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牛肉と豚肉、どっちがおいしい?!お肉のプロ同士が徹底討論してみた。

「こしあんvsつぶあん」「●けのこの里vs●のこの山」に次ぐ、食べ物どっちが好き論争…
それが、「牛肉vs豚肉」。

その論争に終止符をうつべく、全農グループの「牛肉のプロ」と「豚肉のプロ」が徹底討論しました。さあ、勝つのはどっち?!

登場人物

植田貴至(牛肉のプロ)🐂
JA全農ミートフーズで牛肉の販売に携わる。牛肉営業一筋10年。実家は大阪府で精肉店を営む。好きな食べ物は「牛すね肉の焼肉」。

及川真也(豚肉のプロ)🐖
JA全農ミートフーズで豚肉の販売に携わる。入社後4年間は牛肉を担当していたが、その後6年は豚肉の担当に。実家は宮城県で精肉店を営む。好きな食べ物は「ガツ刺し」。
※ガツ刺しは、豚の胃(ガツ)をゆでて、タレや薬味で和えたお料理です。

そして、二人の討論の勝敗を判定するのが…

山田達哉
JA全農ミートフーズの常務(偉い人)。同社の加工品部門を統括している。社歴37年。好きな食べ物は、焼き魚と納豆。お肉料理ももちろん好き。

この3人に、JA全農ミートフーズの焼肉店「焼肉本舗 ぴゅあ 品川店」に集まってもらいました。

それでは早速、討論開始っ!(カーン!!)

まずは自己紹介

― まずは自己紹介を兼ねてお仕事の内容を教えていただけますか。

植田(牛肉のプロ)🐂牛肉を仕入れて、量販店などに販売する営業をしています。年間でおよそ10,000頭分の牛肉を取り扱っています。

及川(豚肉のプロ)🐖豚肉の部分肉を仕入れて、スーパーなどに販売する営業です。月間、500トンを取り扱っています。500トンといってもピンとこないと思うのですが…トンカツ一人前が豚肉200gだとすると250万人前相当の量ですね。

植田🐂量を言われちゃうと、豚肉には敵わない…。でも金額だと、牛肉は負けていません。1頭が大体100〜130万円なので、豚肉よりは大きな金額ですね。

牛肉と豚肉、それぞれの魅力

― お二人はかなりの量を取り扱っている、お肉のプロということがわかりました!では早速ですが、それぞれのお肉の魅力を教えてください。牛肉をご担当の植田さんからお願いします。

植田🐂和牛は日本を代表するお肉で、味が別格にうまいし、見た目も派手。ハレの日に食べられて、気分も楽しくなるし、みんなも集まる。和牛には、そういういいところがたくさんあります。牛肉は値段的にも高いと思われがちですけど、交雑種※1や乳用種※2のお肉なら和牛に比べて安価で、味もおいしい。
※1 交雑種:和牛と乳用種(ホルスタイン)を掛け合わせた牛。
※2 乳用種:牛乳生産に特化した牛。主にホルスタイン。

どや顔の植田さん

― 牛肉の魅力、めちゃめちゃ出てきますね。

植田🐂まだまだありますよ。

たくさん話す植田さんに対し、驚く及川さん

及川🐖牛肉の方は、アピールポイントがどんどん出るんすよ。この後、ぼくが豚肉の魅力を話す番だと思いますけど、豚肉の話は早く終わりますからね?!?!

― 笑。では、豚肉担当の及川さんのターンにいきましょうか。

及川🐖豚肉は牛肉と正反対。派手さはないけど、毎日でも食べられて、味も飽きが来ない味ですね。それから食べ方の工夫もいろいろありますし、厚さのバリエーションも。極薄もあるし、むちゃくちゃ厚いのもある。牛肉よりはリーズナブルなので、がっつり食べたいときもそこそこの値段で楽しめる。
それから、部位によって食感が違って、料理にあわせて使うとそれぞれの良さがある。派手さはないですけど中身がしっかりしている。そういった点でおすすめかな、と思いますね。

植田🐂なんだよ、結局めちゃくちゃしゃべってる!(笑)

山田(判定):二人の話をまとめると、牛肉は素材の味を楽しむっていう感じがあるね。豚肉はアレンジして料理にしたときにすごくおいしくなる。それぞれの良さが伝わってきたね。

二人の討論を真剣に聞く山田常務

プロだから知る、とっておきの食べ方

―お二人のとっておきの食べ方はありますか?

