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ウェルネスやエコに関する雑考(ホテルに泊まって思考ドライブ ⑨:GOOD NATURE HOTEL)

明らかに投稿頻度が落ちてきている。しっかりアウトプットして、思考ドライブさせていかないと、つまらない人間になってしまう。

さて、前回の記事では2月に宿泊したGOOD NATURE HOTELの宿泊記録を書いた。結構、渾身のレポートができたと思ったのに、意外とレビューが伸びない。やはり、長すぎて要点を押さえられてないか。

気を取り直して、今回はこの施設・ホテルの名前である "GOOD NATURE” というワードから、ウェルネスやエコとかその辺のことを考えていこうと思う。

前提としての自分語り

前提として、少し捻くれた考え方の自分は、普段からWellnessやSDGsみたいな概念があまり好きではない。

狂信的なまでのヴィーガンや、執拗なまでに扇動する環境活動家はもちろんのこと、もう少しライトな感じでも、悪意なくエコやウェルネス的な商品をオススメするインフルエンサーや、それに賛同し挙句そうでない商品を使用する人を批判する人に違和感を覚えることもある。

この違和感の正体はなんだろうか。当然様々な価値観があってしかるべきだと思うし、そういうところに価値観を置く人を否定することはないのだが、そういう人達が、都合のよいところでエコとかウェルネスという単語を錦の御旗のように振りかざす場合があって、批判を寄せ付けない、高圧的な「善」のように感じてしまうからだと思っている。

「○○はこういう点では地球環境に優しいが、××という点には注意が必要」とか、そういう複雑ながら、よりベターを選択する、という時に、エコやウェルネスの概念を使うべきだと思う。

"GOOD NATURE" とは

"GOOD NATURE" という概念の意味するところを確認するため、HPに掲載されているコンセプト文を見てみよう。

「人にも、自然にも、良いものを」
それはもう、いまを生きる私たちには、あたりまえに大切なことです。
でも、健康や環境にストイックに向き合うことは、
本質的なしあわせとはちょっと違うと思います。
これからの時代に必要なのは、我慢するのではなく、
楽しみながら、健康的で良いものを自分らしく取り入れるライフスタイル。
それが「GOOD NATURE」という新しい考え方です。
古来より京都に根付く、自然を敬いながら生活に取り入れる知恵を生かし、
自然にも人にも心地よくて楽しいモノ・コトをご提案していきます。
新しいライフスタイルの幕開けを、どうぞお楽しみに。

「人にも、自然にも」という良いとこどりが、この "GOOD NATURE" の神髄のようだ。何とも耳障りが良いが、どういうことだろう? 先に書いたように、あまりウェルネスやエコという概念に違和感を感じる自分は、この ”GOOD NATURE" の都合のよさにも正直違和感を覚えていた。

そうはいっても、時代はやはりそちらの方に傾いてしまっている。(それが本音かどうかはともかく)SDGsやESGについて考えない投資家はもう時代遅れだ、そんな流れさえある。

よくわからないものを批判するわけにもいかないし、自分の中でもそういうこの概念意味するところを理解するためにも、ホテル宿泊者向けに GOOD NATURE STATIONの館内ツアーに参加してみた。

館内ツアー概観

GOOD NATURE STAITONは4階以上がホテル、3階から下が商業施設となっている。京阪グループが新しくビオスタイル㈱という会社を立ち上げて、ウェルネスやエコをど真ん中にしたライフスタイルショップとしてオープンしたのが、この施設だ。施設運営だけでなく、商品の企画・販売まで行い、京阪グループが今後、こういったライフスタイルの提案にも力を入れていくという気合の表れを感じる。

ツアーはチェックイン直後の夕方頃の時間帯で、3階から1階まで順に店舗や施設での取組について紹介してもらったので、記憶の範囲とホームページやパンフレット情報から抜粋して、少し紹介したい。

