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20020512 バイオライト

バイオライト$${^{*1}}$$」という卓上の照明器具を買った。

 「Biolite」とは生体とか生命を意味する「bio-」と光を表す「light」を略した「lite」とを組み合わせて作った言葉であろう。何故「bio」か。目に優しい、目のことをよく考えたと言うことで「bio」と付けたのかもしれない。「bio-」と付くとそれその物が生体工学を応用した様な語感がある。20年以上前のアメリカ製のテレビジョンドラマであるバイオニック・ジェミー$${^{*2}}$$を思い出す。

 バイオライトも何か生物工学を応用した光源、例えば蛍の発光原理$${^{*3}}$$を用いた光源を使った照明、というような想像をしてしまう。そうではなく、照明が人間の目に与える影響を考えてある$${^{*4}}$$から「bio-」である。

 特に光のちらつきを無くしているらしい。家庭用の100V電源は50か60Hzの交流$${^{*5}}$$である。交流とは電気の流れる方向が常に変化していることをいう。60Hzの交流ならば、1秒間に60回電流の向きが変わっているということである。電球に60Hzの交流を流せば電球は1秒間に60回点滅$${^{*6}}$$していることになる。交流ではなくいつも電流の向きが一定の直流$${^{*7}}$$を電球に流してやれば点滅はなくなる。

 電球ではなく蛍光灯でそれをやったらどうなるか。直流でも蛍光灯は光らせることはできる。電球はフィラメントが電流によって発熱させた結果、フィラメントその物が光る$${^{*8}}$$。蛍光灯はガラス管の中で放電を起こし$${^{*9}}$$、放電によって発生した紫外線がガラス管の内側に塗ってある蛍光物質を光らせている。

 直流で放電$${^{*10}}$$すると電極の極性によって紫外線の発光の偏りが生じる。直流で蛍光灯を点灯させると蛍光灯のどちらか一方が暗くなってしまう。これでは使い物にならないので交流で点灯させる。常に電流の方向が変わっているので蛍光灯全体が満遍なく光る。

 従って蛍光灯も交流で点灯させた電球と同じようにちらついている。50や60Hzで電流の向きが変化しているので目がちらつきに追いついて気になるのだが、ちらつきの速さ、周波数をもっと上げれば目が追いつかなくなり、ちらつきが判らなくなる。インバーター$${^{*11}}$$を使った蛍光灯はちらつきが見えない。

 バイオライトは電球を使っている。交流電源を直流に変換してやれば電球のちらつきは完全になくなる。まぁ、これだけで「bio-」というのは大袈裟のような気もしないでもない。

 因みにSONYの「VAIO$${^{*12}}$$」シリーズは「bio-」とは少し関係がある。「VAIO」のロゴタイプの基本は「VA」でアナログを表す正弦波、「IO」でデジタルを表すアラビア数字「10」の組み合わせであるが、「バイオ」という発音から「bio-」を連想させる$${^{*13}}$$効果も期待しているらしい。

*1 biolite
*2 Sci-Fi Channel: The Bionic Woman
*3 ホタルのおしりはどうして光るの | 昆虫 | 科学なぜなぜ110番 | 科学 | 学研キッズネット
*4 バイオライトは、こんな方へおすすめします。
*5 20001003 境界
*6 光のチラツキを解消。
*7 20000626 テスラ
*8 20000519 冷凍光線
*9 電球形蛍光灯の構造と発光原理
*10 グロー放電(glow discharge)
*11 調光インバーター
*12 VAIO / ENJOY VAIO
*13 The philosophy of VAIO「VAIO」の由来とフィロソフィー

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