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映画を観たよ#『ザ・クリエイター/創造者』

『ザ・クリエイター/創造者(原題:The Creator)』
(2023年)
133分
監督 ギャレス・エドワーズ
主演 ジョン・デヴィット・ワシントン
アメリカ合衆国
映画館:スカラ座(長野県岡谷市)

締め切りが近い!
仕事もですが、映画の公開終了予定日がすぐそこだったので、作業もそのまま、観に行ってしまったわけです。
映画館に10分強で行けるって、恵まれすぎている。

好んでSFものを観に行ったことはないので、自分どうした?と思いながら、
行ってよかったなぁと思ったわけです。
近くの映画館では、日本語吹き替え版しか上映されていなかったので、次観る時は、ぜひオリジナルを観てみたい!

さてさて、仕事のやる気も出ます!進めねば。


AIと人類と言えば、よくある対立構造だろうか。
AIに脅威を覚えた人類が、AIを作り出す”クリエイター”と呼ばれる存在を抹殺するために立ち向かう。
しかし、この映画でAIは果たして人間を殺したいと躍起になっていただろうか?

「それは作りものだ!本物じゃない。君と僕が本物であって、この愛が本物なんだ。」

日本語吹き替え 本編より

間違いを犯し、人を傷つけ、人を殺すのは、やっぱり人じゃないか。
AIを人間らしくすればするほど、恐ろしく感じる。
それなのに、なぜ人間を模造するのだろう?

ところどころにみられるコミカルなシーンがおかしく、
リアルとアンリアルなバランスがとてもよく、最後まで迫力満点で観ることが出来た。

映像や心の動き、ダイナミックな中に注目したい繊細さがあふれている。

この映画は、現代(2023年)からの近未来、と思ってみると、色々と辻褄が合わないというか、そこもっと高性能だよね?とツッコミたくなってしまうけれど、画期的な機械が色々と出現してきた中で、1960年代から始まったと言われるAI技術が現代とは違う進歩を遂げてきていたとしたら?と思って観ると、そういう未来もあるかもしれないと、とても面白い。

作りものだと言い放っていたのに、割り切れない。
自分たち(人間)を助けてほしいから、守ってほしいから作ったはずなのに、守りたいと思ってしまう。

「あれ(AI)は人間よ!人間だったわ!」

本編より

核爆発の後処理に赴いた廃墟に転がっていたロボットが突然動き出し、「娘はどこだ?助けなければ!」ともがく姿に、恐怖を覚える。


「あれ(AI)は心が綺麗なんだ!」

本編より

助けてくれと、懇願するニューアジア(AIと人が共存する国家)の人々。
・・・人間とは違って、という言葉をつけたしたくなるような台詞。

この映画の描写は、まるでアメリカが悪のようではないか、アメリカ映画なのに!と思えてしまう。

シミュラント(模造人間)は案外簡単な位置(首元)にオン/オフ出来るスイッチがあるらしく、その簡単さが不気味だ。
睡眠をとる、酒を飲む、ギャンブルを楽しむ、
・・・あれ?機械ですよね・・・

「共に働けて光栄でした。」

日本語吹き替え 本編より

爆弾を抱えたAIが、そう言い残し敵地へ走り出す。

「行け!早く行け!」

日本語吹き替え 本編より

人間はそう言い放つ。
なぜ、AIはそんなことを言うのか。
なぜ人間はそれには応えないのか。そして、そんなことを言わせたのか?


「何か欲しいものはある?」
「ロボットの自由!」
「それは冷蔵庫の中にはないわ。アイスクリームでいい?」

日本語吹き替え 本編より

AI同士の会話が面白く、興味深い。

最後、
子供のシミュラント(アルフィー)の無邪気な笑顔が、信じる者は裏切られる、そんな未来にも見えて、感動をよそに嫌な風を感じた。
なぜ、子供のシミュラントを作ったのか、
その真意は、本当に愛や平和だったのだろうか?
人間の成長の過程で育つのは、決してポジティブなものばかりでないことは、私たちだって知っていることだろう。

ただでさえ、人間が一番怖いのに、人間を完璧に模倣したAIなんて出来てしまったら…、そう考えずにはいられなかった。

ぜひ、はじめは劇場で大きなスクリーンで迫力を体感してほしい。
そして、あれ?と思った部分を今度は家でもう一度見返したい。
次は英語(オリジナル)で観よう。
また違った見方が出来るかもしれない。



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