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20030819 ETC

 高速道路のETC$${^{*1}}$$とは、高速道路の利用料金自動徴収装置$${^{*2}}$$のことである。これによって料金所で一旦停止しなくとも利用料金を支払えるので便利である、と料金を徴収する側$${^{*3}}$$は主張している。

 確かに便利かも知れないが、このETCを利用するためには自腹を切って自分の自動車に装置を取り付けなければならない$${^{*4}}$$。取り付けるのは装置と取り付け工賃とで最低でも2万円程度は必要である。ETCを利用することによって、それだけの利益を得ることが出来るのだろうか。

 しょっちゅう高速道路を利用する人はそれなりの利益を感じることがあるかも知れないが、年に数回程度の利用では全く嬉しさはない。

 行政はETCが普及することで「料金所渋滞の緩和$${^{*5}}$$」すると主張している。確かに料金回収の効率が格段に向上するので渋滞の緩和にはなるが、「渋滞の解消」にはつながらない。ETCを利用する自動車が増えれば料金所で渋滞は必ず発生する。何故ならETCの門を通過するには減速をしなければならない$${^{*6}}$$からである。減速すれば流れは滞る。従ってETCは渋滞の本質的な解決には全く役に立たないことになる。

 そんな誰のためか分からないような仕組みに自腹を切る酔狂な人はいるものかと思っていたが、最近はかなりいるらしい$${^{*7}}$$。

 そもそも何故金を取る側の都合で、更に払う側が金を余分に出さなければならないのか。もっと他にやり方はないのか。利用料を只にするのが一番いいが、なかなかそれは難しそうである。

 大抵の料金所では自動車の登録番号を自動的に読み取っている$${^{*8}}$$。この仕組みを使って料金を請求するようにすることは出来ないのだろうか。読み取り能力が確実ならば、全く減速は必要ないだろう。通過すればあとで料金の請求が来る。支払は銀行引き落としやコンビニエンスストアなどで済ませる。利用者は道路利用料金以外の負担は一切ない。ロンドンでは渋滞料金をこういった方法で徴収している$${^{*9}}$$らしい。

 ETCはある程度普及するだろう。従来の料金所がなくなるまでには相当時間がかかるに違いない。そうなってから自分の自動車にETC装置を装着しても全く遅くはない。

*1 料金所はノンストップへETC
*2 料金所はノンストップへETC ETCとは
*3 国土交通省 道路局ホームページ
*4 料金所はノンストップへETC ご利用方法
*5 料金所はノンストップへETC メリット
*6 料金所はノンストップへETC 料金所の通り方
*7 ETC累計100万人達成
*8 20000114 高速道路の目
*9 auto-ASCII ロンドンでロードプライシング開始---東京プランはどうなった?

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