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20010915 ホタテエラカザリ

 また、嬉しくなる生き物を見つけた。チョウチンアンコウ$${^{*1}}$$やジストマ$${^{*2}}$$などの生態が人間に比べると異様であることを以前書いた。その生態を人間に当てはめて色々想像すると楽しい。

 今回、web上で見つけた生物はホタテエラカザリ$${^{*}3}$$という甲殻類である。写真を見ると蟹の甲羅ような形をしているが、ミジンコ$${^{*4}}$$の仲間らしい。

 カイアシ類$${^{*5}}$$と言うようだ。漢字で「橈脚(かいあし、とうきゃく)類$${^{*6}}$$」と書く。代表的なのはケンミジンコ$${^{*7}}$$だ。因みにケンミジンコを漢字で書くと「剣微塵子」だった。今まで何となくケンミジンコの「ケン」はその足の形から「剣」ではないかと勝手に想像していたが、その想像が当たっていた。

 ケンミジンコの仲間だが、ホタテエラカザリは写真で見て判るようにケンミジンコとは全く違う形をしている。ホタテエラカザリの名前が示すようにホタテガイの鰓に寄生して生活している。足は完全に退化して口はホタテガイの血管と直接つながってしまっているらしい。その形は昆虫の仲間で同じように樹木に寄生するカイガラムシ$${^{*8}}$$によく似ている。このカイガラムシも脚や羽が退化している。

 ホタテエラカザリもカイガラムシも写真に写っているのは雌らしい。カイガラムシの雄$${^{*9}}$$は普通の昆虫と同じように羽と脚とがあって飛び回ることが出来るようだ。ところがホタテエラカザリの雄は雌の体の中に棲んでいる$${^{*10}}$$。幼生のうちに雌の産出孔から入って、体内に潜り込むらしい。雄は生殖だけをすればいいので恐らく脚や口も退化していることだろう。

 人間に例えると、ああ、恐ろしくて書けない。

*1 20000531 チョウチンアンコウ
*2 20000827 ジストマ
*3 奇妙な甲殻類
*4 甲殻類図鑑 -小さな甲殻類の顕微鏡画像データベース-
*5 カイアシ類とは:竹原ステーション(水産実験所)
*6 Copepoda 「橈脚類」は何と読むか
*7 カイアシ類
*8 ツノロウカイガラムシ
*9 カイガラムシの生態 -- 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会 --
*10 http://research.kahaku.go.jp/zoology/kaisei/hp-9/images/hotate-f.jpg

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