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何かを犠牲にして、何かを得る〜機会費用〜

このシリーズはわたしが学んだヒトの行動について、行動変容と経済学と絡めて(それを行動経済学という)勉強したことをアウトプットをこのnoteで共有していくものです。


機会費用(opportunity cost)とは

ある活動を選択することで失われる利益のこと

AとBの活動の選択肢があり、そこからAを選んだら、Bを選んでいたときの利益が失われてしまう、ということです。Bを失ってしまう損失、とも言い換えることができます。

会計上や経営上の話でもありますが、ヒトの行動に焦点を絞りたいので、事例は身近なところから。
今回も事例とともにざっくりと解説していきます。

友だちと飲みにいくか、映画を観るか

早速事例で考えてみましょう。

🎥週末金曜日、同僚から飲みに行かないか?と誘われたあなた。
しかしあまり乗り気ではありません。
なぜなら、あなたはあまりお酒が飲めないのと、同僚とは職場でも散々話している。あえて貴重な金曜日の夜をそれに潰したくない。
ただ、同僚との関係を良好に保ちたいという気持ちと特にやることがないので、今回は行くか、と決意する。
しかし、観たかった映画の劇場公開最終日ということに気づき、飲みに行くと行ったものの、決断を迷ってしまう。

この事例からあなたの金曜日は2パターン、あるいは3パターン、4パターンもあることに気づきます。(3、4パターンというのは飲みに行く、映画を観にいく以外の選択肢かもしれません)

1️⃣パターン1(同僚と飲みに行く)を選んで楽しかった場合
同僚と職場外で話すのは、気を使わないし、予想以上にリラックスできてよかった。映画のことなんてすっかり忘れている。
2️⃣パターン1(同僚と飲みに行く)を選んで微妙だった場合
職場で話していることとあまり変わらず、今日が最終日の映画を観に行けば良かったと後悔。観るためには、オンラインでアップロードされるまで待たないといけないし、飲み代を損した気分になる。
3️⃣パターン2 (映画を観に行く)を選んで映画が良かった場合
飲み会を断って、映画を観て良かったと非常に満足度が高い。1800円を払う価値があったと感じる。
4️⃣パターン2 (映画を観に行く)を選んで映画が微妙だった場合
長ったらしく、時間がもったいなく感じた。それなら同僚たちと飲みに行けば良かったと、1800円を支払ったことを後悔。しかし一応最後まで観ることにした。

1️⃣と3️⃣は楽しかったので、そもそも機会損失は発生していないと感じます。(客観的に見ると、本人が感じていない「映画を観たときの高揚感」「同僚と飲みに行ったときの高揚感」は味わえないので、損は存在します)

ですが、2️⃣と4️⃣を選んだ場合は、今現実で行っている行動よりも、もう一方の価値が一気に上がって、「損したな」という気分になります。(さらに4️⃣はサンクコスト も発生していますね)

図で表すとこんな感じ。

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今と未来を天秤にかけるのは難しい

わたしたちの限りない欲求は、商品、サービス、時間、お金、機会に向いており、限界のある供給問題に直面してしまいます。

Real-Life Examples of Opportunity Costより、スムージの例を紹介します。

今あなたはスムージを7ドル出して飲みたいとしましょう。
今のあなたにとっての7ドルはスムージーを購入する費用と同等の価値を持っています。
しかし、今のあなたにとって、7ドルの使い道もあることは知っています。

・キウイのフレッシュジュース
・映画のチケット
・車のガソリン
・お花 など

未来にベクトルを向けてみましょう。使い道はもっと広がります。

・4つ星のレストランへ行くための資金にする
・欲しかった楽器を買うための資金にする
・欲しかった自転車を買うための資金にする
・行きたい場所への旅行資金にする

これを表したのが下図。

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今7ドルのスムージを飲まないことを選択すると、いろいろな選択肢が生まれてきます。

この記事では「わたしはこのスムージについて、どれだけ価値を置いているのだろう」「〇〇をすることがどれだけ大切なことだろうか」「これを手に入れるために、私は今何をあきらめているのだろうか?」「今これを手に入れるために、私は将来的に何をあきらめているのだろう?」と問うことが大事だと書いていました。

7ドルというコストを支払うと、どうしても何かを犠牲にしないといけないというトレードオフが生じます。

しかし、人間は欲深いもの。今の欲求と将来のベネフィットを天秤にかけることは難しいから、これまでにも7ドルの使い道で悩んでいるのです。

参考資料



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