不景気でも強い!2020年版メキシコの有力な企業ランキング(20位まで紹介)
メキシコでも有力で信頼のおける経済メディアEXPANSIONでこんな記事を見つけました。
「2020年版 メキシコで最も有力な企業500選」
メキシコはコロナウイルスの影響を最も受けている国の一つであり、国民に対し特に補償もないので、コロナウイルスにより解雇されな人数は8月13日時点で120万人にも上っています。
メキシコの雇用状況が悪化している中、成長を続けている企業もあります。上記の記事ではどの企業が業績を伸ばし、企業価値を高めたのか、記事の翻訳要約文をここに書いていければと。
2019年からの傾向
2018年よりAMLO政権が誕生し、省庁内の改革や、北米自由貿易協定の再交渉を行ったにも関わらず、メキシコマクロ経済は下落の一途を辿っています。この結果は、2019年末の数字を含めたExpansion(この記事の大元メディア)のリサーチに反映されており、リサーチによると損失を計上した企業が増え、2桁増を達成した企業数は減少しています。
昨年は141社が減収、2018年の77社、2017年の53社から減収した企業数は増加。INEGI(国立統計地理情報院)によると、GDPは2018年は年率2%の成長、2019年のGDPは0.3%縮小。この傾向はコロナ以前に見られており、コロナウイスるの影響でこの傾向が加速するに至っています。
そのため2020年のGDP成長率は非常に厳しいもので、JPモルガンの予測だと-10.5%、しかしムーディーズ、BBVAは-7%と緩い。こんな最中、多くの企業は「ニューノーマル」と共存していかなくてはならず、経済をただ立て直すだけでなく、コロナウイルスによる衛生措置をクリアしていかなければなりません。しかし、雇用の喪失が大きく、さらに娯楽施設の閉鎖など厳しい措置を講じたため、短期的に挽回させるには厳しいとBarclaysのラテンアメリカ担当のチーフエコノミストのマルコ・オビエド氏は述べました。
明るい兆しは見えるのか、メキシコ
全てがマイナス方向ではなく、Expansionとして、メキシコの大きな功績の一つは米国・メキシコ・カナダ協定TEMECの合意にあると述べています。専門家によると、7月に発効した新協定は、国内外の投資を呼び込み、景気回復を後押しする。そのためには、国や地域を重視したメキシコ国内の産業政策を見直していく必要があると示唆されています。
IDIC(メキシコ経済産業開発コンサルティング)理事長曰く、「今日では、中間投入物や資本財の国内生産が不足しているため、東アジア依存が生じ、メキシコの対米貿易黒字の見かけ上の利益が減少している。結局 アジアの製造会社に 利益を転嫁することになってしまっている」と述べられています。
メキシコ政府のもう一つの大きな経済的課題として、投資の確実性を高めることです。しかし、これは、テクスココ新空港のキャンセル、パイプライン契約の見直し、メヒカリのコンステレーション・ブランズ社のビール工場の建設中止などによって、投資の確実性が損なわれています。
メキシコ経済には民間投資の面でマイナスの兆しが見られていました。国内活動は、政府支出の鈍化や投資水準の低下などにより、パンデミック以前より消費がは鈍化していたが、さらに脆弱性をより増しています。
上記の通り、2桁台に成長できた企業は2019年は前年の236社に対し、145社にと留まっています。業種としては、金融サービス(37社)、保険・債券(18社)、自動車部品(10社)、物流・運輸(7社)などが挙げられます。
参照)Expansionより 企業のバリエーションの増加率
どんなセクターが成長しているのか?
売上高が最も増加したのは、化学・石油化学、自動車組立工場、鉄鋼・冶金などの企業。2桁成長を超えるセクターは、金融、保険・債券、自動車部品、物流、運輸などに集中しています。一方では情報技術と電子商取引も順調に推移しており、今後はこれらのセクターが成長の鍵を握っているとのこと。経済コンサルティング会社によると、2020年末までにメキシコの電子商取引は60%成長し、このセクターが2018年から2019年の間に達成した2倍になると予測されています。
以下、1位から20位までのランキングです。
見方 順位:企業名(セクター又は企業日本語訳) 対18年度比(%)
1位:PEMEX(国営石油企業) -16.6%
2位:American Movil (通信)-3.0%
3位:ウォルマート(小売) 4.9%
4位:CFE(電力)5.1%
5位:FEMSA(ホールディング)7.9%
6位:GMメキシコ(自動車) 5.5%
7位:FCAメキシコ(自動車) -5.5%
8位:Alfa(ホールディング)-7.8%
9位:日産メキシコ(自動車)−9.2%
10位:BBVA(金融) 8.8%
11位:Bimbo(製パン) 0.9%
12位:Cemex(セメント) -8.7%
13位:Volkswagen メキシコ(自動車)5.4%
14位:Banamex(金融)18.7%
15位:Grupo BAL(ホールディング)6.0%
16位:Banorte(金融)9.8%
17位:Grupo Mexico(ホールディング) 1.9%
18位:コカコーラ FEMSAグループ(飲料) 6.7%
19位:Grupo Coppel(小売) 12.8%
20位:FEMSA Comercio OXXO(コンビニ)10.4%
と言う感じになっております。
ちなみにBimboについては以前の記事にも書きました。
・メキシコ発のパン屋さんBimbo(ビンボー) 創業者が語る成功の13の秘訣
・Bimboから学ぶこと
傾向としては自動車産業は大幅な売上減、生産減にもかかわらず、不動の地位を築いています。上記でも書いているように金融セクターは大きくプラスに動いています。企業の貸付等の影響なのでしょうか。ウォルマートやBimbo、Oxxoの小売は大きな成長を見せていて、20年度はコロナウイルスの影響もあるので、さらなる伸びは期待できそうです。
まとめ
メキシコ経済についてのまとめは専門家でもないので、割愛します。(上記の記事翻訳をご覧ください)
素人の推測ですが、国内投資が減少傾向、国際合意で投資を呼び込みたいとの意向があったので、外資を誘致し、雇用は創出できるものの、国産企業の優位性はどんどん偏りが見られていくんだろうなと思います。
ただ、外資の誘致は時間がかかるものと考え、直近で見ると大幅な解雇と投資額の減少から、全体的に消費は減っていくんだろうなと。
一方でコロナの影響で伸びている小売があるので、一定の層は継続して消費を続けることができるものの、一方では消費が減退しているので、さらに格差は広がっていくんだろうなと思います。
ちなみに、世界的な傾向とコロナウイルスの影響もあって、期待できそうな業種について考えてみました。
・情報技術系
・金融
・フィットネス
・健康食品
・カウンセリング
こんな見方でこれからメキシコに付き合っていくのも楽しそうです。それでは。
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