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不動産業界ではたらく20代は1割にも満たないというお話

今日はちょっと真面目なお話です。

日本が少子高齢化社会であることは自明の理ですが、不動産業界も例に漏れず。

割と深刻な数字じゃないかなと思うので、データから不動産業界の今とこれからを考えてみたいと思います。

不動産業界ではたらく20代は6.7%

不動産業界ではたらく20代は、2015年時点で6.7%です。

なお2000年には11.5%と1割を超えていましたが、この数値は年々減少しています。(図右)

出典:国土交通省資料

これは国勢調査の数字です。年齢構成をまとめてみます。

20代:6.7%
30代:12.9%
40代:16.7%
50代:17.6%
60代:27.8%
70代:13.0%
80歳以上:5.2%

20代と30代を合わせても2割にもいきません。

コア層は、60代となっており、60歳以上で約半数を占めています。

これって割と、地方の不動産屋の様相を表しているんじゃなかろうかと思うわけです。

現に私が務めるのは数十名の大阪の郊外の不動産会社ですが、社長は60代。役員は70代と50代、現場の人たちは40代がメイン。

ちょっと飛んで私(30代)、またまたちょっと飛んで20代。

数十人いるのに、20代・30代の私たちで1割行っていません。

一方Tiktok等で情報発信をされておられる不動産会社さんは、若い方が多いと思います。

都心部か郊外かによってもこの年齢比率は変わってきますが、あながち間違ってないんじゃないかと思うわけです。

それでは「宅建士」はどうか

勘が鋭い方であれば、不動産業と言っても、大家さんも含まれるんじゃないの?と思われることでしょう。

不動産業という大カテゴリの中に、宅建業という中カテゴリがあります。

反復継続して不動産を取引する場合は、宅建業免許が必要ですが、普通に家を貸すだけでそのような免許が必要であれば、誰も家を貸すことなんてやってられません。

海外転勤で、買ったマンションを誰かに貸す時、とかですね。

そこで、不動産業だと少々ざっくりしすぎているので「不動産業界で働いている宅建士」に絞って、年齢層の構成を見ていきましょう。

宅建士は割と現場で営業を兼任していることが多く、より現場と近いデータになるかと思い、調べました。

これもデータがあります。

発行:公益財団法人不動産流通推進センター

宅建士というのは「試験に合格」して「登録」しなければ、資格の独占業務を行うことはできません。

つまり、試験合格者のデータだけだと意味がないのですが、これは「登録して実際に働いている人」なので、よりリアルに近いです。

するとどうでしょう。

全体が約33万人に対して、20代は約2万5千人です。

お分かりいただけましたでしょうか。

ここでも1割も行きません。

裏を返せば、40代以上が8割を占める、ということです。いかに若手の肩身が狭いか。ということです。

若手の立ち振る舞いについて

人口が減っていて若手も減っているので、比率が下がっていくのはわかります。

しかし、そもそも20代で不動産業界に入りたい人はどれだけいるのか?とふと思ったわけです。

不動産業界はベテランの人が多いので、私が30歳に業界に入った時でさえ、超下っ端でした。

それまではITの若いベンチャーで20代に囲まれていたので結構衝撃でして、とても肩身が狭かったです。

不動産というものは、知識や経験が積み重なってきてできる仕事の幅も増えていきます。動くお金も大きいのでやはりある程度の経験があったほうが良いでしょう。

自分より若い方々から、下積が必要ということで、チラシまきをしていたり、雑用メインで、という話も若い子から結構相談を受けます。

それも大事なことなのですが、その行動に本当に意味があるのか?振り返りをしていかないといけません。

先輩たちがやってきたことを踏襲するのも大切なのですが、もっと違った視点で不動産業を盛り上げていくことが必要だと思っています。

デジタルネイティブであるが故の強みを活かして、IT化、新しい流通の仕組み、不動産の有効活用への取り組み。

あまり既存の枠に囚われずに、若い人の力が業界を変えていくんじゃないかなと思います。

若い世代はマイノリティであるからこそ、中々進みにくいこともあります。特に地方は。

しかし世の中の情勢が変わってきたり、法律が変わることで、やりやすいことも増えました。

これからは年齢も世代も関係なく、全員でどうやっていくのか?本質的な仕事をしていかねばなりません。

そのためにも、目の前の小さな変えていけることから変えていきましょう。

そしてもっと20代の人が入りたい、と思える業界であるための啓蒙だったり、情報発信だったりが大事なんじゃなかろうかと思ったわけです。

私もブログを通じて多くの人に不動産に興味を持ってもらいたいと、データを見て改めて思いました。

別の角度からも深ぼった記事があるので、よければご覧ください!

では、不動産業界の皆様、明日から(水曜休みで木曜からお仕事の方は)また1週間がんばりましょう!

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