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【若手ビジネスパーソン向け】良いスライドを作るには ~その1~


なぜ、あなたの作るスライドは理解されないのか?

「何を言いたいのかわからない」
「この観点は含めなくてよいのか?」
「なぜ、この結論といえるのか?」

コンサルティングファームに限らず、ビジネスパーソンの方であれば、こういったコメントを上司や顧客から言われたことが少なくとも一度はあるのではないだろうか。
(私の場合、恥ずかしながら、数百、数千と言われてきたような気がする…)

画像出典:photoAC

最近は、書店にいけば、多数の「資料作成」に関する本も発売されており、おそらくこういった本を読んだことがある方々も多いだろう。日経新聞の広告にも「資料作成」というトピックで掲載されていたこともある。

資料作成というキーワードでAmazonで検索すると、”外資コンサルの〜”とか、”Google流〜”とか、様々な書籍が確認でき、注目度も高いジャンルだと想定できる。故に、普通に考えれば、ビジネスパーソン全体としてのスライド作成スキルは、過去と比較すれば、傾きはさておき向上していると思われる。

出典:rubato社 2022.04.28 プレスリリースより

一方で、先に挙げたような手厳しいコメントは後を絶たない。(もしかすると、働き方改革やパワハラへの取り締まり強化に伴い、言われずに上司が静かに修正する、というケースもあるかもしれないが…)では、なぜこのような状況が多発しているのか、逆に考えると、何を意識すれば、良いスライドが出来上がるのか、について書いてみる。

1スライド、1メッセージで作っているのに…

まず、スライド作成の(今でこそ)代表的な大原則として、「1スライド、1メッセージ」というものがよく言われる。これは、起源は正確に把握していないが、一説には、マッキンゼーを始めとする外資系コンサルティングファームがこのお作法を行っており、それが一般化されたと言われている。(他の説としては、スティーブ・ジョブズが「1ビジュアルに1メッセージ」を基本としたプレゼンテーションをしていた、というものもある。)

1スライド、1メッセージのイメージ
出典:我が国製油所の国際競争力 
総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 石油・天然ガス小委員会 第1回委員会
討議用資料 2014年2月25日
マッキンゼー・アンド・カンパニー

さて、そんな今では多くの人がご存知の「1スライド、1メッセージ」であるが、これを意識しているが、良いスライドが作れない、という方は多いのではないだろうか。

よくある「1スライド、1メッセージ」のアンチパターンとして、直面するのは以下のようなケースだ。

  • 「以下の通り」型

  • 「事実の押し付け」型

  • 「ほんまかいな」型

”つまり、何を言いたいの?”を誘発する「以下の通り」型

まず、「以下の通り」型。これは、タイトルがあり、メッセージラインに「〇〇◯については、以下の通り。」と記載されていて、中身はボディ部分にあるグラフや表、オブジェクトを読むことになるスライド。
(具体例がみつからなかった。。。)

確かに、「1スライド、1メッセージ」にはなっている。しかし、このスライドは良くない。大抵、これに対するよくある反応は「それで、ここから何を言いたいの?」というコメントである。

画像出典:Pixabay

そのコメントに対して、口頭で説明して応対するケースもちょくちょく見られるが、まず、応対できるのであれば、その内容をメッセージに記載すべきだ。そして、残念ながら、この手のシーンでの口頭で説明した内容は的を得ない場合が体感7-8割程度である。(だって、思考が整理できてないのだから、こんなメッセージになっているわけだし)

また、この「以下の通り」型のスライドでちょくちょく見かけるのが、エクセルの表形式データを貼り付けて、進捗や課題を報告するような場面(課題管理表とかタスクリスト等がボディに貼り付けられてるスライドをイメージしてください)。

課題管理表を貼り付けのスライドイメージ
(これはかなりキレイな方で、実際は状況を記載する欄が縦長になっている)
出典:edraw 無料の進捗管理表テンプレート -PowerPoint

この場合、管理表の内容を踏まえて、メッセージを書くのが難しいと考える人もいるかもしれない。しかし、そもそもの前提が間違っている。この手の表形式データを使う場合、わざわざスライドに貼り付ける必要がない。別にExcelやスプレッドシートの元ファイルを使えば良い。

確かにExcelやスプレッドシートだとスライドに比べるとパッと見で全体感が把握しにくいという弱点はある。しかし、全体感を捉えるだけであれば、管理表のrawデータではなく、サマリページを見せれば良いし、何かピックアップしたい議題があれば、それだけ取り上げつつ、なぜ取り上げたのか?何を、なぜ議論したいのか?をメッセージに書けばよい。

基本的には、メッセージに「以下の通り」を記載すべきケースはほぼない。これを書くぐらいであれば、メッセージなんて書かないほうが良い。その方がボディに書けるスペースを広げることができる。
(ちなみに、私が前職で大変お世話になった戦コン出身の凄く出来る人は、「別に全部のスライドにメッセージなんて必ずしも書かなくても良いんだよ」ということを言っていた。この言葉は、漫画ONE PIECEの作中でゾロの剣術の師匠、霜月コウシロウが”強い剣士は、紙を斬らず鉄を切る”ということを言っていた内容と通じるような気もする。その真意は後ほど。)

出典:ONE PIECE 21巻 第194話 “ 鉄を斬る”   尾田栄一郎

と、寄り道しながら色々書いていたら、文字数も多くなってきたので、ここで一度切ります。続きはまた今度。

この後、書きたい内容(案)

  • 1スライド、1メッセージ(続き)

    • 「事実の押し付け」型とは

    • 「ほんまかいな」型とは

  • スライドを使う目的を覚えていますか?

  • そのスライドにストーリーはあるか?

  • 一回、スライド使わずに資料作ってみれば?

  • 見栄えはどこまで突き詰めるべきか?

  • デザインと執筆の同時並行をしていませんか?

  • (順次追加予定)

参考書籍(興味ある方は読んでおくと良い)

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