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20050920 ETCカード放置の危険性

 ETC$${^{*1}}$$カードを車内に放置することは危険だろうか。

 ETC$${^{*2}}$$とは、有料道路の料金自動支払の仕組みである。自腹を切って「車載器」と呼ばれる認識装置を購入$${^{*3}}$$すると料金支払所の自動支払専用門を通過することができる。この仕組みが全国の有料道路に部分的に導入された当初、この装置を自分の自動車に装着する利点は通行券の受け取り時、利用料金の支払い時にかかる時間を数秒から数分節約できることのみであった。現在は、この仕組みを使うと大幅な割引$${^{*4}}$$が得られる(※2005年執筆当時の制度)。

 自分の自動車に装着した装置の中に「ETCカード$${^{*5}}$$」を入れて初めて装置が働く。このカードで通行料金を支払う。自分の自動車の装置がカードの内容を読み取り、その内容を料金所通過時に装置が自動的に申告して、登録した口座から利用料金を徴収する。このやり取りは料金所通過時に電波を使って一瞬にしてなされる$${^{*6}}$$。

 前払い分$${^{*7}}$$があれば、そこから料金が差し引かれる。前払いがなければ、クレジットで請求される。ただし前払い制度も今年で廃止される$${^{*8}}$$。廃止されると言っても来年から新たに前払いすることができなくなるだけで、これまでに前払いした残高は保持される。

 ETCカードには前払いに関する情報やクレジット情報が含まれている。車内に放置して盗難された場合、損害を被るかもしれない。しかし盗難されたら直ちにクレジットカードの利用停止手続きをするだろうから、大損害にはつながらないだろう。それに盗んだ方もETCカードでは有料道路でしか使い道がないので殆ど意味がない。

 ETCカードは「車載器」がなくても使うことができる$${^{*9}}$$。料金所の通常門で係員に差し出せば、処理できる。盗んだETCカードでも使える。使えるが、使えば利用履歴が残る。しかも料金所では全ての車両の登録番号を自動的に読み込んでいる$${^{*10}}$$。その盗んだETCカードを使った車両を「車載器」で電波のやり取りをすることなく特定することができるのである。この様な危険を冒してまで盗んだETCカードを使うとは思えない。

 前払いを払い戻しされる可能性はどうか。払い戻しは本人でも原則できない$${^{*11}}$$のでこれも問題ない。

 となると車内に放置することによる盗難の危険性$${^{*12}}$$は殆どないことになる。放置によって熱でカードが変質することもあるかも知れないが、ダッシュボード$${^{*13}}$$の上に置かなければこれも問題ないだろう。むしろ持ち歩いて紛失する危険性の方が高い。

 カードの放置よりも期限切れの方が問題である。ETCカードはクレジットカードと連携しているので有効期限がある。有効期限を過ぎると通行門の遮断機$${^{*14}}$$が開かなくなる$${^{*15}}$$らしい。期限が切れていても車載器は正常にカードを認識する$${^{*16}}$$ので、期限が切れているかどうか気付かない。クレジットカードの有効期限など普通の人は確認する習慣が全くないので、車内に放置していてもしなくても期限切れ忘れは防ぎようがない。

 有効期限を認識する車載器の登場が望まれる。

*1 20050919 ETCの導入
*2 早わかりETC ETCの概要 ETC総合情報ポータルサイト
*3 20030819 ETC
*4 ETCマイレージサービス
*5 国土交通省道路局 ETCのシステム概要
*6 ドラなび・ETCのご案内
*7 ETC前払割引サービス
*8 前払金支払受付と登録受付の終了について
*9 車載器のないクルマで、ETCカードが使えますか。
*10 20000114 高速道路の目
*11 ETC前払割引サービス ■ ETC前払割引サービス利用約款
*12 ETCカードは、必ず抜き取らなくてはいけないのですか。
*13 カルソニックカンセイ:インストルメントパネル
*14 ETC利用上の注意点 ETC総合情報ポータルサイト
*15 ETC利用上の注意点 ETC総合情報ポータルサイト ETC安全走行ガイド
*16 クルマ特集『ETCのススメ?』:サンマル・スタイル

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