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映画を観たよ#『キリエのうた』

『キリエのうた』
(2023年)
178分
原作・脚本・監督 岩井俊二
主演 アイナ・ジ・エンド
日本
映画館:スカラ座(長野県岡谷市)

もしも、こんな声で歌えたら、私もギター持って歌いに出たい!
でも私には、そんな風に歌うことは出来ないので、観に行ってみました。


ふと、書いていて、178分??
3時間ですよ!
全く、そんな風には感じなかった。
ストーリーがどんどん展開していくって感じでもなかったけれど、途中ダレることもなく、物語は色んなところで重なって、苦しみにのみこまれてしまいました。

ねっとりとしたキリエのキャラクターが、夏彦の自責を引き立てていた。


「聞きたくないや 雑音ばっか とどめをさしてる」


リアルそうで、リアルでない、
でも、この苦しさはリアルだった。

上手く歌おうとか、魅せようとか、そういう事ではなく、
あふれ出る自我が、傷つけられやすく繊細で、でも強い。

あーあ、いつの間に自分たちはこのどうでもいい鎧を頑なに着こなし続けてきたのだろう。

油断するとリアルにさらわれていってしまいそうだった。
おススメしたい、でも、覚悟して観た方がいい気がする。

何でも端末機器で見れるようになったこのご時世で、映画館へ行く人が、もしかしたら少なくなっているかもしれないけれど、ぜひ映画館で観てほしい。
一時停止出来ない、巻き戻し出来ない、そんな不自由な映画館で観るからこそ、迫りくるものから目を離せないのだと思った。



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