まれてくるような恐れとかを手放した上で、物事を考えられるなと思っているので、そのための瞑想を行うマインドフルな時間をすごく大事にしています。

宇都宮:それは何か実感があるんですか?

岩濱:そうですね。今まで会社勤めてた時に、不安定だった状態が瞑想をやることで落ち着くようになったり、実体験として瞑想がすごく私の良い状態を形作ってるなと思っています。

宇都宮:それは何か気づくんですか?良い状態だなとか悪かったなっていう…

岩濱:例えば誰かからものすごい嫌なことを言われて落ち込んでる時とか、ものすごく不安になってしまってる時とかに、瞑想をすることでそういうマイナスの要素も自分にとって必要だなと思えたり、自分が思ってるだけで相手はもしかしたら違う想いだったかもしれないと、客観視ができるようになってるっていうのに気づいたので。元々人の目を気にする思考癖があるタイプだったんですが、瞑想をして客観視できるようになってくると、人の目を気にしなくなったり、何とかなるっていうすごいポジティブな思考になったりっていう、自分自身の変化も感じていました。

宇都宮:おもしろいですね。そこからイノベーションがつながるイメージがあったっていうことですか?

三木:ピカーン!!これ(著書『トゥルー・イノベーション』)ですね?このスライドってこれが出る前に作ってたんですか?

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岩濱:そうなんです。結構前に作ってたんです。

三木:すごいね。シンクロしてますね。

岩濱:すごいシンクロしてるなって思います。

宇都宮:僕らが言ってるイノベーションのやり方としても、外の新しい情報に振り回されるんじゃなくて、自分の中に本当にあるものにアクセスして、それを実現化するほうがいいんじゃないですかっていう提案なんですよ。そこがすごいシンクロしてるなと思って。

三木:“心が満たされた状態×思考する”。

岩濱:ビジネスを生み出す上では思考っていう要素も必要かなと思っていて、思考する時に頭だけで考えるのではなくて、心で物事を考える状態を生み出せるようになると、単純に論理的にこれが正しいからとか、過去の事例からこれが良いからっていうんじゃなくて、自分の直感、感性だったり冷静に客観的に観察したものから、物事を判断できるようになると思っているので、この場所で瞑想の時間を取り入れたり瞑想をしたような状態になって、みんなが心を開きながらビジネスをしていくことで、形作られてないような新たなモノを生み出していく。

宇都宮:僕らも対話って重視していて、それも対話っていう言葉が受けるイメージと違う対話をしてると僕らは思ってて、それを禅的対話って言ってるんですけど、議論じゃなくて対話っていう、2人の中にないものが出現するようなイメージで、イノベーションに使えるんじゃないかって。サラさん的に対話はそういうイメージに近い対話ですか?

岩濱:心が開いた状態で対話するっていうことは、あまり形式に捉われずに自分が本当にワクワクすることを話をしていくことによって、自分では気づかなかったことに気づけたり、全てをまず受け入れて肯定した上で、何を作り出せるかっていう建設的な対話が生まれてくるんじゃないかなと思っているので、どういう心理状態で対話をするかっていうのがすごく大切だなと思っています。

三木:この話を一昨日、だいたい2,000人くらいの社員の社長さんが2、30人集まる場で話をしたんです。全く理解されないと思ってたらすごい理解されて。経営者レベルはもう分かってきてるというか、議論じゃなくてもう対話の時代に入ってるっていうのを、後から言ってくる方が多くて。ただ社員の手前上、いきなり対話とか瞑想とか言えないから、裏でこそこそヨガとか瞑想とかやって、でもそろそろそれをカミングアウトしてもいい時代になってきたのかなっていう。

岩濱:確かに。経営者の方がそういうのをやってる方も多いですよね。

三木:イノベーションが行き着いたところでもうその先が見えない業界では、今までのやり方では無理だってみんな気がついてて、そのためのヒントを一生懸命探そうとしててそこに響いたみたいなんです。