植田🐂和牛のスネ肉は、みなさん煮込んでカレーとかシチューにするんですけど、ぼくは真ん中のいいところを薄切りにして焼肉で食べる。めちゃくちゃうまい。精肉店で、「薄くスライスして」と頼むと、きっと対応してもらえます。

和牛スネ肉の良さを熱く語る植田さん

― それ、お肉屋さんで頼んだら「こいつ…通だな?」と思われそうですね。及川さんはどうでしょう。

及川🐖生姜焼きはロースで作ります?ぼくはこま肉を生姜焼きにするのが、すんごいおすすめです。すんごい食感がよくなるんですよ。一押しです。

おすすめの食べ方を楽しそうに話す及川さん

植田🐂食感の話だと、牛肉の赤身を焼くときは焼き過ぎず色が変わったくらいで火を止める。「赤身肉=硬い」っていうイメージがある人は、たぶん焼き過ぎていると思う。焼き過ぎると赤身の肉はどうしても硬くなっちゃう。ほどよく色が変わるくらいですね。僕の好みは、ですけど。

及川🐖お肉を柔らかく楽しむ観点だと、豚肉のヒレの調理法でおすすめがあります。ヒレ肉はトンカツにする人が多いんですけど、実は細切りにして野菜炒めにするとすごく柔らかいんです。お店ではブロックで売っていますが、思い切って細切りにしてみてほしいですね。

及川さんの話を聞きながら次の一手を考える植田さん

植田🐂違う調理法として、牛肉で鍋ものといえば、すき焼き。これ実は、切り落とし肉で作ってもおいしい。ロースや肩ロースのようなパックの中できれいに並んだお肉じゃなくても、十分いけるんですよね。

及川🐖みんな頭の中でこの料理にはこの部位、って決めちゃっているだけだと思う。けど、いつもと違うアレンジを加えてみたりすると、それはそれで違ったおいしさと面白さがあるかなと感じていますね。

植田🐂最近、「いい肉=やわらかい」、「硬い肉=安い、悪い」という認識が広まっているけど、そんなことは無い。それぞれの良さがあると思う。

及川🐖それは本当にそうね。

山田(判定):牛肉のすき焼きはごちそうだけど、鍋ものでいったら、豚のキムチ鍋とかもかなり人気だね。

突如、豚肉の味方をする山田常務

及川🐂そうですね。牛肉ではお肉が主張しすぎてしまう。豚肉は地味だけど、協調性がある。野菜がおいしく食べられて、料理がおいしくなる。

植田🐖そこは牛肉も協調性あるからね?!(笑)

牛肉の協調性を超主張する植田さん

カレーなら?

―ずばり、カレーならどっちのお肉がおいしいですか?

及川🐖ちょうどいいことに、牛肉担当の植田さんは関西出身、ぼくは東北なんですよ。植田さんは肉じゃがも絶対に牛肉でしょ?ぼくはカレーも肉じゃがも豚肉。

植田🐂おれ、豚肉のカレーも肉じゃがも、信じられへんもん。カレー=牛肉。肉じゃが=牛肉。

山田(判定):2人は牛肉のカレーも、豚肉のカレーも食べたことあると思うけど、正直なところどっちがおいしい?

急に核心に迫る山田常務

植田🐂もちろん牛肉っす。

山田(判定):いや、及川さんも牛肉って言うかなーと思って。(笑)

及川🐖むむ…それはいいづらいですけどね。味の出はやっぱりね、牛肉かもしれないけど…

なんとか切り替えそうと必死の及川さん

及川🐖結局はそのカレー次第ですよ。

植田🐂その回答はずるいずるい!!(笑)

及川🐖豚肉の場合は、ルー重視で食べるんで。牛肉はほらまた、個性出してきすぎるんで。

植田🐂いやいやいや。牛は牛でまたいい味がでるから。

及川🐖牛肉は牛肉の味が先行してくるけど、豚肉は邪魔しないのよ。

最後に、お仕事のエピソード

―最後に、お仕事での頑張ったエピソードを教えてください。内容次第では山田常務から加点があるとのことです…!

