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京都のホテル宿泊記録(⑦Ace Hotel Kyoto)

ようやく泊まってきましたよ、エースホテル京都。大学の時には「京都で好きな建築は何か?」と聞かれたたら「新風館」と答えてきて、就活の時にはNTT都市開発を第一志望にしてきた私ですから、このホテルはいつか泊まりたいと思っていました。(あ、ちなみに就活では二次面接くらいであっさり落とされて凹んだのを覚えています)

ここ数回は出張で泊まったホテルの記録を書いていますが、今回は年末に帰省ついでにプライベートで泊まったホテルの宿泊記録です。ちなみに昨年からお付き合いしている方との初めての旅行だったのですが、いつも通りガッツリ写真撮影とか測量とかしてました。

ところで、エースホテルの入る新風館については、過去2回記事で触れていますので、新風館やホテルの紹介などはそちら譲るとして、今回は純粋にホテルの宿泊記録として書いていきたいと思います。過去記事はこちらからどうぞ。

昼前に京都について、そこから荷物を預けるためにホテルへ。地下鉄から直通で新風館にアクセスすると、いきなり中庭とご対面。以前の新風館のおおらかなスケール感を知っている身からすると、やはりこの中庭はこじんまりとした印象を受けます。

金網のサインがオシャレ
小路のスケール感が良い感じです

エントランスの裏側からアクセスするとロビーはこんな感じ。木の架構と華奢なパイプの先の照明が印象的な空間です。1泊2日の滞在中、やはりこのロビーは常に賑わいを見せていました。

スタンプコーヒーの入り口のケトルがかわいい

チェックイン前なので荷物を預けるのですが、やはりスタッフさんの制服がおおよそホテルのスタッフと思えないカジュアルさで、この辺りが普通のホテルではないな、というポイントだと思います。

荷物を預けて、午後からは京都市内をウロウロ。普通の京都観光マップには載っていない変なコースで2万歩超歩いたのですが、まあそれは置いておいて、、、ホテルの近くのお店で夕ご飯を予約していましたが、少し時間が空いたので先にホテルにチェックインしました。

奥に見えるカウンターは銅製のもの

今回宿泊したのはスタンダードツイン(36㎡)とゆったりした部屋。本当は旧館の客室にでも泊まってみたいものなのですが、流石にお高いので新館の方です。

館内案内がタペストリーでオシャレ

部屋の図面はこんな感じ。半端な位置の部屋だっため、整形ではなく少し水回りが飛び出した形になっています。雑誌で変わったレイアウトを観て、それを想像していたので、手前に水回り、奥にベッドという構成は意外と普通だと思いました。

次あたりイラレとかで描いてみようかな

部屋の奥がこんな感じ。部屋はベージュのカーペットと白い壁でシンプルです。対照的にオレンジとブルーのカーテンや赤ベースのクッションなどが、柔らかな印象でそれでいてアクセントになっています。

窓際手前のテーブルのサイズ感もよい

窓際がベンチとなっているスタイルは、シークエンス渋谷でも見た形。でも、このクッションの横に置かれているのがBluetoothのスピーカーではなく、レコードプレイヤーなのがエースホテルたる由縁でしょう。

ベッドボード上のアートやベッドカバーはアースカラーで、オリエントというのか、ネイティブアメリカな感じもして、東洋と西洋が出会うというホテルテーマにピッタリな感じです。

アースカラーのベッドカバー

壁際の長机は木の淵に黒の天板で締まりのある印象。レターセットや水の瓶など小物の雰囲気が合っています。

4m弱もある長いテーブル

入り口側に茶器やグラス、冷蔵庫が納まる棚とクローゼット。こじんまりしすぎず、かといってスケールアウトせず、シンプルにまとまっています。

引き戸が鏡張りになっています

夕食後ホテルに戻ってきてから、レコードを触ってみました。蓋にあるQRコードを読み取ればレコードの使い方のガイドが出てくるのですが、音を流せるようになるまで10分くらい格闘する羽目になりました。でようやくレコードから音が流してみると、これがアナログ感か〜と、ベタな感想しか出てきませんが、置いてあるレコードのセンスが良いので、ただ流すだけでそれなりにチルな雰囲気の空間になりますね。

窓際の雰囲気がチルい

水回りはこんな感じです。床の黒のタイルと木板貼の壁が清潔な印象。そして何と言ってもこの水回りの印象を決定づけているのはこの洗面台と楕円形の鏡だと思います。楕円形の鏡は木枠に支えられた金属製の突っ張り棒のようなものから吊り下げられるように見えるディテールとなっていて、この辺りの見せ方が巧い。

水回りのカラーセンスがとても好きです

グラスの納まる棚に扉がついていたり、壁付で拡大鏡がついていたり、機能性もしっかりしているのも良いなと思います。

後はいくつか小ネタです。

丸見えのコネクティングドア
玄関付近には荷物置きにもベンチにもなる木製の台
ドンディスがカードでなく箒なのもかわいい
窓際の梁と柱の取り合いが綺麗に納まっています
外壁ルーバーの取り付け部分

朝食は3階のメインレストランでした。行燈のような照明、アースカラーな柄の壁が印象的ですが、手前のエリアは障子のような壁で空間が囲われて落ち着いた空間となっていて、対照的に奥は、隣の駐車場棟の屋上緑化を臨む大きな窓で非常に明るい空間となっています。ほとんどの席が埋まっていました。

行灯型の照明がかわいい
ほとんど満席でした

いかにもアメリカンな朝食をいただきました。アボカドサラダとグラノーラみたいなヘルシーなものもあります。

オムレツとベーコンのアメリカンスタイル

実測しているうちにチェックアウトの11時前くらいになって、名残おしい中いそいそと新風館を後にしました。エースホテル内には他にもイタリアンやタコスのバーなど、レストランがいくつか入っているので次回訪れる時にはレストラン利用したいな、と思います。

新館側の外観はやはり好きになれない

エースホテルはいろんな雑誌やメディアで取り上げられてかなり話題になりましたし、ライフスタイルホテルの権化のような感じでもあるので、正直デザイン先行で使い勝手や居心地はどうなのかな?と思っていたのですが、結果としては良い意味で印象は裏切られました。

カーテンやクッションといったファブリック、レコードや小物などのチョイスは攻めているなと思うのですが、そのベースとなる空間に余白があり、ちょうどよいバランスに感じました。そして、テーブルや窓際のベンチの高さ、水回りの機能の充実など使い勝手を非常によく考えて作られていてストレスに感じるところがほとんどなく「何だか居心地が良い」ホテルになっているような気がします。

サービスなど少しカジュアルすぎると感じる人もいるかもしれませんが、この言葉にしづらい「何だか居心地が良い」の感覚がライフスタイルホテルとしての価値の高さじゃないかなと考えています。

ホテル宿泊記録をあげています。


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