岩濱:今もう顕在化されている社会のニーズとか事例があることはたぶん限界があって。

宇都宮:課題もありとあらゆる課題がもう明確になっているわけですからね。

岩濱:そうですよね。そうではなくて潜在的にあるニーズとかむしろやりたい想い、アイデア、これはまさにトゥルー・イノベーションですよね(笑)。漠然とあるものをつなげていくっていう作業は必要かなと思っているので、そのつなげるにあたって、マインドフルに思考することでそこをつなげるような発想力とか創造力っていうのを、感性を刺激して直感的に気づいていくことが、新しい価値観とか見えなかったものを可視化するっていうプロセスになって、イノベーションにつながっていくんじゃないかなと思います。

宇都宮:そのための場としてここ(Think Space)に来ればいいわけですよね?

岩濱:そうなんです。

宇都宮:そうすると色々なプログラムを用意していただけたりするし、僕達も協力しますので。


●心地よい空間設計

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三木:ここ(Think Space)だけじゃなくてサラさん自身が色んな他の場所をプロデュースするっていうのもあると思います。

宇都宮:会社の中でそういうのを作りたいっていうニーズもあったりするんですか?

岩濱:はい。やりたいなと思っているのはこの場としてはこういった香りだったり明るさ、音、自然そういった要素で、心地よい空間、瞑想状態になれる空間を作り出しているものの、これを都心のオフィスの中に作ることができたら多少環境は違えど、もっともっと働くことも豊かになっていくし、リラックスしながら働けるっていう状態を作り出せるので、こういった空間設計をこれからやっていきたいなとは思っています。たぶんアイデアを生み出すのに、堅苦しい会議室でやるっていうのは限界があって、リラックス状態が一番アイデアが出てくるので、その空間を作り出せたらもっともっとおもしろい意見をみんなで言い合って、楽しく仕事をしていこうっていう文化とか空気感を作り出せるんじゃないかなって思っていて、その空間作りをしていきたいです。

宇都宮:ファシリテーターみたいな存在も必要だったりするんですか?

岩濱:会議をする中ではファシリテーター役の人が必要な時もあるとは思うんですが、むしろそれすらもなく、自由な対話から生み出すこともいいのかなと思っていて。その囲炉裏がまさにそのプロセスを体現してくれるものなんじゃないかなと思っていて。囲炉裏を囲む時はファシリテーターの人とかも特にいないで、みんなで膝を寄せ合って火を見ることでリラックスして、火の暖かさとかが脳の働きも活性化して、その上でみんなで集中しながらゆったりと心を開きながら話をするっていう。囲炉裏で例えば干物を焼いたりお酒を飲みながらゆったりした中で、新しい何かおもしろいことを生み出してこうっていう、囲炉裏があるだけで自然とできてしまうっていうのがいいなと思っていたので、囲炉裏みたいな場所をオフィスの中にも作れたら自然と人が集まって、そこで自然と会話が生まれて、気づいたら何かおもしろいビジネスができちゃったっていう。

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ThinkSpace内にある囲炉裏

作り出そうというよりかは、自然の流れで気づいたらできちゃってたっていう流れを作り出していきたいなと思っています。

三木:いいですね。

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宇都宮:それはサラさん的には自然とアイデアが出てきた感じなんですか?やってる中でピックアップしてこういう風になってきたっていう感じ?

岩濱:最初ここをオープンした時は、どちらかと言うと1人になりながらただちょこっとつながってっていうような考えだったんですけど、結構オフサイトミーティングとかで、4、5人で集まってここで打ち合わせするっていう機会がすごく多くて、実際に来た方の話を聞くと、会議室ではなかったようなゆったりと話ができてものすごい充実してたって。

三木:絶対そうだって。カッチカチの会議室でやるより全然良い。

岩濱:姿勢も大事だなと思っていて。集中する時は椅子に座るっていう姿勢が大事なんですけど、やっぱりリラックスする時は、ちょっとゆったりソファーとかこういう半分寝ているような状態っていうのがいいのかなと。

