にしこり
かつて話した職場の後輩の話、エピソード2。
↓エピソード1
彼は私をよく追い抜いていく。
物理的にレースをしているわけではない、出世のスピードが早く身分的に追い抜かれたわけでもない。
私の助言を追い抜いていくのだ。
朝のミーティングで各自の作業工程の割り振りをすることがあった。私が主にその職務を担っていたのだが、後輩にも仕事を覚えてもらおうと入社1週間頃に試験的にさせてみようと声をかけた。
彼はやる気は人一倍あるので二つ返事で「やってみたいです!」と大きな声で返答。かわいいやつめ。
とりあえずやらせてみたのだが、当然ミスがある。そんなことはこちらも織り込み済なので、そのミスの修正をしつつコツや手順を覚えてもらおうと助言した。
「Aさんがこうなってるけど、先にBさ」「Bさん先ですね!」
「え、ああ、うん」
「あと、CさんとDさんは今同じプロジェクトしてるから、ここはく」「くっつけたらいいですね!」
「あ、うん」
「ここ見たらわかるんだけど、Eさん今日はや」「Eさん休みでした
ね!!」
「うん」
と、私の助言を全て聞く前に追い抜いてしまうのだ。
ポジティブに言えば察しが良い。理解度が早く、できるやつっぽさはある。
もちろん私が捻くれておりこの世を穿った目で見ている人間だから、という前提の話ではあるのだが、なんか嫌な気持ちになってしまったのである。
別に偉そうにしたいわけではないけれど。
うまく言語化できないもやもやが、私の中に広がっていた。
また、彼は色んなことにいっちょ噛みしたがるところもあった。
会社にあった自販機が壊れて飲み物が買えなくなったときのことである。
やれ飲み物がなくなって飢えるだの、ちょっと離れたところに自販機があったはずだから誰かが代表で全員分買いに行こうだの、いわゆるそんな"ノリ"を楽しんでいたところ、「僕会社に電話しますわ!!!」とスマホ片手に即電話してくれたのだ。
もちろん有難かったし、いずれ誰かがすべきことではあったのだが、その場にいた皆が少し冷めたような気がした。
他にも色々あっただろうが、自販機が壊れるといまだにこのエピソードを思い出すくらいには、私の中ではしこりとなっている。
別にこれは文句でも悪口でもない(はず)。
ただ、しこりを皆に見てほしかっただけ。
あのしこり(後輩)、元気かなあ。
私のnoteはそんなしこりをたくさん言語化したものになっています。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
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