20090227 折り紙(3)
笠原邦彦氏の「最新 折り紙のすべて$${^{*1}}$$」と言う本を眺めていると、見れば見る程、凄い本だと思えてくる。
この著書は二部構成$${^{*2}}$$になっていて、前半は古典折り紙、後半は「ユニット折り紙」と言って一枚の単純な折り紙を単位というか細胞として、それらを複数組み合わせて形を作り上げる折り紙のことである。
古典折り紙では「千羽鶴折形$${^{*3}}$$(1797年)」「折形手本忠臣蔵$${^{*4}}$$(1800年頃)」「かやら草$${^{*5}}$$(1845年)」資料としている。それぞれ、各種各様の千羽鶴、仮名手本忠臣蔵の場面十二景$${^{*6}}$$の人物を折り紙にしたもの、ほおずき、蛸、ひな人形、六歌仙など雑多なものの折り紙の作り方が掲載されている。
ユニット折り紙$${^{*7}}$$では花やくす玉、各種多面体の作り方が掲載されている。ここで取り上げられているユニット折り紙を全部作るには二千枚以上の紙が必要らしい。
著者紹介を見ると、著書が1970年の大阪万博で展示され、五千年後の遺産としてタイムカプセル$${^{*8}}$$収蔵図書となる、と書いてある。成る程、これだけ素晴らしい内容なら五千年後の読者も感心するだろう。それにしても長い間刊行され続けている本だ。30年以上も印刷され続けている。と思ったら違っていた。タイムカプセルの中に入っているのはこの本ではなく、1965年に笠原氏が初めて出版した著書$${^{*9}}$$「母と子のおりがみの本$${^{*10}}$$」と言う本だった。
*1 20040227 折り紙(2)
*2 最新・折り紙のすべて
*3 秘傳千羽鶴折形
*4 おりがみ庵 【第七回】
*5 「半世紀を経て発見された私の作品」
*6 忠臣蔵の世界 幕末・明治の浮世絵 仮名手本忠臣蔵
*7 ユニット折り紙「金平糖」
*8 20030104 豆本
*9 KASAHARA Kunihiko Bibliography
*10 刊行物 | 収納品リスト | タイム・カプセルEXPO'70 | Panasonic
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