植田🐂それまではブランド牛とかにこだわりもなく国産牛で売っていたお店に対し、自分がおすすめの生産者さんを紹介したら、牛肉に生産者さんの名前を出して売り出してくれたことですね。その上、生産者さんにも売り場に来てもらって、消費者の方と話すような機会も作れました。そのときは生産者もお客さんも、お互いに熱心に話を聞いていて、生産と消費をつないだ、とてもいい経験でした。

素敵な表情で語ってくれた植田さん

及川🐖埼玉県の黒豚で、「彩の国黒豚」というブランドがあるんですが、飼育する農家さんが2軒だけなんです。その彩の国黒豚を知ってもらうために、去年から熊谷農業高校で授業の一環として、彩の国黒豚を育てる取り組みをしました。育てるだけじゃなくて、黒豚を生産した高校生自身がお店に立ってお客さんに売り込んだんですね。そしたら、1日で黒豚2頭分のお肉がそのお店で完売しました。この高校生が、将来は畜産農家になってくれるかもしれない。そういう希望を持ちながら仕事ができた経験でしたね。

うれしそうに話してくれた及川さん

―単にお肉を売るだけではなく、生産から消費までをつなぐお仕事なのですね。何気なく買っている牛肉や豚肉ですが、裏にはそういったお二人のがんばり、そしてJA全農ミートフーズのみなさんのがんばりがあることがわかりました。素敵なお話をありがとうございます…!

―さて山田常務。そろそろ判定に移りたいと思います。 どちらの札を上げるか、心は決まっていますか?

山田(判定):素材の味を楽しむ牛肉、料理をおいしくする豚肉。そして二人の仕事の頑張り…とても迷いましたが、決めました。

―では山田常務、勝者の札をあげてください!!




ででんっ!

どっちも勝ちー!


山田(判定):そりゃね、決められないね。牛肉も豚肉も、それぞれの良さがある。そして部位ごとに楽しみ方がある。二人にはこれからも生産と消費をつなぐ大切な仕事に、自信を持って取り組んでほしいですね。そんな思いで、両方勝ちだね!

―なんと〜!!「牛肉vs豚肉」論争の決着はつかず…。それぞれの良さを深く知ることができる討論でした。植田さん、及川さん、牛肉と豚肉の両方が勝ちということですが、感想はいかがですか?

植田🐂普段、在庫をどうしようみたいな会話がほとんどで、お肉の良さをこんなに話すなんて初めての経験。これからも仕事をがんばっていこうと思いました。でも、カレーは絶対牛肉がおいしいから!

及川🐖在庫云々の話は、ぼくも同じですね…。今日は、豚肉の魅力を語れてとても楽しく、業務に励んでいこうと感じました。でもカレーと肉じゃがは豚肉だね!!

健闘をたたえあうお二人。お疲れさまでした!

というわけで、お疲れさまの焼き肉です。

一仕事終えた後の焼肉はなんでこんなにおいしいのでしょう

素材の味をがつんと楽しめる牛肉、他の食材と協調して料理がおいしくなる豚肉。討論をきいていて、どちらもより好きになってしまいました。みなさんもぜひ、牛肉も豚肉も、いろんな部位をさまざまな食べ方で楽しんでくださいね。

<討論&お疲れさま会の会場となったお店>

焼肉本舗 ぴゅあ

JA全農ミートフーズ直営の焼肉店です。国産にこだわっています。「この味でこの値段!?」とよく驚かれます。東京都と神奈川に5店あり、今回は品川店で撮影しました。焼肉を食べたくなったらぜひ「ぴゅあ」にいらしてください!


<出演した3人が仕事をしている会社>

JA全農ミートフーズ株式会社

牛肉と豚肉の集荷・販売、食肉加工品の製造販売をしている会社です。上述の焼肉店も運営しています。食肉の販売を通じて消費者と国内畜産農家の懸け橋となり、畜産農家の経営の維持・発展に貢献しながら、消費者に、「安全・安心」で「価値ある豊かな食」を提供しています。


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