新卒1年目、ECの売上を半年で2倍にした5つのこと
こんにちは!
おやつのサブスク「スナックミー」でマーケティングを担当しているおざき(@ozakimanj)と申します。今回は以前新卒で入社した会社でのお話です。
社会人として初めてのGW明けに上司から「今月から全部任せた!」とスーツケースECの担当を丸なg(自粛)任されて、いきなり店長となりました。
そういやと思い出したので、新卒で入社し担当したスーツケースECの売上を半年で2倍、6桁から7桁にした方法を振り返って書き留めます。
新卒でEC経験はなし、薄っぺらい知識しかありません。しかし、考えて行動し続ければ結果はついてくることを新社会人のみなさんに伝えられると嬉しいです。
では、結論から言うと...
売上2倍アップに大きく貢献した5つのことがあります。
①前提を疑う
②ユーザーが必要としている情報を知る
③広告をやめる
④お問い合わせは365日即レス
⑤商品のことを好きになる
詳細はこの後していきます。
はじめに概要を少しだけ
販売していたスーツケースは輸入物で奇抜(おしゃれ)なデザインが特徴です。単価は1つ3,4万円ほどで、信頼性が高い有名ブランドとほぼ同じ値段かつ、モールを見れば激安品もたくさんある渋めの市場でした。
先進国におけるスーツケース事情としては、「使用頻度が少ないからスーツケースにお金をかけるなら旅費に回したい」とさらに渋めです。
日本で販売を初めて鳴かず飛ばずの3年目、月の販促費は10万円です。自分の業務範囲は、受注処理、販促マーケ、カスタマーサポート、メーカーとのやりとりなど、システム周り以外の全部でした。
①前提を疑う
前任者からメインターゲットは「40・50代の収入多めの男性」と引き継がれました。確かにデザイン的には男性向けだし、価格やライフスタイルを考慮してもあながち違和感はありません。
しかし、この前提は間違いだったんです。
なぜなら、受注業務を始めると女性っぽい名前が多いことに気づきました。おや?と思い取り出せる受注データ数百件の名前を一つ一つ確認し、正の字で女性と男性を計測してみました。
結果としては、「男:女=7:3」という事実を発見!
(名前からの判断なので正確とはいえませんが)
サイトを見てみると、ビジュアルには男性がメインの画像や写真しか使われておらず、女性ユーザーを逃しているでは?と仮説を立て、クリエティブに女性を起用しサイトの雰囲気を柔和しました。
結果として「男:女=6:4」となり、男性の購入者数を維持し女性の購入者数を増加させ売上の底上げに成功です!
ペルソナやターゲットといった前提を疑うことで、適切にアプローチできていなかったユーザーに気づき売上の底上げができました。
前提を疑うことはどんなことでも大切です。
②ユーザーが必要としている情報を知る
商品を売るためには、商品を知ってもらう必要があります。まずは情報発信ですね。ただ、闇雲に情報をばらまいても見てくれないし購買にはつながりません。
また、企業が知ってほしい情報と、ユーザーが知りたい情報はイコールではありません。ターゲットユーザーが購入前にどんなことを知りたいのか調査・検証が必要です。
自身の例としては、特徴的なデザインをはじめ訴求し発信していましたが、実際にユーザーがほしい情報は「そのスーツケースは壊れないか?」でした。
どうやって気づいたか?
スーツケースが集まる場所「空港」でスーツケースを観察しました。すると、おしゃれというよりは頑丈そうでシンプルなスーツケースがほとんど。つまり、ユーザーは「おしゃれ<耐久性・信頼性」をスーツケースに求めていることがわかったからです。まして、有名でない輸入ブランドとなればなおさらです。
そこから、SNSの運用方針を変えInstagramではブランド名に投稿されたUGCをリポストしてフル活用し「このスーツケースはたくさんの人に使ってもらってますよ!安心してください!」ということを訴求しました。
また、ブロガーさんに依頼して体験レポートを執筆してもらいサイト内にリンク集を作成、サイトからInstagramへの導線もよりスムーズにして「耐久性や信頼性」を訴求しました。
Instagramからコンバージョンが立ちはじめただけでなく、ショップ全体のCVRが上昇しました。
「ユーザーが求めている情報は何か?」管理画面や検索結果、ソーシャルリスニングなどオンラインではわからないユーザーインサイトもあります。PCにしがみつかず、ユーザーに近い場所へ足を運んでみると新しい発見があることは間違いないです。
③広告をやめる
Facebook広告やリスティングは販促の強力な味方です。広告を使うと流入数は増え、獲得確度が高いユーザーを連れて来てくれます。
ただ、広告を回すことが必ずしも"正"ではないことがあります。
どんな状態か?
