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台所で揺れる葉、三角コーナーの皮


全く自慢にならないが、私はいわゆる「緑の指」を持っていない。


小学生の頃、進研ゼミで送られてきた栽培キットはことごとく失敗し、急に思い立って庭に蒔いた花の種は雑草に紛れて消えてしまった。


今なら下調べや手入れで改善の余地はあるが、過去の実績を思い出しては『また命を無駄にしてしまうのでは』と後ろ向きになり、時々挑戦したくなるたび二の足を踏み続けている。




しかし、実は頻繁に育てている植物が一つだけある。洗剤の隣で葉を茂らせてくれる、大根の葉だ。



野菜の再生栽培は様々あれど、個人的には大根の成功率が最も高い。試行回数が多いという説もあるが、以前豆苗に挑戦したときは伸びるのが嬉しくて育てすぎたのか、収穫しようとしたらふわふわのカビが生えていた。目にした瞬間、心がキュッとなった(しょぼん)。





水が減ったら足す、という単純な作業でちゃんと伸びる(かつ、異変にも気づきやすい)。大根自体が持つ成長力の賜物なのは承知の上で、『私だって植物育てられるじゃん』という自尊心も、葉の成長とともに高まっていくのである。

そのピークを迎えるのが、育った葉をカットするとき。ただ捨てたのでは手に入らなかった食材と栄養素。それが、「育てる」という過去の選択によって今日のお味噌汁の具材が増えたのだ。ナイス自分!




一方で、ふと思う。


葉を育てるのもいいけど、その前に皮は捨てるじゃん。




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大根の皮は分厚く、カラの三角コーナーが一気にカサを増す。食べられるのは知っているし、実際、大学時代は節約のために使っていた。しかし良さを引き出す努力をしなかったので、無理して食べている感が強まり、結局やめてしまった。



……料理に割ける時間が増えた今、もう一度挑戦してみようか。




野菜は本来、捨てるところがほぼ無い。大根の皮やキャベツの芯、そしてナスのヘタだって調理次第で美味しく食べられるらしい。7月に放送された平野レミさんの番組で、ナスが実・皮・ヘタで3品に変身したのは、今でも印象に残っている。



捨てるのは簡単。しかしそれを踏みとどまってひと手間かけてみる。すると、三角コーナーの平和は長く保たれ、ゴミが減る代わりにおかずは増える。環境にも、食卓にも、そして三角コーナーにも(?)、微力ながら貢献できるのではないか。


ちょっとしたことだが、これが現時点の自分にできる、食品ロスの抑制策かな……と珍しく真面目に考える私なのだった。





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