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概念としてのクレープ
定期的に頭に浮かぶ食べ物の筆頭がクレープだったはずが、ここんところ定期的どころか常に浮かんでいる。
出ずっぱりすぎて、本当に食べたいのかどうか疑問にすら思えてきた。つまり、食べるためではなく「概念としてのクレープ」を求めているのではないかということである。
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クレープが食べたいとき。私にとってそれは第一に生クリームを頬張りたいときである。
しかしそれなら前回のホボクリムでもできたことだし、ホイップ入りのパンやドーナツならスーパーでも手に入る。今だって、山崎製パンから出ている「極生ドーナツ」が気になっているところだ。
つまり、クリームをたんまり口の中に入れるという行為は、何もクレープに限ったことではない。
それに実際、ホボクリムを食べた日は「今日はミルク系やこってり系はもういいかな」という気分になっていた。それなのに、その日もクレープは休まず顔を出していたのである。別に食べたくないのに。
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クレープでなければならない理由って何だろうと思ったとき、出てきたのは以下の4つ。
・量
・構成
・見た目
・イメージ
1つ目は、単純にホボクリムやドーナツでは生クリーム量が足りないということ。口に入りきらないくらいのサイズ感じゃないと「頬張る」とは言えないのだよ、という話である。
2つ目は、果物やソース、そして生地と交わることで起こる化学反応を楽しみたいということ。特に、お店によって違いが出やすい生地が重要になってくる。
昨今は”もちもち”や”サクサク”など特徴を持たせたお店も多いが、それを強調されると少し困ってしまう。生地はシンプルイズベスト。歯切れが良ければそれでいいのだ(以上蛇足でした)。
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そして、3つ目の「見た目」から概念のフェーズに入ってくる。
やっぱり、クレープって可愛いじゃないですか。
メニュー表に並んだ展開図がもう可愛いし、「クレープ」でSNS検索すると色鮮やかな果物やつやつやと輝くブリュレがずらーっと出てくる。見るだけでテンションが上がる。
しかし実際に注文するのはボリュームや予算の都合上、たいていバナナチョコホイップかイチゴチョコホイップあたり。豪華なものや期間限定品に比べると「映え」は弱い。それに、そもそもクレープは撮るのが難しい。
しかし「別に撮るためではない」となると、店員さんから受け取って一口目を口にするまでしか可愛い姿は拝めない。そんな儚い時間のために私はクレープを欲しているのだろうか。
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4つ目の「イメージ」。
「イメージ」というと解釈が何通りもあるし、それこそ見た目も含まれる可能性はある。
しかしここで言うイメージとはもっと概念的なことで、例えば「推しのストーリーやスチルに登場していた」といったことだ。
……「概念的」って濁してるけど、それってれっきとした「概念推し」では。
概念推しとは、推しそのものではなく、推しの髪色や瞳の色などのイメージカラーや好物など、「推しを象徴する要素」で推し活をすることです。
思い返すと、毎日思い浮かべるようになったきっかけは推しのスチルだった気がする。
そのクレープはキウイといちごがトッピングされており、レギュラー商品にキウイを扱っているお店はなさそうだなあ、とふんわり諦めたつもりだった。
しかしもともとクレープ好きであるが故、浮上したクレープ熱は宙ぶらりんに。その結果地縛霊のようにとどまり続け、その日のコンディションにかかわらず「今日は食べないの?」と尋ねてくるようになったのではなかろうか。
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結論:今回のクレープ熱は概念によるものである。
しかし地縛霊になってしまっているので、実際に食べないと浄化されないだろう。まったくしょうがないなあ。あくまでも「しょうがなく」なんだからね?
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