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"Not To Do リスト" が不要なほど無気力な夜に。

2023年の2月が終わろうとしています。

毎年、新しい年を迎えてからの2ヶ月は異様なほどに生きる活力が失われ、何もかもが面倒で驚くほど質の低い生活を送る羽目になる。
羽目になる、とか言ってるけど原因を作っているのは他でもない自分。
2023年も例に漏れず怠惰で無気力な2ヶ月を過ごした訳ですが、今年は輪をかけて酷い有様だった気がするので、未来の自分に「この年よりはマシでしょう」と語りかけられる日が来るかもしれないので備忘録的に記しておくこととする。

わたしに限った話ではないけれど、今年の年明けから訃報が続いた。続きすぎた。「またか。」なんて思いたくないことが何度も訪れると知らず知らずのうちに心は曇っていく。
ロシアの軍事侵攻も一年経過するのに終わる気配がない。無力感と嫌悪感。
個人的なことでは年末から家族が立て続けに体調を崩した。そして親しい友人が原因不明の病に犯されかなり衰弱し、入院した。そして、愛猫の命が尽きようとしていた。

なぜ毎年1月2月にエネルギーが不足するかというと、最も大きな理由は気温。とにかく寒いのに耐えられない。日本列島の中では温暖な地域に居住しているけど、やはり当たり前に冬は寒い。
寒すぎて全身が痛い日はそれだけでイライラする。つまり、怒りの沸点が通常より低い。それを自覚しているからトラブルを避けるべくなるべく余計な行動を起こさず、家に籠ることとなる。
家でじっとしているとそれだけ身体を動かす機会が減るため、必然的に筋肉や体力が落ちる。空腹も感じづらくなり食も細り十分な栄養を摂取せず気力も失う。それで、ますます引きこもる。完全な負のループ。

それでも、労働し、自治体の細かいゴミの分別に従い、晴れた日はシーツを洗濯し、地域の会合にも貴重な土日休みを献上し、我ながらよくやったと思う。
何もかも面倒くさい…と思いながらも日々を塗りつぶし続け、喜ばしいことに病に倒れていた友人は快復し仕事に復帰し、愛猫はまさかの奇跡の復活を見せてくれ、日中の気温が15℃を超える日も増え、無事2月の最終日を迎えることができた。
二ヶ月間省エネ体制で春に向けて充電していた訳でもないから、暖かくなったらやりたいことに満ち満ち溢れている!こともないのだけれど、もう十分色んなことを避けてきたし、そろそろエンジンをかけてもいいんじゃないかと思い始めている。

そんな怠惰な引きこもりの日々にも良いことがあって、それは読書が捗るということ。
映画を観ることさえ面倒に思えるくらいの時もあるのだけど、本は(適切に選べば)そんな人間にもとても優しい。
欲しい本は専ら密林で買うが、「今日どこにも出掛けてないな…」と焦った時に社会との繋がりと歩数を求めて図書館に行ったりもする。

ここで本日のタイトルにやっと繋がる訳ですが、先日図書館でふと見かけてPhaさんの『しないことリスト』(大和書房)を借りた。
Phaさんは以前ジェーン・スーさんと能町みね子さんとのトークショーで拝見し、その堂々たるゆるゆる(だらだら)っぷりが見事だなと敬していたのですが、怠惰ゆえなかなかその作品を拝読するに至っていませんでした。
なので、「おぉ、このタイミングで出会えたのも何かの縁だ」と思い読んでみたところ、現在の怠惰全開メンタルだった故かもしれませんが、紹介させれている36の "しないこと" にほぼ躓くことなく「完全同意!」という気持ちで完走し、本を閉じました。

2016年に出版されているのでアップデートされている内容もあるかもしれませんが、「しなきゃいけないことの99%は本当は別にしなくてもいいこと」というPhaさんの言葉には普遍性がありそうなので、アップデートも「しなくていい」ような気がします。

せっかくなので特に心に残ったことを記しておくと、

・自己責任は50%でいい?
『しないことリスト』
・不幸になりたくなければ、とりあえず温かいものを食べよう
(『じゃりン子チエ』のおばあちゃんの教えより)
『しないことリスト』

最近『自己責任』という言葉を見聞きすることが(無駄に)多いような気がして、それも心を疲弊させる原因のひとつじゃないかと考えていたんですが、「社会のせいばかりにするのも自分のせいばかりにするのもしんどいから、自己責任は50%くらいで考えておくのが自分に甘すぎず厳しすぎすちょうどいいんじゃないか?」というPhaさんの言葉は、自分に対しても他人に対しても持ち合わせておきたいなと改めて思いました。

そしてやっぱり『温まって寝る』というのは何ものにも変え難い、人がその人らしくあるために必要不可欠なものだと再確認しました。単純なことだけどとても大事です。

あと誤算だったのは、散々 ”Not to doリスト” を眺め『しないこと』を頭に叩き込んだら、逆に『やらなければいけないこと:To Doリスト』がいくつが湧いてきたこと。
「やらなくていい」と思ったら「やるべきこと・やりたいこと」を思いつくあたり、我ながら小者感があって愛しき人間ぽくて悪くないな、、とも思いました。

その一環でこの記事も残しておこうと思い立ち、果たして『しないことリスト』を読み重い腰を上げることになった結果については自分も意外だったし、Phaさんには感謝を申し上げたい気持ちです。

2月が終わるからと言って無気力な夜が今日で終わるという確証はないけれど、暖かい気温は多少のやる気を連れてきてくれると信じて。今夜も温かい布団で寝ることにしようと思います。

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