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20031023 石垣島(3) 有孔虫

 西表島の星砂の浜で星の砂を採ってきた$${^{*1}}$$。浜の入り口の出店$${^{*2}}$$ではおばさんが星の砂などを売っていた。

 写真の小さい方の瓶$${^{*3}}$$はその店で買った。100円だった。この小さい瓶の方は全部「星の砂」である。

 海岸の砂には少ししか星の砂がない$${^{*4}}$$のに、どうして瓶一杯の星の砂があるのだろうか。おばさんに聞いてみると、砂を選り分けているのだという。選り分け作業の途中の砂を入れた白い箱を後ろから取りだして見せてくれた。店が暇な時に手で選り分けているのだという。

 大粒の星の砂は「太陽の砂」という名前で売っていた。これは200円だった。これは選り分けるのではなく、生きた星の砂を直接採取して乾燥させて作るらしい。

 生きた「星の砂」とは有孔虫$${^{*5}}$$のことである。有孔虫は殻をもったアメーバ$${^{*6}}$$で、星の砂はその殻$${^{*7}}$$である。有孔虫というのは以前から聞いたことがあったが、どんな生き物かは知らなかった。有孔虫の名前の由来は殻に穴が沢山空いている$${^{*8}}$$かららしい。

 この有孔虫は海藻などにくっついているらしい。これを集めて「太陽の砂」を乾燥させて作るという。引き潮の時の「星砂の浜」の砂の殆どが「星の砂」になっている$${^{*9}}$$らしい。我々が訪れたときは少ししか含まれていなかったので、満ち潮だったのかもしれない。

 「星の砂」と「太陽の砂」とでは種類が違うという話し$${^{*10}}$$もある。前者は「バキュロジプシナBaculogipsina$${^{*11}}$$」という名の有孔虫で、後者は「カルカリナCalcarina$${^{*12}}$$」という名前の虫らしい。100円で買った瓶の中味をよく見ると大きめの砂粒とカルカリナ$${^{*13}}$$も混ざっている。

 驚いたことに星の砂で出来た島がある$${^{*14}}$$らしい。鳩間島$${^{*15}}$$という西表島の北にある。今度、西表島に行ったときはこの島にも行かなければならない。

*1 20031022 石垣島(2) 星の砂
*2 kiosk.jpg
*3 starsand.jpg
*4 sand.jpg
*5 Image Quest 3-D Stock Library and Wildlife photography Star Sand
*6 阿嘉島臨海研究所 星砂の生物学 Biology of star sands,Baculogypsina sphaerulata(Foraminifera)
*7 課題研究の指導(理科)サンゴ礁生物を用いた教材の開発-有孔虫(ホシズナなど)による二酸化炭素の取り込みの理解を通して-
*8 Gallery of 3-D Images Starsand
*9 旅人の部屋めいん 西表島 星砂の浜(いりおもてじま ほしずなのはま)
*10 Gen-yu's Files 愛の星砂
*11 原生生物図鑑メニュー Sarcodia: Rhizopoda: Foraminifera
*12 原生生物図鑑メニュー Sarcodia: Rhizopoda: Foraminifera Rotaliina亜目
*13 Selected Examples of Biologica's Projects Examples of Foraminifera
*14 八重山諸島の自然 バキュロジプシナ(固有動物)
*15 各島の概要

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