NEMOHAMO」は、植物の根・葉・茎を余すことなく使用し、水・石油由来の原料を一切使うことなく、天然成分のみで作ったオリジナルコスメのショップ。容器にサトキビ廃液由来のバイオマスPEを採用したり、国産原料を積極的に使用したり、生産プロセスにまで ”GOOD NATURE” を徹底しており、そのため商品は結構なお値段となっている。

ちなみにサムネのカウンターも何か自然素材で作っているみたいな話だったような気がする。

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スイーツブランド「RAU」は、インスタ映えするような可愛らしいチョコが店内に並ぶのだが、その生産の過程では年間で何十トンというカカオの殻(ハスク)が出るそうだ。1階のマーケットでは、通常は廃棄されてしまうそのカカオハスクを利用した醤油やカレーが販売されている。(お土産がてら買っただし醤油はコクがあって美味しかったです)

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1階マーケットでは、ナッツの量り売り、イートインスペースでの分別の徹底、など"GOOD NATURE" を体現した諸々のサービスや取組がなされなている。

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他にもツアーを通して、これでもかというくらい、"GOOD NATURE" な取組ポイントを聴いたのだが、案内スタッフは真面目に、でも、イキイキと話をされていて、その様子が印象的だった。

ERUTANでの朝食

1階のマーケットの奥には "ERUTAN" という可愛い響きのレストランが入っている。この店名は ”NATURE” を逆から綴ったもので、そのネーミングセンスが憎い。

ホテルの朝食会場がこのレストランであり、いかにもインスタ映えなメニューだったので紹介したい。(写真はうまくないのであしからず)

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15種以上の野菜と生ハムのサラダ、金時人参のポタージュ、ヨーグルトとビーポーレンのパフェ、宇治の平飼い卵「ヤドリギ」を使用したスフレオムレツ、、、

なんか、狙いすぎてる気もするが、圧倒的にホテルの朝食感」を感じたし、「身体にいいもの食べてるなー」という感覚がすごい。とにかくどれもめちゃくくちゃにオシャレで美味くて、一瞬でファンになった。

結局私は何を言いたいのか?

久しぶりに宿泊記録以外のnote記事を書いているが、全然文章がまとまらない。ひどい。

ウェルネスやエコは胡散臭いし、押しつけがましいんじゃないの?というところがスタートだったはずが、館内ツアーやホテルの朝食を通して、この "GOOD NATURE" という概念の居心地の良さの虜になってしまっている

館内のインテリアや商品パッケージ、朝食の盛り付けなど、まず見た目がオシャレで、可愛く、見ていて楽しい。そして、そこで働いている人たちが自分たちのブランドに自信を持っている。この前向きな感じは、あまりにストレートで、嫌味らしさがない。

とはいえ、最初の胡散臭さや都合のよさを完全に払拭し、私もウェルネスやエコを啓蒙したい、というほどの変化を与えたかというと、そこまででもない。それは、やはりほんの一瞬違和感を感じたからだ。

そのエピソードを話しつつ、長い雑考を〆にしたい。

館内ツアーの途中で、ガイドをしてくれたスタッフさんが、NEMOHAMOの紹介の中で「私もサトウキビの収穫に行ったりするんです」という話をしていた。「研修的な感じですか?」と聞いたら、「いえいえ、ちゃんとスタッフとして、汗かいて作業してます」という回答が返ってきた。

その回答が「遊びでやってるわけではなくて、私たちは真剣です」というニュアンスのこもった語気の強いものだったので、「あぁ、すみません」という思いとともに、ひねくれた私には「わざわざ飛行機で飛んでいってそれやってるの? そのエネルギーロスみたいなのは考えたことあるのか?」という反論をしたい思いが少し芽生えた。

 ”GOOD NATURE" の、居心地の良さや真直ぐな態度は見習っていきたいし、多分これからもファンだと思う。でもやはり、この僅かな違和感も忘れないでいたい。盲目的にならない、というのが、私のいつもの結論。

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過去記事はこちらから。



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