宇都宮:畳とかいいですよね。日本人的には畳に座ると勝手にくつろいじゃうじゃないですか。香りもいいですし。

岩濱:そうなんですよね。日本が元々持ってる住宅っていうのは、本当に色んな良い仕掛けがあるなって。

宇都宮:これも和紙ですもんね?照明が。

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岩濱:そうですね。照明も和紙ですし、壁も珪藻土とか漆喰なので空気をきれいにしてくれる。

宇都宮:日本古来のものが実は良いのかもしれないですよね。

岩濱:仏教もそうですし和の心というか、調和のとれた心っていうのが元々持ってたと思うんですけど、それが西洋の調和ではなくて、破壊とかそっちに目がいってしまっていたのが今の資本主義の社会なのかなっていう気も。


●Think Spaceの新たなプロジェクトについて

岩濱:今これから健康経営の会社を立ち上げてプロジェクトを始めようとしているんです。プログラムとしてはここではリトリートとかマインドフルネスがらみの心の健康を…

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三木:入っています。あとイノベーションも出ています。ぜひご発注ください。これ(アーユルヴェーダ)うちの妻がやってるんです。

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岩濱:じゃあぜひここで。心の健康と身体の健康というところで食とか運動とか、森林セラピーはどちらかと言うと心と身体の両方に関わってきますが、森林の中での森林医学医…

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宇都宮:そういう人がいらっしゃるんですか?

岩濱:そうなんです。日本にまだまだ少ないんですけど、森林に入ることによって身体にどういう良い影響があるかっていうのを研究しながら施術をしていて、免疫が高まったり癌の数値も良くなったり実際に身体の中の造りが森に入ることで変わってくるので、そういったメンタルヘルスに関するような…

三木:これはこの間いらした方?佐野さん。

岩濱:その方とか、あとヨガ、森林カウンセラーやってる方、ランニングコーチの方とか。あとグラフィックデザイナーの方は、障がいを持った方のアートを展示することで、そこからの気づきを得ていくというような取り組みをされている方で、オフィスの中にそういった絵を展示してみんなでその絵を見ながら対話をしていこう、というおもしろい取り組みもしている方など。その他にも女性のためのカウンセラーの方、管理栄養士の方、環境アドバイザーの方とか、色んな方々をつなぎながらその企業にとって一番適した健康になるプログラムを提供していくサービスを考えています。

三木:いつからスタートですか?

岩濱:今ちょうどこのプログラムなどを作っているところなので、たぶん秋ぐらいにはどこかの企業さんで、まずはテストケースで導入できたらいいなというところで進めています。

三木:ぜひマインドフルユニバーシティとも連携をお願いします。

岩濱:はい、ぜひぜひ。

三木:このプログラムも向こうでやったりとか逆にスティーブン先生の家でやったりとか、お互いに協力してとか。

岩濱:いいですよね。場所を移動することの良さっていうのがすごくあるので、定期的に鎌倉にリトリートに来てもらうプログラムを入れていったりとか、あともちろんオフィスの中でやるっていうのもありますし。特に色んな人のつながりがあるっていうのが一番の特徴でもあるので、本当に色んな方をつなぎながらそこで生まれるものを、企業にとって良いものだったり色んな企業さんをつなぎながら育んで、結果的に幸せにつながっていったらいいなっていうような想いで進めています。

三木:いいですね。僕らのプログラムもぜひ一緒に。健康になったらその先にイノベーションがありますので、そこは僕らが担当で。

宇都宮:イノベーション創出。

岩濱:健康になって、そうすると従業員の満足度も上がって、それが顧客の満足度にもなってっていうこの一連の流れ、その中にイノベーションや幸せな生活があるなと思っています。


●トゥルー・イノベーションについてのご意見

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三木:トゥルー・イノベーションに関してどう思いましたか?

