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「不登校の話」シリーズ

23
全23回。不登校の話と銘打ってはいますが、大半は私の半生を追ったものとなっています。
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2018年8月の記事一覧

流れ

<前回の話>

ごく短期間でアルバイトを転々とするなか、ようやく落ち着いたのは、家の近所にあった某大手運送会社でした。

家で使っていた家族兼用パソコンが、ある日壊れてしまい、インターネットを断たれた私としては、一刻も早く自前のパソコンが必要でした。生きるのに欠かせないパソコンが壊れてしまったにも関わらず、じゃあ新しいのを買おうか、みたいな流れが「無」だったのです。

困った私は、すがるような思い

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男の世界

<前回の話>

配達の仕事になったところ、朝5時半起きになりました。

急激に昼夜が入れ替わり、日々の運動量も激増したため、体がビックリして扁桃腺を腫らし、数日間寝込んだことがあります。回復後は、すっかり環境に適応できて、思いのほか順調にやっていけました。

寒い間は、私服の上に制服の上着だけ羽織った状態で配達していましたが、暖かくなってくると、さすがに夏物の制服を着る必要があると思い、一式を着る

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外部へ向かうほど内部と向かい合う

<前回の話>

バイトとはいえ仕事が安定し始めた頃、定期収入があることで、私の生活にはいくつかの文明が生まれていきました。

ある時、数日間のお休みをもらって、関西方面へ旅行に出かけました。当時、私の親戚・知り合いには西側の人間が一切いないばかりか、そもそも新幹線で言えば米原より西に行ったことがなく、関西方面自体が完全に初体験でした。私は20歳頃だったでしょうか。

新宿発、4列シートの夜行バスで

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Now is the time

<前回の話>

イギリスのバンドKasabianのCDを買ったところ、タワーレコード新宿店の屋上で開催されるという「インストアライブ」のチケットをもらいました。

「ライブって、一体どういう感じなんだろう?」

軽い気持ちで行った私を待ち受けていたのは、圧倒的な体験でした。

この日演奏したのは、たったの4曲。しかし、私の人生に与えた影響は計り知れません。すぐにKasabianは世界的な人気バンド

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鼻歌交じりに未舗装路を歩く

<前回の話>

POLYSICSとの蜜月を大いに堪能してきた私は、気付けばもう30歳が見え始めていました。

とはいえ「音楽にどっぷり浸かりながらも、将来のこととか、多少は考えたりしているんでしょう?」と我ながら問いかけたくなりますが、な〜んにも、考えていません。当時の私に「キャリアプラン」なんて言葉を与えても「何それ?新しいバンドの名前??」という返事になるでしょう。

ただ、いろんなことにも飽

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昔は引きこもってたよ

<前回の話>

今回で23回目となる「不登校の話」です。10回くらいで終わるだろうと思って始めましたが、筆の走りとともに増え続け、とうとう想定の2倍を超えてきました。

私の半生を、わりと包み隠さずに書いてきたので、果たして近々の事柄についてはどこまで書くべきか?切り上げ時はどのあたりか?などと考えながら、気付いたら現在地までたどり着いてしまった、というのが正直なところです。

まずは、ざっくりと

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