「ショップに呼び込みを雇うも、店内が整っておらず接客もダメ」な状態です。
呼び込みが広告であり、店内・接客がサイトコンテンツです。サイトコンテンツ(商品説明や写真etc...)が不十分だといくらお客さんが来ても商品の購入まで至りません。
自分のショップも上記と同じ状態であることに気づき、薄く配信していた広告を全て止めサイトコンテンツの拡充に努めました。残った販促費は②でも言ったようにブロガーさんに記事作成してもらったり、クーポンと引き換えにSNSに投稿してもらったりと第三者コンテンツに販促費を向けました。(これも一種の広告ですが)
結果的に、ショップの基盤が出来上がり広告を使わなくても売上が7桁を半月後以降も必ず超えるようになりました。これができると次は広告を使っていかにグロースさせていくかというフェーズですね。(楽しくなるやつです)
④お問い合わせは365日即レス
※必ずしもいい方法ではありません。
最も購入確度が顕在化しているお客さんは「お問い合わせしたユーザー」です。
お問い合わせに返信した後、すぐに受注メールがくることが多かったので、この商機は逃してはならないと新規のお問い合わせには365日即レスしました。(1日1通もなかったので休日や夜間も5分程度好きでやってました)
もちろん、小商いECだからできたことであり一概に365日即レスしろとは言いません。絶対に。
僕も全てのお問い合せに即レスしていた訳ではなく、
「ブラックのMサイズの在庫はありますか?」
「機内持ち込みできますか?」
「ライトブルーは結構光沢感ありますか?」
「5泊だとMかLどっちがおすすめ?」など
あきらかに購入を悩んでいるお客様にすっとアシストしました。せっかくショップに来てもらってるタイミングを逃すのはもったいないからです。
やはり、ECが活発になるのは土日祝で売上もあがります。(コロナでいまはなんとも言えませんが)
売上目標に対する執着心といいますか、お問合せに対応する日曜日の5分は大きくなって自分に返ってくるそんな投資感覚でした。
⑤商品のことを好きになる
急に概念的で直接売上につながる話ではありませんが、ECをやる上で一番大事なことと思います。
僕も最初「こんなスーツケース誰が買うんだよw」と思ってました。
(いまだから言える話)
どんなプロダクやサービスにも、誰かの思いがあります。それは商品へのこだわりや、誕生ストーリーなど必ず存在します。
そして、思いを必要とするユーザーへ届けつなげることがマーケターの役割だと今は実感しています。
僕もインポーターのオーナーの話を聞いたり、本国のデザイナーと会ったり、お客様の声が聞こえたりするうちに「スーツケース」に込められた特別な思いを身をもって知りました。
そうして商品のことを好きになった自分は、この思いはどうしたらユーザーに届けられるか考えるようになりました。「商品を売る」ではなく「思いを届ける」に自然と意識が変わり、これこそ「自分ごと化」だと思います。
商品のことを好きになれば、必ず視点も変わりいい方向に進んでいきます。
失敗したなと思うこと
上記の5つは上手くいった話ですがもちろん失敗もたくさんしましたw
おまけ程度に失敗談もつけておきますね。
❶SNSで抽選企画を回す
「RT&フォローすると抽選でスーツケースプレゼント!」やりました。フォロワーめっちゃ増えましたが、フォローしてくれたアカウントの質はいいとは言えません。(購入につながるとは思えない)
数字に化かされたそんな失敗です。
❷人に頭下げて買ってもらう
目標まで後少しで届きそうな月末、知り合いに頭下げて買ってもらいました。ほんとによくないですこれ。無意味ではないですが。。。これ以上言いません。
❸アフィリエイトの展示会
アフィリエイトも施策としてやっており、展示会に出店しましたがフェーズあっておらず費用対効果が破滅しました。
まとめ
新卒1年目で担当した、スーツケースECの売上を半年で2倍にした5つのことを紹介しました。
①前提を疑う
②ユーザーが必要としている情報を知る
③広告をやめる
④お問い合わせは365日即レス
⑤商品のことを好きになる
学んだことはECに限らず、サービスやプロダクトを販売するマーケターとして今でも活きてますし、特に「①前提を疑う」と「⑤商品を好きになる」は商売人として自分の中核に据えています。
知識や経験がついてから振り返ってみるとあんなこともできたな、もっとこうすればよかったなとも感じます。まだまだ精進ですね。
もちろん、知識や経験もどんどん学習し挑戦したりして蓄えるものですが、なくても「考えて動く」を続けると上手くいったり、目標を達成することができます。
新卒だから、若いからなんて関係ないです!
こんなご時世で大変だからこそ、考えて動き続けたいものですね。
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(ほんとはWEBマーケ関連)
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P.S)ちなみに、この年の最優秀社員賞をいただきました✌︎
P.S)今は別会社が運営してるみたいですが、オーナーとは今でも仲良しです
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