岩濱:トゥルー・イノベーションに関しては、まさにシンクロだなっていうその一言に尽きるなとは思ってます。ここら辺の本を読んでいくにつれて思考するっていうこととか対話をするっていうこととか、あとはこの論理的思考だと限界があって、それに瞑想とかそういった要素を入れていくことによって…

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三木:いいですね。ブルーオーシャン。

岩濱:ブルーオーシャン、ストーリーテリングっていうところも、世界観・ストーリーへの共感っていうところで同じだって思ったりとか。

三木:たぶん意識がつながってるので同じ情報がおりてきてるだけであって、どっちが先とかじゃないっていうことだと思うんですけど。

岩濱:そうかもしれない。

宇都宮:同時多発的に起きてる。

三木:みんなもう分かってるんです。この価値が変わるっていうことはね。

岩濱:それをうまく文章で可視化してらっしゃるっていうのと、それをzenschoolっていう1つのメソッド化しているところは本当にすごいなって思っています。

三木:ありがとうございます。

宇都宮:先日も出版イベントに来ていただいて。どうでした?

岩濱:イベントはポリゴン阿修羅のお話がおもしろいなって。

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三木:普通の町工場のおじさんがね。

岩濱:本当にもう好きなんだなっていうのが伝わってきて、その好きであれだけのモノを作るっていうパワーがすごいなって思いました。

宇都宮:満足いかないんですって。作れば作るほど満足いかなくなって深まるんですよ。深化ってきりがないっていうか。

岩濱:確かに。本当に自分の好きなモノとかやっていく中で実際に手を動かすとまたそこに先に見えてきて、手を動かすことってすごい大事だなって思いました。

宇都宮:身体使うときりがないですよね。できると次が見えるじゃないですか。

岩濱:そうですよね。頭だけで考えると限界があるけど。


●サラさんの考える「日本の○○の未来」に対する想いについて

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三木:サラさんが考える「○○の未来」。○○は自分で設定していただいて。

岩濱:私が考える、幸せな地域資本的社会というところで、マイルドフルな状態と心を開いた対話によって新たなアイデアとか新たな価値が生み出されるっていうものに加えて、地域のコミュニティとか土地に根ざしたものが、どれだけ豊かになっていくのかなっていうのもすごく大事だと思っているので、その地域資本とかで新たな関わり合いっていうのが、生み出されていくんじゃないかなと考えています。

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宇都宮:地域っていうのは鎌倉とかっていうこと?サラさんがいるところ?

岩濱:鎌倉とかそういうある程度の規模のある…

宇都宮:集団とか住む人がいるような場所っていうこと?

岩濱:はい。コミュニティの大きさは大なり小なりあっていいと思うんですが、そういったコミュニティの中で、人が見えるっていう安心感の中で、思いやりを持ちながらコンパションを持ちながら暮らしていくっていうことが、所有を手放して、みんなで共有をしてみんなで豊かになっていく。そういった助け合いながら、思い合いながら幸せになれるような社会っていうのを築いていきたいなって思います。そういった人とのつながりの中での安心感っていうのは、幸せに直結してると思うので、そういったものが自分の中に育まれていったらいいなと思っています。

三木:鎌倉はそれぞれの要素は段々ともうできてきているので、あとはそれをどうやって有機的につないでいくか。まだイノベーションはないんですけども、それ以外、マインドフルネス、リレーションシップ、ロケーション、ライフスタイルもほとんどできてきてるのでそれをどうつないでいくかっていうことですね。

岩濱:みんなが消費者でいるんじゃなくて、生産者になることによって、段々自分の作ったものを交換し合える流れもできてきますし、作ることによって幸せというか、自然との触れ合いだったり、製作行為によってどんどん深まったりとか、そういったことも全てトータルで考えて。

三木:ありがとうございます。僕らの描く未来感にもすごい近い。僕らがイノベーション担当です。本日はThink Spaceの岩濱サラさんにご出演いただきました。どうもありがとうございます。

岩濱:ありがとうございました。

(Think Space内の見学)

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対談動画


岩濱サラさんfacebook

:⇒https://www.facebook.com/sarah.iwahama


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