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男は失恋したらこの曲を聴け!スキマスイッチ「キレイだ」

この隠れた名曲の魅力を、僕は全力で伝えたい。

スキマスイッチと言えば、やはり「全力少年」「奏」のイメージがあると思う。
この2曲はカラオケなんかでも頻繁に出てくるし、知名度も高いんだろう。

でも、僕がスキマスイッチで一番好きな曲はダントツでこの「キレイだ」なんです。

失恋ソングといえば大体バラードが多いと思うんですけど、この曲はめちゃくちゃアップテンポ。またそれがいいんですよ。
沈み込むような失恋ではなく、男の失恋特有のやけっぱち感が曲調からも出ているというか。
歌詞もメロディに合わせて、失恋を描いているにも関わらずちょっとファンキー。

冷静に照らし合わせてみれば君と僕は正反対で
数字だとしたら6と9のようなもんだな

導入から興味深い話です。
ここで出てくる数字の”6”と”9”、これは文字の形状が正反対という意味ですよね。

キュウに一人にされた居間では
食べ散らかしたインスタントの空っぽ容器と
ロクでもない僕が残った

続くこのセクション。
キュウ=9=彼女に”急”を掛け合わせたダブルミーニングに、ロクでもない=ろくでもない&彼女と正反対の”6”にすらなりきれないという数字を使ったウルトラCの歌詞を披露している。
これは相当ハイレベルな離れ技である。

いろんなことが望みどおりにいかなかったなぁ
浅はかだったなぁ

導入とは一転、高音に切り替わるBメロ。
勢いよく吐き出される歌詞の内容が徹底して内罰的っていうのが良いですよね。

そのうち忘れるんだって、思いつめてもしょうがないんだって
戻らないものはもう戻らない
何度も手にとる写真は破れず、君はキレイだ

このサビ、とっても気持ち良いんですよね。
~って、~って、という畳みかけるような歌唱と「戻らないものはもう戻らない」という自分に言い聞かせるようなやけっぱち感。
これに共感できない男子はいない
でしょう。

サビ締めの「君はキレイだ」、実はヒゲダンより先にスキマスイッチがやっていたという事実。
こういう失恋ソングって当然未練タラタラの内容が多いし、そういう時ほど相手が美しく見えるっていうのはあるあるなのかもしれない。

君がくれた手紙を一つずつ紙飛行機に変えながら
ただ願うんだ、できるだけ遠くへ飛べ
繰り返し観たカンフー映画でも観てみよう
気を紛らわそう

2番のA・Bメロは切なさマックスです。
手紙を紙飛行機に変えちゃうのも、カンフー映画で気を紛らわしちゃうのもいかにも男子って感じだ。
僕も失恋した時は「プロジェクトA」とか「燃えよドラゴン」とか観よう。古いか。
というか、失恋ソングの歌詞に「カンフー映画」なんて歌詞をぶち込むのがすごい発想ですよね。

それでもいつかひょっとして君を思い続けてればって
くだらない物がまだ無くならない
情けなく引きずり続けている自分が嫌いだ

いやータラタラです、未練(謎の倒置法)。
けど、男ってこんなもんですよ。
本当に好きな相手にフラれた時とかに一切未練がなさそうな奴なんて僕は男と認めません。

終盤は

なんだかんだ言ってたって、この性格は変わらないんだって

とか

こんなはずじゃなかったって憤りを感じてんだって
切ない歌なんて歌うのはバカみたい

なんて言いながら自らを肯定するのかと思いきや、

やっぱり手にとる写真は破れず、君はキレイだ
やっぱり君は…

やっぱりまだ、彼女のことを忘れられない。

まあ、失恋した男なんて等しくこんなもので。
ウジウジ言いながら、自分なりの方法で何とか好きな人のことを忘れようとするわけです。
このひたすら内省的に走る歌詞と畳み掛けるような曲調のギャップが素晴らしいですよね。

何気にJ-POP史上に残る失恋ソングだと思います。
機会があれば是非聴いてみてください。


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