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【読書感想】ノーベル賞は人間ドラマでした。

最近、「ノーベル賞」について書いてある本を読み終えました。
今回はその本の読書感想回です。

終始、私ざらめの主観で話してますので、ご了承ください。

本の名前は、ノーベル賞 20世紀の普遍言語
初版が、1988年。
著者は、矢野暢(やの のぼる)さんです。

本の内容は、現在、世界的に権威ある賞のひとつとして数えられる「ノーベル賞」について、
1901年に始まるその当時の様子とか、
各賞ごとの授賞者の選考方法、選考に伴う葛藤とか、
世界各国の政府や経済界に対するスタンスの取り方とか、
「ノーベル賞」の内側について、いろいろな角度からまとめられている本でした。

なぜか面白かったです。

ちなみに、私ざらめは、これまでノーベル賞になんの興味もなくて、
まぁ、今後も毎年の発表なんて気にしないんですけど、、、

私のノーベル賞に対する認識は、「なにかハイソサエティな人たちの集まりが、私から程遠い人を表彰するイベント。」ってくらいでした。
今年は日本人が受賞しましたというニュースを聞いても、へぇー、って感じです。
そういった感じもこれからも変わらないんですけど、この本は面白かったです。

どこが面白かったかというと、
このノーベル賞。実行委員会のメンバーの方々は、おそらく、最初は嫌々始めて、
始めたらやっぱりめちゃくちゃ大変で、今も毎回非難されたり、これで良かったのかって自己嫌悪入ったりするけど、
でも最近は、そういうのと同時にすごいプライド持ってやってるっていう。
私ざらめは、終始「なんでやってんの?謎。」って思いながら、私の理解不能な思考の方々を知れたのが面白かったです。

このノーベル賞、
ことの発端は、ノーベルさんが残した遺書に「ノーベル賞やって。」って書いてあったのがきっかけだったらしいんですけど、
遺書と言えば真っ先に思い浮かぶのは遺産相続だと思うんですけど。
その遺産の振り分けが、親族を相当軽視した遺書になっていたらしく、親族ブチギレ。
遺言の無効を求める裁判沙汰になるくらいだったらしいです。
さらに、ノーベル賞が母国スウェーデンのための賞でなくて、国際賞として指示されていたことで、地元新聞から「愛国心なくない?」って非難されて、
さらに他では、なぜか階級思想的だって批判されてたり、
で、そもそも、ノーベルさんが授賞を担当して欲しいって指名したアカデミーや、母国スウェーデン国王の反応も良くない。
そんな完全アウェーな中で、ノーベルさんに遺書で指名されてしまった2名の遺言執行者さんが本当に可哀そうでした。

で、このノーベル賞、なんとか始めることが出来ても、中の人はそれぞれの分野でずっと、現在に至るまで悩み続けてるみたいです。
例えば、
「生理学・医学賞」では、授賞したあとに、おそらく間違いだったと判断したんでしょう。反省の対象として細かく検討し直したり。
後年に、以前の授賞を否定するような授賞者選定をしていたり。
「文学賞」では、選定に使える客観的な基準がないので、選考メンバーそれぞれの主観や哲学がぶつかりあうのが恒例行事で、
あと、授賞者が、選考メンバーの読める言語に偏りがちで、言葉の壁、文化の壁を超えるのが大変だったり。
ちなみに、言語的に読むの大変だったら選考から外していいから。ってルールもあったりするらしいです。
あとは、「平和賞」。平和がテーマなだけに、世界中を納得させられる選考でありたいっていう緊張感が相当だと思うんですけど、
ノーベルさんが遺書で、このノーベル平和賞をなぜかノルウェーの国会に委ねてしまってて、
本来、政治権力に対して中立であるべきノーベル賞が、
あえて言うと「いちばん」中立であるべき平和賞の選考が、
「いちばん」政治権力の介入を受けやすい場所で行われているカオス。

そんな感じで、
「あー、この方々そんな大変な賞、なんでやってるんだろう。
いくらノーベルさんに遺言で指示されたからって大変すぎない?とっくの昔に亡くなられた方の指示ですよ。」って
思いながら読んでいました。

ちなみにノーベルさん、生涯結婚せず独り身だったらしいんですけど、
女性嫌いってことはなくて、
晩年には、お花屋さんで売り子をしていた二十歳の女の子の虜になって、贅沢させてあげてて、
そんな中、その女の子はノーベルさんの知らないところで他の男と子供作ったりしてて。
そういう話もこの本の中で書かれていたので、なおさら、
このノーベル賞に関わっている人たち、なんでこんな大変なことに付き合ってるんだろう。って思いながら読んでました。

でもまぁ、任命された選考メンバーの人とか、関わっている人たちは、あのノーベル賞に携われてるっていう高揚感があったり、
それぞれの専門の方々でしょうから、それぞれの形でこの賞を突き詰めたいっていう想いもあるんだろうなぁ、すごいなぁ。と思いました。
私、ざらめも、突き詰めたいことを見つけたら、自分なりには頑張りたいなと思いました。

最後に、この本で紹介されていた詩を紹介します。
「スウェーデンの肩に かくも重く ふりかかりしこの課題 我求めたことなし
世界がスウェーデンの「吟味作業」を見守るとき 責任は果てしなく重し」

「ふりかかりしこの課題 我求めたことなし」って、、、
やっぱり嫌がってる気がします。。。

はい。今回はこんな感じ
最後まで聴いてくださりありがとうございます。

ざらめでしたー。

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