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高校生だもの。

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開いてくださりありがとうございます。 日々思いついたとき、スマホのメモに残している現役高校生の私の呟きです。 # 創作大賞2022
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#深夜

高校生だもの。#9

高校生だもの。#9

「 終夜、高速道路。」

遠出をした帰り道が好きだ。

高速道路を走る車の音が好きだ。

車内に響く車の音は、特別な場所で過ごした一日の終わりと余韻を感じさせる。

ラジオの微妙なノイズ音が、外からする車の音にかき消され、同時に風が窓にぶつかる音と重なる。

イヤホンで音を遮断するのは嫌で、睡眠で視界を遮断するのも嫌だった。

隣の車線を追い越していく車を見る。

遥か遠くに見える夜景を見る。

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高校生だもの。#6

高校生だもの。#6

「 深夜、あの夜。」

あの夜を思い出す日がある。
ウォークマンに挿された細い有線イヤホンから流れた、日付が変わる5分前のラジオの天気予報。
お気に入りの番組が終わった5分後に始まって、5分で終わる。
そして聞こえる、日付が変わる時報。
特別感を思い出す。
もう今は聴いていない。
#創作大賞2022

高校生だもの。#5

高校生だもの。#5

「 深夜、通話。」

深夜に始まった通話は深夜に終わる。
ノイズ混じりに聴こえてくる声と、深夜だから話せる話。
相手に自分の声がどう聴こえているのかふと気に掛かる。
「おやすみ」
その一言で切られた通話の後は、なんとも言えぬ余韻と現実に襲われる。あぁ夜だったと実感する。
手で持っている長方形の無機物は、時間を忘れさせてくれる魔法道具かもしれない。
#創作大賞2022