よくわかるポパーの反証可能性 カール・ライムント・ポパー

wikipediaの説明も十分わかりやすいんだけど、自分のことばでもまとめて見ました

つらつら補足していくけど、そもそも論として、ポパーの考える「科学とは何か?」「真理とは何か」の考え方には、とある前提があります。

ポパー「絶対的な真理を、証明することは不可能だ」「絶対的真理を知らない人間が、科学理論の絶対的真偽を判定できるわけない」

※【わい補足→裁判官が法律を知らずに犯罪を裁けるわけないよね?科学者も絶対的真理を知らないのに「オレの理論こそ真理だ」なんて言い出したらおかしいよね?】

ポパー「ただし、反証によって、絶対的な真理ではない『偽』の科学理論・仮説を取り除くことだけが可能なんだ!」

ポパーの用語
・反証可能性→まともな科学の理論・仮説には、矛盾する証拠や仮説が存在する可能性があるはずだ
・反証→科学理論・仮説に矛盾を突き付けて反駁する、具体的な証明・具体的な実験をやること

科学における『正しさ』とは、否定的、消極的、間接的な意味の正しさ
→『絶対的に正しいとはいえない、しかし、矛盾が少ないから、間違えにくいだろう』

@「いや、絶対的に正しい真理は証明できる!」
いや、無理っすよ

太郎「すべての白鳥は白い!」
次郎「全部の白鳥を調べたことあるの?全部の白鳥調べるの無理じゃね?そも、白鳥は毎年〜毎日生まれたり死んだりしてるけど、リアルタイムで観察し続けられるの?」
太郎「それもそうかぁ。『すべての白鳥は白い』は、すべての白鳥を調べるのが無理っぽいから、絶対的に正しいとはいえへんのか…」
次郎「『相対的な正しさ』ってやつだよ。『たぶん正しい』とか『白鳥の体色は白い可能性が高い』て言う方が、『絶対的に正しい』より正確な説明になるんだよ」
太郎「なるほど…まぁ黒い白鳥が出てくることは、ほぼなさそうやけどなwww」
三郎「1697年にオーストラリアで黒い白鳥が見つかってるよ
太郎次郎「「マジで!!?」」

ポパーさんは、科学的に正しい理論・仮説は、あえて反証(矛盾を突き付けて破綻しないかチェック)し続けて、それでも残っているものを、使った方がベターだと考えてる

要は、矛盾だらけのやり方、実践的じゃないやり方、不合理な要素が多すぎるやり方、妄想が混じった方法、現実を無視するやり方etcよりは、

反証テストをやりまくって、暫定的に残っている科学の手法を使う方が、バカなやり方を選ぶよりはマシじゃね?てことを言ってる

絶対的な正しさを証明できなくても、間違った理論は却下したり、間違いを修正して使っていけばいいんじゃないの?
間違いを探して認めるために、あえて科学理論・仮説の矛盾を探してテストする/できる可能性がある それがマトモな理論・仮説だってこと

ガタガタですぐ壊れるハサミを使うより、耐久テストに耐えた丈夫なハサミを使うのは当たり前でしょ?

絶対に壊れないハサミは作れないけど、壊れにくいハサミを使うのは当たり前やんけ。

壊れにくいハサミだって、無理矢理壊そうと思えば壊す手段は有り得るし、使い続けたら、ボロボロになって壊れやすくなる可能性は有り得るっしょ?

科学の当たり前は反証じゃないんですか?ふだんの生活でも反証を使って、破綻している矛盾だらけの判断を捨てた方がええと思うよ

ポパーの考え方ってこんな感じなんやと思いますよ🤗


オマケのオマケ
反証可能性には、論理的な意味と実験的な意味があるらしい
ポパーは「反証可能性」と「反証」の言葉の意味を区別して使ってる

・反証可能性
→論理的な意味で、反証可能性がある
→論理的な意味の反証可能性とは?
→原理的には反証される可能性はあるけど、実験で確かめにくい/確かめるのが不可能な理論・仮説も有り得るよね。
・反証可能
→科学の実際の場面における反証。実験、実験的証明で偽とする。実際に反証をやる、やれそうって意味合い。

◯科学的といえる理論・仮説とは?

①原理的には反証可能であるが、実際には反証がまだ行われていない言明
→論理学的な意味の反証可能性
②実際に反証されてしまった言明
→反証可能であったことは明白や。間違いだったけど、矛盾を受け入れて取下げた点は、クソバカ理論とは違うね

→もしくは、これから実験で反証して破綻しないか確かめようとしている理論・仮説(まだ実験してないけど、反証できる可能性は確かにある理論)に対して使う言葉
・実験的な意味の反証
→反証的な実験(反証テスト)そのもの。反証を実践すること


反証で大事な要素をwikipediaから引用

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E8%A8%BC%E4%B8%BB%E7%BE%A9

参考文献
・科学的発見の論理 
・実在論と科学の目的: W.W.バートリー三世編『科学的発見の論理へのポストスクリプト』
・カール・ポパーの生い立ちと哲学 伊勢田哲治 ←ネットで読めるポパーの分かりやすい解説のPDF。
あとwikipediaで反証主義とか、検証と反証の非対称性とか、反証関連のリンクへ飛びまくったらええよ👍

あと、数学Ⅰの集合と命題とか、確率、場合分けの数学をやり直しておくと、ポパーの言ってることが分かるようになるかと。

20231222 一部修正

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