マガジンのカバー画像

詩/phenomenon.

28
別名義での詩を、こちらに。
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

【code=230429_涼しげな温もりを】

凍った星をグラスに。
溶けない夜に、融けてゆく。

かき集めた小さな光を、
ため息混じりに飲み干した。

全てを照らす大きな星が、
静寂を喧騒に変えるまで。

僕はただ思いを馳せて、
その向こうにいる君を描く。

明日もよき日になりますよう。
凍った星はまだ、優しく輝く。

----------
phenomenon.

【code=230427_1mm】

1mmの隙間が
君と僕の繋いだ手に空く

その隙間を埋めたくて
僕は手を握り直す

1mmの隙間が
君とのKissの唇に空く

その隙間を埋めたくて
僕はまたKissをする

1mmの隙間が
君と僕の心に空く

その隙間を埋めたくて
僕は君ともっと話したくなる

1mmの隙間
小さいようで
大きいようで

今日も君とぴったりと
一緒になりたいと願う

----------

phenomenon.

【code=230411_無題】

なぜだろう
景色が 視界が
色を失っていく

寂しくて
寂しくて
寂しくて

痛くて
痛くて
痛くて

苦しくて
苦しくて
苦しくて

頑張らなきゃ・って
自分を鼓舞しても
どこか力が足りなくて

君のメッセージが 言葉が
君の手触りが 体温が 声が
にっこり笑う表情が

欲しくて
欲しくて
欲しくて

愛しくて
愛しくて
愛しくて

泣きたくて
泣きたくて
泣きたくて

でも 約束したからさ

もっとみる

【code=190406_永久(とわ)の桜】

あれほど冷たく鋭かった風は
暖かく柔らかな息吹に変わり
いくつかの花の香りを纏って
心に温もりを届けてくれる

街のあちこちで桜が咲き誇り
華やぐ世界は楽しげに移ろう
笑顔が伝わり みんなが笑う
あの瞬間(とき)がもし
今も続いていたなら…

あの日君と見た桜が
今でも鮮やかに蘇る
君の肩にそっと乗った花びらは
今でも僕のお守りになっている

いくつもの日々と季節を越えて
離してしまった君の温かい

もっとみる

【code=201122_扉のむこう】

いつも夜になると
戻ってくる白い大きなモノ
あなたはいつもその中から
ゆっくりとおりてくる

手にしたなにかをおうちの扉のむこうに置き
出てくると笑顔で私に話しかける
“ちゃんとご飯食べたかい?”

少し冷える倉庫のなかで二人
私がご飯をもらって食べていて
あなたはそんな私の傍らで
にっこり微笑んで座っている

あなたの手は 土の香り
時々 苦い煙の香り
ちょっとしょっぱいあなたのその手が
いつも

もっとみる